2012-05-01 Tue [ 本・マンガの感想 ]
by くさてる
4月の読書メーター読んだ本の数:75冊
読んだページ数:21075ページ
ナイス数:130ナイス
ビリオネア生活白書―超富豪たちはどう稼ぎ、どう使っているのか膨大なデータを元に、アメリカの大金持ちの職業から家庭生活にいたるまでを丁寧に分析したもの。添えられているエピソードも面白く、多額の寄付がなかなか具体的な結果には結びつかない、とか意外な事実がしれて楽しかった。
読了日:04月27日 著者:
妖恋―男と女の不可思議な七章江戸を舞台にした、妖しく濃厚な情念の物語が七篇収録。どれもが恋情の渦にある重苦しさのなか、鮮やかな色彩、あえかな音、冷えた空気とこの世のものでなさを表現して、違う世界を描いている。ただ、堪能いたしました。
読了日:04月27日 著者:皆川 博子
先生、シマリスがヘビの頭をかじっています!動物行動学者によるエッセイ集。学術的な内容を平易に楽しく語っている。なおかつ登場する動物たちへの眼差しが優しく愛情に溢れているけれど、それに淫していない感じで良かった。しかし「自分で主人を選んだ犬と猫」のクロが可愛すぎ…
読了日:04月26日 著者:小林朋道
その猫がきた日から (講談社文学の扉)猫派としては認めたくない怖さの話ではありますが(笑)、犬では成り立たない感覚のお話であるのは確かです。じわじわと生活が侵食されていく恐ろしさは、大人も読める語り口でした。
読了日:04月25日 著者:アラン アルバーグ
読書はパワーデータがかなり前の本であること、日米の言語能力獲得の過程の違いなど、いくつかの面でそのまま鵜呑みにするわけにはいかないかもしれないが、子どもには感想文もノルマも課題図書も無しで、好きな物を読ませることが良く、マンガや軽読物(ラノベや少女小説)でも十分に読解力を育てることが出来ることなどが、しっかり解説されている。読むことが何よりの学習につながるのだなと思えた。
読了日:04月25日 著者:スティーブン クラッシェン
デジタルネイティブが世界を変える読了日:04月25日 著者:ドン・タプスコット
秋の牢獄全体的に端正な不思議譚という印象ながら、時折、牙を剥くように暴力的で苦しい描写が現れる。そのバランスが、微妙に居心地が悪い気がして、単なる不思議話の範疇からはみ出した印象を受けた。不思議な着想は、何処へ向いたいのだろうか。
読了日:04月25日 著者:恒川 光太郎
幽霊の恋人たち―サマーズ・エンド優しい幽霊綺譚にロマンス小説の香りが加わった、雰囲気のある作品。児童書のくくりではあるけれど、大人の鑑賞にも十分耐えます。少女時代はあっというまに過ぎ去るということと、はかない、この世のものでない存在との関わりというモチーフが絡みあって、良い読後感でした。
読了日:04月25日 著者:アン ローレンス
スパイスの人類史様々なスパイスの歴史とそれにまつわる国や人間との絡みについて分かりやすく述べられている。こういう食物史は、そのまま人間の文化史にもなるところが面白いです。
読了日:04月24日 著者:アンドリュー ドルビー
黒蜜ざわざわと落ち着かないさざめきがいつまでも心に残るような短編集。乱暴に放り出されたようで、実は繊細に語られている人間心理や話の展開がしみじみと怖い。子役の少年の最後の述懐がつくづくうまい「黒蜜」、なにもはっきりと語られないままの閉塞感が怖い「砂のボール」、幻想的なイメージが哀しく寂しい「馬足街」が特に印象的だった。
読了日:04月24日 著者:小池 昌代
コララインとボタンの魔女子どもはいつも一人で世界に立ち向かわなくてはいけなくて、本当はそれに寄り添う猫も魔法の石も存在しない。でも、もしかして身の回りにあるなにかがそれになってくれるかもしれない。そんなことをこの童話から感じた。ゲイマンは子どもの恐怖と勇気に寄り添う目線で、大事な物語を綴ることが出来る作家だ。
読了日:04月24日 著者:ニール・ゲイマン
アフター・ザ・レッド 連合赤軍 兵士たちの40年読了日:04月24日 著者:朝山 実
V フォー・ヴェンデッタ (SHOPRO WORLD COMICS)扇動的なテーマと引用される文学表現、粗野な暴力描写に圧倒されつつも、心に響くのはその世界でも“最後の一インチ”を失わなかった人々の存在である。それはバラのように美しかった。
読了日:04月24日 著者:アラン・ムーア,デヴィッド・ロイド
たとえば好き たとえば嫌い 安井かずみアンソロジーこの女性の可愛らしさは否定しないけれど、この無邪気さにうっとり出来るかどうかは自分の中で疑問だった。自分より優れていたり、経験がある大人の女性に人生を語ってもらい「素敵ねぇ!」とため息をつくしかなかった世代の女性には懐かしいものがあるんだろうなと思った。私はもうちょっと、地に足がついた言葉が欲しい。
読了日:04月23日 著者:安井 かずみ
きわどい科学―ウソとマコトの境域を探る読了日:04月23日 著者:マイケル・W. フリードランダー
僕の読書感想文家庭画報に10年連載された書評をまとめたもの。必ずしも新刊批評にこだわらず、古本屋で見つけた掘り出し物を語ったり、自由な印象で楽しめる。
読了日:04月23日 著者:近田 春夫
「アメリカ社会」入門―英国人ニューヨークに住む (生活人新書)純粋に文化的差異に触れている箇所は面白かったけれど、良くも悪くもイギリス人ぽい感覚だなあと思った。これを日本人の私が読むことで得るものは何かと考えたりもした。
読了日:04月23日 著者:コリン ジョイス
だから母と娘はむずかしい映画および文学作品から母と娘の関係をテーマにした作品を引用し、考察したもの。最近の作品も皆無ではないが、ほとんどが古い作品なことと、精神分析的な解説にも古さと狭量さを感じて同感は出来なかった。
読了日:04月23日 著者:キャロリーヌ エリアシェフ,ナタリー エニック
フロム・ヘル 上行っては戻り、読み流しかけては立ち止まり、結果としてじっくり読むことで味わうことが出来たのは、切り裂きジャックの事件を主題にしつつも、それだけに終わらない壮大な感覚だった。下巻を早く読みたい。
読了日:04月23日 著者:アラン・ムーア
ペヨトル興亡史―ボクが出版をやめたわけその昔、ペヨトルの本といえば、扱われる内容がどれも興味深いけれど敷居が高く、でもこの中身すべてを自分の中に取り入れることが出来たならと憧れるような存在でした。私の本棚にはそういう思いで入手した何冊かの「夜想」がまだ残っています。まだネットも一般的でなかった、そんな時代の事を思い出しながら読みました。
読了日:04月22日 著者:今野 裕一
じゃがいもが世界を救った―ポテトの文化史じゃがいもという野菜が西欧にとり、どれだけ重要な存在であったかを紐解く文化史。時には珍重され、時には疎まれ、いろんな扱いを受けたけれども、結局は人々を飢えから救った素晴らしい存在だと思った。文中に出てくる当時のじゃがいも料理も楽しかった。
読了日:04月21日 著者:ラリー ザッカーマン
ステーキ! - 世界一の牛肉を探す旅世界一のステーキを求めて世界を回るカナダ人によるレポ。現代の食肉事情を憂いつつも、安易なナチュラリストぽい物言いはせず、求めるのは、本当に美味しいステーキのみという姿勢が良い。日本についてのルポも楽しかったです。
読了日:04月21日 著者:マーク・シャツカー
人魚とビスケット (創元推理文庫)タイトルと冒頭の新聞広告のくだりで一気に引き込まれる。個人的にはラストや謎とき自体よりも、そこにたどり着くまでの漂流の描写や人間心理のサスペンスの方に振り回されて面白かった。古めかしいところもあるけれど、そこがまたいい良質のミステリでした。
読了日:04月21日 著者:J.M. スコット
ザ・ビッグイヤー 世界最大のバードウォッチング競技会に挑む男と鳥の狂詩曲鳥にはそれほど興味がなかった私でも、面白かった。ひとつの興味に取り憑かれたマニアの情熱は、その対象がなんであれ、その狂おしさが痛ましくもユーモラスで、楽しい。ライバルに対抗して、一羽でも多くの鳥を確認する競技に挑んだ男たちの一年の記録です。
読了日:04月21日 著者:マーク オブマシック
夢の狩人―The sandman (DC COMICS VERTIGO)ゲイマンの原作を夢枕獏の訳(手直しくらいとは思いますが)、天野喜孝のイラストで絵本化というわけで、期待を裏切らない出来栄え。個人的には天野喜孝描くところの“ドリーム”を見られただけでも感激です。妖しいけれど優しい物語です。
読了日:04月21日 著者:ニール・ゲイマン,天野 喜孝
わたしが出会った殺人者たち取り上げられているほとんどの事件に覚えがあるような有名な殺人事件の犯人に関する回顧録。そのせいか、対象との間には距離があり、新しい気づきや発見というよりは、すでに引退した人の思い出話に耳を傾けたような読後感だった。
読了日:04月21日 著者:佐木 隆三
ホーダー 捨てられない・片づけられない病いわゆるゴミ屋敷と呼ばれるまで物を貯めこんでしまう人々について、具体例も豊富に研究した内容。アメリカの本ではあるけれど、日本にも同様の話は多い。精神医学的、発達障害の問題も含んでいるうえ、何より当事者が“治りたい”と思うまでが大変な病なのだなあと感じた。関係する人には解決へのヒントが見つかるかもしれない一冊。
読了日:04月21日 著者:ランディ・O・フロスト,ゲイル・スティケティー
Back 2 Back二人の著者による連作短編集。個人的には圧倒的に佐々木中の文章に耽溺した。扇情的で熱く、共感とは無縁の感覚の中に、はらりと情感が湧く。こういうのは単純に感覚的なものなので、私にとっては詩歌を愉しむのに近いのだと思う。素晴らしかった。
読了日:04月20日 著者:いとうせいこう,佐々木 中
自虐蒲団「ことば汁」が素晴らしかった為、続けて読んでみることにした短編集。これもまた面白かった。まっすぐなようでふらっと揺れる世界。言葉で支えられ、言葉で象られている不安定さを漂う人々。「醜い父の歌う子守唄」「かっ、かっ、かっ」「漕ぎ出した男」「二階」が特に印象的だった。
読了日:04月20日 著者:小池 昌代
科学と宗教と死 (集英社新書)語り下ろしのエッセイ(と思われます)。これまでの数冊にあった新たな知見は少なく、長年の経験を生かした静かな思い出話を聞かされているような一冊。しかし、著者のお人柄なのか、それでも意味が無いと思うことはなかった。宗教的な部分も押しつけがましさはいっさい無く、納得して読むことが出来た。
読了日:04月20日 著者:加賀 乙彦
人はなぜ悪をなすのか題名通り、人間に備わっているのは悪なのか善なのかという問題を、様々な視点から具体例を通じて考察したもの。人格障害と精神障害がごっちゃになっていたりするあたりが気になったけれども、とことん人間の悪を追求しつつ、名も無き人の中に潜む聖性にも目を向ける結論に救われる気分になった。
読了日:04月20日 著者:ブライアン マスターズ
KGBの世界都市ガイド主に冷戦時代、世界の各都市で活動したソ連のスパイによる回顧録を集めたもの。ロンドン、パリ、ニューヨークに東京など10の都市が紹介されている。訳が直訳調で読みにくいところもあるけれど、こういう時代もあったんだなあと面白く読めた。
読了日:04月20日 著者:小川 政邦
震えのある女 ─ 私の神経の物語突然、自分を襲うようになった震えの発作と向かいあいながら、様々な方面への思索を広げていく著者。時に専門的に、または詩作的に掘り進めていく言葉は、なかなか頭に入って来なかったが、意味が完全に掴めなくても伝わってくるものがあった。
読了日:04月20日 著者:シリ ハストヴェット
ふしだらかしら-老嬢ジェーンのセックスとロマンをめぐる冒険67歳になる前に、好みにあった男性とたくさんセックスをしたいのです、と広告を出した元教師による体験談。しかしながら6割以上はこのおばあさまのこれまでの人生の思い出話なので、よこしまな期待で読むと辛いかも。なおかつ、広告に応じた男性たちとの胸痛むやりとりは、ロマンティックな部分は少なめで、著者に共感するのは難しかった。男性たちも横暴だけど、自分の為に彼らを利用しようとしたのも彼女だから。
読了日:04月20日 著者:ジェーン・ジャスカ
心の視力―脳神経科医と失われた知覚の世界視力や言葉を使う能力を失った時、人間はどうやってその世界に適応していくのか。サックス博士の医学エッセイはその視点の優しさと知的好奇心のバランスが良くて、読み応えがある。脳卒中による失読症とその影響に取り組んだ作家のエピソード「文士」がとくに印象的だった。
読了日:04月19日 著者:オリヴァー・サックス
猫の目散歩猫の目線で東京散歩…なのだけど、「私の中の猫」が時々顔を出して語りかけてくる。まるごとその猫の語りだった一篇がいちばん良かった。
読了日:04月19日 著者:浅生ハルミン
シャーロック・ホームズとお食事を―ベイカー街クックブックホームズの作品中に言及された料理の再現だけでなく、それをモチーフにした料理まで、しっかりしたレシピとホームズものに関するウンチクまで楽しめる濃い一冊。シャーロキアンの皆様の情熱に、ただただ、感服です。
読了日:04月19日 著者:ジュリア・カールスン ローゼンブラット,フレドリック・H. ソネンシュミット
望遠ニッポン見聞録素直に面白かった。行動力があっていろんな場所を回っているからといって、それだけで面白いことが書けるわけではない。ヤマザキマリのエッセイは、添えられているイラストの魅力も含めて、独自の視点から、肩の力を抜いた楽しい文化論になっていた。
読了日:04月18日 著者:ヤマザキマリ
超常現象の科学 なぜ人は幽霊が見えるのか占い、幽霊、幽体離脱…というテーマに科学の視点でメスを入れつつも、冷たい感じはなくユーモアがあって分かりやすい。読者が試せる具体例も多く盛り込んであるので、実践的にも楽しめる。最後の結論を読んで、科学者だからこそのロマンチックさを感じた。
読了日:04月18日 著者:リチャード・ワイズマン
お姫さま大全 100人の物語井辻朱美監修の、古今東西のお姫様の物語。ティーン向けかもしれないけれど、本当に幅広い時代と創作から色んなタイプのお姫様を見つけてきていて、読んでいて、自分の知識が広がるように感じた。自然と原典にも興味が湧くような造りになっていると思う。
読了日:04月18日 著者:
できることをしよう。―ぼくらが震災後に考えたこと震災から一年たった状態で読むと、あの当時、津波に飲み込まれていく町や助けられる被災者の映像に、「なにか出来ないか」「自分に出来ることはないか」と切実に浮かんだ気持ちを思い出した。そうなんだよね。あの時に、私は思ったんだ。なにか力になりたいって。一年たったけど、震災はまだ終わっていない。津波の被害だって終わったわけじゃ全然無い。故郷を失った人に故郷がそのまま戻ってなんか無い。そんななかで、自分のできることってなんだろう。そう考えながら読みました。ここにある明るさと希望を手伝いたいと思いながら。
読了日:04月18日 著者:糸井重里&ほぼ日刊イトイ新聞
セックスと科学のイケない関係いわゆる「性研究」の歴史にいつもの体当たりで挑む著者の姿勢にプロ根性を感じた一冊。科学者の真摯な姿勢の中に見え隠れする時代の影響、ジェンダー意識などが興味深かった。この一冊でなにが分かったという本ではないけれど、そこに至るまでの道どりがとても楽しい。
読了日:04月17日 著者:メアリー ローチ
シャーロック・ホームズ家の料理読本 (朝日文庫)ヴィクトリア朝の家庭料理や家事にまつわる気づきなどを述べた体裁の本。これが実用的かどうかはともかくとしても(笑)読んでいて面白かった。まったく見当もつかないほどではないけれど、想像力を働かせないと正体が見えない料理もあったりで、楽しかった。
読了日:04月17日 著者:ファニー・クラドック
クリムトと猫読了日:04月17日 著者:ベレニーチェ カパッティ
女たちの時間―レズビアン短編小説集 (平凡社ライブラリー (274))女性同士の絆や同性愛的な交わりをテーマにしたアンソロジイ。どの作品も性愛描写は皆無。それでもわずかな言葉の隙間や熱っぽい目線でのやりとりから濃厚な感情が伝わってくるような作品が多かった。「マーサの愛しい女主人」「至福」「存在の瞬間-スレイターのピンは役立たず」「無化」「あんなふうに」がとくに印象に残った。
読了日:04月16日 著者:
からくりアンモラル (SFシリーズ Jコレクション)SF風味のエロティックな短編集。性愛の対象の多くが少女なことと、SM趣味が濃厚なあたりが読む人を選びそうだけど、私は愉しめました。著者のサービス精神が旺盛なことが、描写だけでなく物語展開にもみてとれるのだけど、そういうプロ意識がある作家は好きです。「いなくなった猫の話」「ナルキッソスの娘」あたりのラストに漂う優しさが心地良く、「一卵性」「レプリカント色ざんげ」に漂う酷薄さが美しいと思った。
読了日:04月16日 著者:森 奈津子
世界記録はどこまで伸びるのかオリンピックのたびに世界新記録が出ているけれど、人間ははたしてどこまで記録を伸ばすことが出来るのか。そこにはおそらく限界の壁がある。でも、ギリギリまでそこに近づくことが出来るとして、そのポイントはどこなのか、ということを様々な視点から検討した一冊。ゴルフ、水泳、陸上、野球と選ばれたジャンルも様々なので、楽しく読むことが出来ました。
読了日:04月15日 著者:ジョン ブレンカス
主婦に捧げる犯罪 (RHブックス・プラス)主婦をテーマにしたミステリ短篇のアンソロジイ。面白かった!私はこういうべタなミステリが好きなのだと思う。嫁と姑、浮気と子育て。そんな誰もが身近に感じる問題から、ほんのわずかそれたつもりが大きく道を踏み外した女性たちの成功と失敗の記録といったところ。「救済の家」「隣のコレクター」「見えないマイナス記号」「今度晴れたら」「義母の殺し方」「母の制裁」が印象に残った。あと、巻末に添えられた作家たちのエッセイが意外な楽しさだった。
読了日:04月14日 著者:クリスティン マシューズ
ミステリアス・ショーケース (ハヤカワ・ミステリ)ミステリというよりは普通小説よりの短編集。けれど、どれもが、その作品内のどこかに人間心理のミステリアスさを漂わせている、そんな読後感でした。とても手堅く、破綻無い感じ。
読了日:04月14日 著者:デイヴィッド・ゴードン,ニック・ピゾラット,トム・フランクリン,スティーヴ・ハミルトン,ダグ・アリン,トマス・H・クック,デイヴィッド・ベニオフ,ベス・アン・フェンリイ
ひとり百物語 闇より深い闇怪談実話集 (幽BOOKS)怪談実話集。それなりに恐ろしい存在が出現したり、興味本位の肝試しの結果はぞっとするようなものだったりするのだけど、不思議と、迫ってくるような恐ろしさというよりは、どこか不思議な感じやあっさりした後味が残る怪談という印象を受けた。
読了日:04月14日 著者:立原透耶
子宮、応答せよ。--筋腫警報発令中子宮筋腫で摘出手術を行った著者によるエッセイマンガ。といってもお涙頂戴でも美談に仕上げるでもなく、ごく当たり前の感覚で、大きな出来事に向かい合っている著者の自然な感覚が伝わってくる内容だった。「辛いことも/おかしいことも/時と場所を選ばず/やってくるもんなんだな」という場面には泣いてしまった。女性には筋腫持ちや生理痛の重い人がたくさんいるけれど、その苦労ってそうでない人に分かってもらえない以上に、本人がそれに慣れて「そういうもんだ」と思ってしまっている部分も多いのでは。でも、楽になれるならなったほうがいい
読了日:04月14日 著者:得能 史子
絵本画家 天才たちの競作集 (ビジュアル選書)30人もの絵本画家による、「不思議の国のアリス」や「アンデルセン童話」などの名作に添えられた絵を楽しむことが出来る。あくまで入門編ではあると思うけれども、どれも美しく個性に溢れていて、素晴らしい。自分の好みの絵はどれだろうと考えるのも楽しい。「不思議の国のアリス」といえばテニエルなのだけど、ここに掲載されたジェシー・W・スミスや、アーサー・ラッカムのアリスも素敵だった。
読了日:04月14日 著者:
WATCHMEN ウォッチメン(ケース付) (ShoPro Books)映画のあとに読んだのだけど、ほとんどそのままで驚いた。キャラの顔までそっくりだ。映画を見ていたのでまだ飲み込みやすかったけれど、まったくの白紙でこれを読んだなら、読みこなすのに手こずったと思う。それだけ濃密な画面と展開、思考を要求する構成で、素晴らしい傑作だった。なにより、このテーマの根底に流れる暗さに惹かれた。
読了日:04月13日 著者:アラン・ムーア
肉食タブーの世界史 (叢書・ウニベルシタス)読了日:04月11日 著者:フレデリック・J. シムーンズ
ジェントルマン私には作者の意図が読めなくて混乱した。恋に落ちた語り手の視点を共有するには、その相手の漱太郎というキャラクターがあまりに俗物で薄っぺらい。二面性に深みが無い。そういう相手であっても、絶望的に惚れ込んでしまう、それが恋、というお話なのかとも思ったけれど…。人物が皆、書き割りのキャラクターで、予想通りの展開なのも残念。文章のところどころに、ぐっとひきこまれる美しさも、あったのですが。
読了日:04月11日 著者:山田 詠美
恐竜、水、エルリック、神話をモチーフにした幻想的な短歌と、それらのテーマに関するエッセイなどが収録。僅かな字数のなかに、豊潤なイメージが実感をともなって目の前に広がっていくような短歌が多い。ファンタジックなテーマにも関わらず、不思議と地に足がついた感覚を得て、よりリアルに感じられる読後感が面白かった。
読了日:04月11日 著者:井辻 朱美
殺人マニア宣言 (ちくま文庫)本棚より再読。猟奇殺人犯の名所や犯罪博物館をたどる道のりは、いっけん、悪趣味なものかもしれない。けれど、その文章には、根本に人間存在への純粋な好奇心と探求心が伺われて、偽悪的なノリの時でも、読後感が悪くない。殺人が、「人間心理の究極のミステリ」という表現には頷かされる。
読了日:04月10日 著者:柳下 毅一郎
With you (幻冬舎文庫)12人の女流作家による官能小説の短編集。アンソロジイには玉石混合がつきものですが、正直、石が多すぎた…。岩井志麻子や坂東眞砂子のような自身の世界で勝負しているものは面白く読めました。
読了日:04月09日 著者:小池 真理子,岩井 志麻子,桜井 亜美,坂東 真砂子,島村 洋子,甘糟 りり子,桐生 典子,真野 朋子,黒沢 美貴,春口 裕子,斎藤 綾子,江国 香織
ことば汁 (中公文庫)初読の作家だが、これは良い作家と出会った。幻想的だけどどこか生臭く、美しいけれど残酷で、読後感がせつない。踊るように物語が道を踏み外していくような不思議な展開で表現される、ひとの性愛や情の雰囲気に酔わされた。文章がとにかく良いです。
読了日:04月09日 著者:小池 昌代
キャット・ウォッチング 2 猫に超能力はあるか?猫にまつわるなぜ?な疑問に、動物行動学の観点から、丁寧に答えたもの。それでもやっぱり分からない事は多いけれど、頷けることもたくさん。岩合光昭の写真がとても良いのです。
読了日:04月08日 著者:デズモンド・モリス,岩合 光昭
鉱物コレクション入門水晶が綺麗と思い、写真を眺めて楽しむくらいで、鉱物好きと名乗れるほどではありませんが、そんな初心者にもとっつきやすい内容。それでいて手加減はしてない丁寧な濃密さで興味深く読むことが出来ました。
読了日:04月07日 著者:伊藤剛,高橋秀介
もやしもん(11) (イブニングKC)やはり農大のお祭りエピソードは盛り上がりますね。そこかしこに面白い部分は多いけれど、物語的にはちょっと一休止な感もありました。個人的には蘊蓄部分が読んでいていちばん面白く感じるところなので、これからの日本酒作りに来たいです。そして、読んでいるひと皆が思っているだろうけど、長谷川さんと美里先輩のくっつきそうでつかない感じがいいですね!(笑)
読了日:04月07日 著者:石川 雅之
本に埋もれて暮らした
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2012-04-04 Wed [ 本・マンガの感想 ]
by くさてる
3月の読書メーター読んだ本の数:67冊
読んだページ数:15127ページ
ナイス数:113ナイス
歪んだ鏡―身体醜形障害の治療自分の身体の一部分を「醜い」と思いこむことが生活に支障をきたすレベルまで強迫的な観念となる病についての包括的な一冊。症状や治療法にいたるまで、かなり専門的な内容ではあるが、具体例も多いため、難解な印象でなく読むことが出来る。訳者あとがきも、この病の日本での扱いや類書の紹介など、良心的で良かった。
読了日:03月31日 著者:キャサリン・A. フィリップス
ロバート・クラムBEST―Robert Crumb’s troubles with women「フリッツ・ザ・キャット」しか知らずに読んで、内容の濃さに酔ったような気持ちになった。吾妻ひでおの「夜に棲む」シリーズと雰囲気が良く似ている。自伝的作品は、大槻ケンヂのエッセイが思い浮かんだ。つまり、それくらい文化を越えて、ある種の男性の根本を鷲掴みにする感覚があるのだと思う。面白かった。
読了日:03月30日 著者:ロバート・クラム
「やめられない心」依存症の正体いわゆる「アディクション」について理解を深めるための解説書。具体例も多く、身近な問題として感じることが出来て分かりやすく読むことが出来た。ただし、訳者あとがきがかなり問題。「と言われています」「という気もします」「科学的な証明は出来ないものの」などとという曖昧な根拠をもとに、社会問題をおおざっぱに断言しすぎていて、不快感を覚えた。なにより、こういう本を読む人が切実に求めているであろう、日本での具体的な治療や問題の解決法にまったく触れていないのはどうかと感じた。
読了日:03月30日 著者:クレイグ・ナッケン
花森安治---美しい「暮し」の創始者 (文藝別冊/KAWADE夢ムック)自分の母の世代がちょうど「暮らしの手帖」世代である。この人の仕事はどれも懐かしく、読んでいて、どこか叱られているようで、背筋が伸びる思いがする。もっとこのひとの創った「暮らしの手帖」を読んでみたいと思った。
読了日:03月29日 著者:
とっても奇蹟な日常ファンタジー作家、訳者らしく、肩の力が抜けた少し不思議な感覚を生かしたエッセイ集で読みやすかった。個人的にはスピリチュアルな部分は敬して遠ざけたい部分もあるのだけど、そこもやりすぎず、抵抗感なく読むことが出来た。もう少しこの人の文章を読んでみたいと感じた。
読了日:03月29日 著者:井辻 朱美
ヒトは今も進化している 最新生物学でたどる「人間の一生」私たちの生活における身近な問題を現代科学で斬ってみせる内容。コラムをまとめたものなので、ひとつひとつがあっさりと短く、読みやすい印象だった。
読了日:03月27日 著者:ローワン・フーパー
懐かしい家 小池真理子怪奇幻想傑作選1 (角川ホラー文庫)粒揃いの短編集。だけどやはり、職業作家としてこなして書いた作品たちという印象がする。もちろん、こなせるだけすごいのだけど。同じテーマを扱った(と私は思う)連城三紀彦の「化鳥」と比べて欲しい、「神かくし」がいちばん良かった。
読了日:03月27日 著者:小池 真理子
魔法飛行詩と随筆が混在しているとらえどころのない文章の中に、「わたし」の視線だけは確実に在る。独特のその味は、波長が合う人合わない人がいるだろうが、わたしはほんのりと好きと感じた。
読了日:03月26日 著者:川上 未映子
ふと読み落としていた伊藤比呂美のエッセイ集。こどもに関する部分よりも、ポーランドの文化についてのコラムの文章のほうが面白く、素敵だった。
読了日:03月26日 著者:伊藤 比呂美,西 成彦
チョコレートの歴史チョコレート=カカオが、どのように世界に広まり、愛されていったかを歴史的に語る内容。それはもちろん、わたしたちが普段口にするチョコレートの歴史でもあって、面白く読むことが出来た。
読了日:03月26日 著者:ソフィー・D. コウ,マイケル・D. コウ
キレイならいいのか (亜紀書房翻訳ノンフィクションシリーズ)社会で外見によって人物が評価されることとその弊害について語る本。外見によって判断されることの不都合に対してどう対処できるのかということで、抽象的な理想的答えと、狭い地域のみ有効な法律的解釈が準備されているだけなので、もう少し「なぜ我々は美を善と感じるのか」「それが合理的でないと頭で分かっていても、美を求めるために犠牲を払うのか」ということを掘り下げた考えが読みたかった。ただ、単純な弾劾だけに終わらず、その価値観を良しとしないはずの人々もまた迷っているということが伝わってきたのは良かった。
読了日:03月26日 著者:デボラ・L・ロード
躁うつ病を生きる―わたしはこの残酷で魅惑的な病気を愛せるか?少女の頃からの躁うつ病に悩まされ続けた心理学者の女性による、その病を生きるというのはどういうことかという問いかけと内省の言葉の奔流に圧倒された。専門的なことに触れてはいるが、むしろ、病に振り回されつつも自分の人生を生きてきた女性の一代記として、とても興味深く面白く読むことが出来た。当事者のみならず、関係者や家族にとってもうなずける部分は多い内容ではないか。重苦しい部分も多いが、同時にとても美しい光景ゃ生々しい描写も存在している。読み応えのある一冊。
読了日:03月26日 著者:ケイ・レッドフィールド ジャミソン
泣きっ面にマリ 大人の女の人生相談面白かった!女性誌に寄せられた人生相談を夏木マリが次々と斬っていく。その答えの中に、彼女の確かな人生観がうかがわれて、それがとても素敵だった。「頑張っているつもりです、というあなたの言葉で、頑張ってないのがわかっちゃったな」という言葉がとても印象に残りました。
読了日:03月25日 著者:夏木 マリ
老化はなぜ起こるか―コウモリは老化が遅く、クジラはガンになりにくいどんな手段を使っても、老化を止めることはできないし、遅らせることも難しい。そもそも「老いる」とはどういうことか。身近なようでいて真剣に考えることは少なかった問題を、科学的に分かりやすく解説してくれる良書。
読了日:03月25日 著者:スティーヴン・N. オースタッド
ぼくはお金を使わずに生きることにした一年間の期限付きで、お金を使わない生活にトライした青年による体験記。消費社会への批判をこめて、とか環境保護とか菜食主義などの視点からの言葉が多いけれど、ユーモアがあるのであまりうるさく感じない。なにより著者自身が、実験の途中で、理想主義で頭でっかちだった自分自身を反省するくだりがあるのが良かったと思う。
読了日:03月24日 著者:マーク ボイル
わたしを宇宙に連れてって―無重力生活への挑戦宇宙空間に飛び出すことということは、具体的に人間の身体にとってどういう意味を持つことなのか?という科学的なテーマを、より具体的に身近な視点から、とにかく現場に飛び込む女性ジャーナリストが解きほぐしていく内容。何度か吹き出した個所もあるくらい、肩が凝らず楽しめる一冊でした。最後の結論にも大きくうなずいた(笑)。日本のJAXAも取材の対象となっていて、そこもまた興味深かったです。なるほど、日本人は宇宙飛行士向きなのか。
読了日:03月24日 著者:メアリー・ローチ
他者の苦痛へのまなざし他者の苦痛に向けられるまなざしに、力はあるのか。意味を見出すことが出来るのか。まさにいま必要な視点を与えてくれる本だと思う。ただし、取り上げられる例は具体的でも、そこから派生する思考はどこか抽象的で芯がつかみにくい印象。けれど、その掴みにくさ、割り切れなさこそがこういう問題の本質なのだと思う。
読了日:03月24日 著者:スーザン ソンタグ
サンドマン (5) (DC COMICS VERTIGO)猫という種族の愛らしさと底知れなさを見事に表現し、神話にも似た味わいがある「千匹の猫の夢」が傑作。私が猫アンソロジーを組む機会があればもう絶対に入れる。ヴィジュアルとお話が見事に融合して、現実の自分自身の立ち位置にまでその余韻が入り込んでくるような、こういうものをまさに幻想文学と呼ぶのだと思う。これ以後の巻が未訳なのが残念でならない。
読了日:03月23日 著者:ニール・ゲイマン
サンドマン (4) (DC COMICS VERTIGO)死なない男とドリームの途切れない待ち合わせ「運のいい男」。はい、萌えましたとも!あの展開でまさかのツンデレなんて卑怯だドリーム。さらに、コンヴェンションの内容が明らかになるにつれて面白さが増していく「蒐集家」そしてその後の章は、この長編の一区切りになるエピソードの展開がダイナミックで夢中になって読みました。面白かった!
読了日:03月23日 著者:ニール・ゲイマン
サンドマン (3) (DC COMICS VERTIGO)「プロローグ」の神話がただもう崇高で、美しい。愛の本質が伝わるのと同時に、この世とあの世を隔てる絆がこんなに切ないからこそ、見事な神話なのだと思う。それに続く「ドールズ・ハウス」は一巻からの伏線が生きてきている。そしてひたすら、続きが気になってしまう展開を楽しんだ。暴力的であるけれど、哀しさも満ちているこの世界に惹きつけられてならない。
読了日:03月23日 著者:ニール・ゲイマン
サンドマン (2)詩のように語られる独白と台詞、極彩色とモノクロが絡みあった色遣いで表現される幻想の世界は、驚くほどこちらの骨身に迫ってくる哀しさと恐ろしさに満ちている。ダイナーでの虐殺を描いた「24時間」と「死」そのものであるデスとドリームの邂逅の物語「翼のはためき」が特に好き。
読了日:03月23日 著者:ニール・ゲイマン
帰ってきた海馬が耳から駆けてゆく (2)相変わらずの楽しい日記エッセイなのだけど、著者が会津在住ということで、震災に関する記述には胸に迫るものを感じた。でも、その状況のなかでもひとは自分らしくあるし、生活をしている。自然体、と片付けるだけで終わらない独特の魅力が伝わってくる文章だと思った。
読了日:03月22日 著者:菅野 彰
まだある。おやつ編 (大空ポケット文庫)懐かしの昭和カタログ、とあるけれど、ものによっては大正時代から残っているものもあり、しかも「まだある」どころか、普通に現役で食べているものもあったりして、面白かった。こういうの、地方によっても大きく違うのでしょうね。
読了日:03月21日 著者:初見健一
花森安治のデザイン「暮らしの手帖」30年分の表紙やイラスト、描き文字の集大成。可愛らしく美しい色遣いが、本当に独特で、見ていて飽きない。シンプルに描かれたコップの柄だけでも花森安治の線だと分かる。レトロで懐かしいだけでない素晴らしい仕事だと思いました。
読了日:03月20日 著者:
チャールズ・アダムスのマザー・グース有名なマザーグースに、あのアダムスファミリーの絵が添えられるとこんなにも不気味で味があるものになるのか…と楽しみました。可愛いけれどそれだけでなく、シンプルだけど深読みのできる描線が好きです。本当に素晴らしい。
読了日:03月20日 著者:チャールズ・アダムス
あきらめない 働くあなたに贈る真実のメッセージ (日経WOMANの本)自分でも意外なほど心を動かされた。社会的な事件の当事者が書いた本というよりも、社会で働いてきた女性の生き方がとても素直で気取らない筆致で語られている部分をとくに素晴らしいと思った。働く女性にとって必要な考え方、参考になる言葉がやまほどちりばめられている。もちろん、だからこそ、この懸命に己の仕事に取り組んできた女性にふりかかってきた運命に腹立たしさを覚えてやまない。一度だけ、怒りのあまりに泣いて抗議をしたエピソードには、私も胸が詰まる思いになった。この怒りが分からない人間を、可哀想に思う。良書だった。
読了日:03月20日 著者:
99%の反乱-ウォール街占拠運動のとらえ方-この現象自体の評価はどう定まっていくのか分からない。けれど、その中心にあるごく自然な人々の怒りの言葉に触れることができる。運動そのものよりも、それをもたらすこととなった基本的な部分が改善されることが容易でないことは確かであり、それはまったく他人事でない。自分自身のこととしても考えてみる助けになる一冊と思う。
読了日:03月20日 著者:サラ・ヴァン・ゲルダー
青い夜の底 小池真理子 怪奇幻想傑作選2 (角川ホラー文庫)小池真理子の怪奇幻想ものは、とても職人的に仕上げられているので読んでいても満足感が高い。バランス良く書かれているぶん、本当の意味での「この世でなさ」「狂おしさ」は薄いのだけど、まとまった怖い話を読みたいひとにはもってこいの内容だと思った。悪意が剥き出しで読後感が気味悪い「しゅるしゅる」は二度と読みたくない作品です。
読了日:03月20日 著者:小池 真理子
幸せな未来は「ゲーム」が創る単純なゲーム擁護の書では無く、“ゲーム”がもたらす感覚が人間に与える影響とそれを現実世界にフィードバックしていく具体的な方法と豊富な例を語ったもの。文中に溢れんばかりのポジティブさに、それでも少しはゲームにも影の部分はありませんかねえ…と呟きたくもなりましたが、このまっすぐさ、未来志向はとてもアメリカらしいものと感じました。
読了日:03月17日 著者:ジェイン・マクゴニガル
「うつ」がこの世にある理由---作られた病の知られざる真実こういう本が書かれるほど「うつ」という病に関わる人は多く、その正体を断言できる人は少ないのだなと感じた。この本も、視点の偏りが気になるけれど、そういう立場から見たものだと納得して読み進めていけば、一般的な「うつ」の教科書とはまた違った風景を見ることが出来ると思う。
読了日:03月17日 著者:ゲイリー グリーンバーグ
本当は怖い洋楽ヒットソング ~あなたの知らない、あの曲の本当の意味~よく知られた名曲の内容が、実は…という切り口がとても面白い気がするけれど、古い曲が多いので驚きは少なかったかも(オリジナルが縁遠かった時代に流行したからこそ、違う内容で伝わったという由来からしてそうなったのは分かるけれど)。楽曲に関する細かい情報は充実している。ただ、肝心の歌詞の和訳がとても直訳調なので、もうちょっとこなれていたらとも思った。
読了日:03月16日 著者:太田 利之
リアル・スティール (角川文庫)こういうSFやミステリ、奇妙な味よりの短編集は大好き。皮肉でどこか物悲しい「征服者」、暗い未来像だけど、この世界がすでに隣り合っているような気分にさせられた「下降」、残酷な内容の中に共感が潜んでしまうように感じた「なんでもする人形」、タイムマシンものの良作「旅人」など、良質な内容だと思う。
読了日:03月15日 著者:リチャード・マシスン
リアル・スティール (ハヤカワ文庫NV)様々なジャンルの作品が収録された短編集。「白絹のドレス」は何のアンソロジーに収録されていたかを確認して、意味がようやく分かったけれど、不気味さに満ちている。「指文字」の後味の悪さは一級品でした。
読了日:03月15日 著者:リチャード・マシスン
罪悪淡々とした描写と文体で、描かれる後味の悪い犯罪と罪悪に満ちた世界。それでも、短編集なので息切れすること無く読み続けることが出来た。それにしてもここで描かれている文化的な貧しさはいまの日本にも十分通じるものだと思う。なので、余計に響く。
読了日:03月14日 著者:フェルディナント・フォン・シーラッハ
考えの整頓タイトルの通り、著者の淡々とした思考の整理に一緒に付き合っているような穏やかな雰囲気に満ちた本。でもその穏やかさが心地良いエッセイ集。
読了日:03月14日 著者:佐藤雅彦
闘う衣服 (叢書 記号学的実践)人間は衣服を着る動物である、という言葉。その通り、ファッション雑誌、ヴィヴィアン・ウェストウッド、女子プロレス、ゴシックロリータという様々な媒体を通じて語られる衣服の持つ意味がとても興味深かった。その意味づけが新たな解釈を生み、自分が袖を通す物を見る目も変えていくような知的興奮があった。もっともっと、こういう切り口の文章が読みたい、と思った。
読了日:03月14日 著者:小野原 教子
山賊ダイアリー(1) (イブニングKC)岡山の田舎に住む著者による、狩猟と獲物を食べる日々。淡々とした描写で、けれど肝心なところは誤魔化さない表現で描かれるその日々は、とても興味深いし、面白かった。命をいただくということを、神格化することなく日常として描くのがいいなと思う。
読了日:03月14日 著者:岡本 健太郎
サンドマン (1) (DC COMICS VERTIGO)海外マンガに慣れていない為、最初は読みにくさに困ったけれども、独特のマンガの文法が飲み込めてからは、すいすい読めてなおかつ面白さが沁み渡ってくるようだった。続きも読みたい。
読了日:03月13日 著者:ニール・ゲイマン
私は病気ではない―治療をこばむ心病める人たち専門的な本に思えるかもしれないけれど、実際は患者を身内に持つ家族や、治療者といった身近な人々に向けて語りかける内容で、読みやすかった。患者と関わるうえでの具体的なアドバイスも豊富で、役に立つと思う。残念ながら、日本での現状やアドバイスが添えられていないので、そこまであれば良かったと思う。
読了日:03月13日 著者:ザビア アマダー,アンナ=リサ ジョハンソン
レンタルの白鳥 その他のちょっと怖いお話十五篇何の予備知識もなく手に取った作家の短編集だが、面白かった。奇妙な味やホラーめいた作品が多い。どれか一作を選ぼうとすると、全部を選んでしまいそうなくらいに粒が揃っているけれど、個人的には思わぬ同居人を得た劇作家の奇妙な生活が展開していく様を描いた「レンタルの白鳥」、奇妙な味とも純文学とも言いようがないなんとも不思議な読後感を得た「聴き方」の二作が特に良かった。
読了日:03月10日 著者:著者:ジョーン・エイケン 訳者:秋國 忠教
さよなら、私のクィンターナ夫に続き、娘を喪った初老の作家による回想。娘の死を受け入れるということがどれほどの意味を持つことなのか、けして劇的なものでもなく整理された記憶ということもなく、ごく個人的に意味を持つ事柄が浮かんでは消え、連想されては違う意味をまとい、繋がっていく構成が、こちらに湧き起こすもので、胸が苦しくなった。老いることへの率直な感慨も含めて、生のまま受け取ったらこちらが動揺してしまうほどの、感情の名前は、おそらくは「哀しみ」だ。あふれんばかりの、悲しみだ。
読了日:03月10日 著者:ジョーン・ディディオン
ミステリ美術館―ジャケット・アートでみるミステリの歴史なんともいえない雰囲気に満ちたジャケットばかりでうっとりと眺めた。安っぽいと片付けられてしまいそうだけど、この味には抵抗できない。たとえが有名作のジャケットが時代とともにどのように変化していったかなどを数多く見ることが出来たらもっと面白かっただろう。でも、ポスターとして欲しくなるような図柄ばかりでした。デザインや美術に興味があるひとは読んで損がないと思います。
読了日:03月09日 著者:森 英俊
小池一夫伝説 (映画秘宝COLLECTION)素晴らしく面白かった。マンガ家とタッグを組むことが前提のマンガ原作者ならではのエピソードやマンガ家と共に歩んでいくその姿勢が濃密に語られていて、なおかつそれが私生活云々でなく、あくまで作品に立脚しているものだからこその説得力があると思う。周辺人物のコメントも趣深い。“語られてないポピュラリティ”という表現に、潔さとプロとしての誇りが現れていると感じた。
読了日:03月08日 著者:大西 祥平
無芸大食―Tanabe Seiko Collection〈6〉 (ポプラ文庫)食と中年を過ぎた男女を主人公にした短編集。58歳の女性がふと出逢った男との会話と食を楽しむ姿が自然で心地良い「いわしのてんぷら」と、離婚した男が味わう自由と元妻との自然な交情…と思わせて実はそこになにかもっと冷たいようなものが潜んでいるような「はじめに慈悲ありき」が面白かった。
読了日:03月08日 著者:田辺 聖子
猫怪々ふとねこ堂による猫のイラストがまず、素晴らしい。ちょっと変わった猫エッセイとして読めばとても面白いと思うが、実話怪談の名手としての著者を知らないひとにはとっつきにくい本かもしれない。でも、のの(猫の名前)の愛らしさはそれでも伝わるはず。
読了日:03月07日 著者:加門 七海
傷を愛せるか著者の専門書を読んだとき、そこから押し寄せる感情の波に翻弄されて苦しくなった。その苦しみから救ってくれたのがこのエッセイ集。精神科医の余技として片付けるにはあまりにも惜しい、本当の意味でひとに与える優しさを含んだ詩的な文章だと思った。本当に素晴らしい。最後に述べられた言葉の美しさに涙した。私も、貴方も傷を愛せないまま、私も、あなたも愛したいのだ。
読了日:03月07日 著者:宮地 尚子
抵抗の快楽―ポピュラーカルチャーの記号論 (SEKAISHISO SEMINAR)マドンナに関する章がとりわけ面白かった。しかし、こういう論に関する自分の理解が何を生むかについては分からない、そういう印象を受けた
読了日:03月07日 著者:ジョン フィスク
ヴォイニッチホテル 1 (ヤングチャンピオン烈コミックス)台詞のセンスや絵の可愛らしさとバランスの良さなどは説明するまでもないのだけど、やはり根底に静かに響く暗さがこの作品を面白いだけでない、忘れ難いものにしている要因だと思う。一瞬、幸せな空間が広がっても、次のまたたきの後には、真っ暗になっているかもしれない、そんな不安感。続きが待ち遠しいです。
読了日:03月06日 著者:道満 晴明
鬼灯の冷徹(4) (モーニング KC)アシスタントがおらず、全部一人で描いているという事実に驚いた。でも納得。荒いといいつつ、この微妙な描線が好きなのでこのままでいってほしい。個人的にいちばんときめくのがベルゼブブ。なので、その妻が誘惑が本分のリリスで鬼灯にヤキモチを妬くというなんという俺得展開に満足きわまりない巻でした。
読了日:03月06日 著者:江口 夏実
ぶらぶらひでお絵日記 (単行本コミックス)公式サイトに掲載されていた絵日記をまとめたもの。読書感想とたくさんのイラストが楽しい。深い内容ではありませんが、ファンなら満足できるものだと思います。女の子が本当に可愛らしいのです。
読了日:03月06日 著者:吾妻 ひでお
僕と日本が震えた日 (リュウコミックス)面白かった。どうしても理解しづらかった放射線測定の個所などはとても分かりやすく学ぶことが出来たと思うし、理性的に様々な見解が並べられているので、自分でそこから考えることが出来る。おそらく、真の問題はそういう理性を越えた部分での影響だと思うのだけど、それはこれからもずっと続いていくことなので、こういうかたちの作品が多くの人によって生まれることを望みます。思考停止しないために。
読了日:03月06日 著者:鈴木 みそ
銀魂―ぎんたま― 43 (ジャンプコミックス)アニメで見たら本当に華やかで盛り上がって面白いだろうな、というのが正直な金魂篇への感想なのですが、個人的には、やはりわたし一押しの銀さん×たまが公式設定になったのが一番喜ばしいかと(違う
読了日:03月06日 著者:空知 英秋
倒立する塔の殺人 (PHP文芸文庫)ミッションスクールに通う少女たちの生々しい心の揺れ動き、太平洋戦争と勤労動員、世界文学、見通せない謎、S、とさまざまな要素が凝った構成で味わえる極上の作品。ミステリとしてどうかとはその方面に疎い私には巧く評価できないのだけれど、ここまで酔わせて下さったら文句もなにもありません。皆川博子は素晴らしい。
読了日:03月06日 著者:皆川 博子
百姓貴族 (2) (ウィングス・コミックス)1巻に負けず劣らずの面白さ。単なる実体験マンガとは一線を画す笑いだなー。
読了日:03月06日 著者:荒川 弘
レッド(6) (KCデラックス)じわじわとした緊迫感がたまらない。政治的にどうこうという問題でなく、密な空間と思想のなかに閉じこもった人間の圧が高まっていく展開に、読んでいて息が詰まる。これからがもっとも恐ろしい場面となることを知っているだけに(そしてそれを描写することをこの著者はためらわないであろうと信じるがゆえに)、それを通り抜けた結果、どのような空間にこの作品がたどりつくのかを見たいと思う。
読了日:03月06日 著者:山本 直樹
グイン・サーガ・ワールド 4 (ハヤカワ文庫JA)やはり、栗本薫による、デビュー及び乱歩賞受賞直後の日記がいちばん興味深く読み応えがある。やはり、このひとは最初から完成されていて、表層的な部分はともかく、本質的にはそのままで、変化することを選ばなかったひとではないかとも思う。その選択が、時代に沿わなくなっていった部分はあるかもしれない。でも、この日記をもっと読みたいとも思った。
読了日:03月03日 著者:
グイン・サーガ・ワールド3 (ハヤカワ文庫JA)読了日:03月03日 著者:栗本 薫
グイン・サーガ・ワールド3 (ハヤカワ文庫JA)今岡清氏の「いちばん不幸で、そしていちばん幸福な少女」だけで一冊書き下ろしてはもらえないだろうか…。今回は、中島梓/栗本薫のファンであれば、なにかしら感じるものがあるはずの、彼女の舞台についてのエッセイ。書きづらい部分も多いと思うのだけど、栗本薫という存在を理解する為には必要不可欠な事柄だったと思う。
読了日:03月03日 著者:栗本 薫
「当たり前」をひっぱたく頷けることが多い。自分世代の人間にとって生の説得力を持つ言葉だと感じた。
読了日:03月03日 著者:赤木 智弘
若者を見殺しにする国 私を戦争に向かわせるものは何かTwitterでの発言が興味深く気になっていた著者の本。言葉に説得力があり、とても面白かった。同じ世代だからだろうか、この著者の抱える鬱屈や感情はまったく他人事でないと感じる。俗流若者論や、オタク、ゲーム有害論に対する反論など、うなずける個所がいくつもあった。同世代の書き手を意識することはこれまであまりなかったのだけど、応援したくなったので、図書館で借りましたが文庫版で購入します。
読了日:03月03日 著者:赤木 智弘
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2012-02-29 Wed [ 本・マンガの感想 ]
by くさてる
2月の読書メーター読んだ本の数:33冊
読んだページ数:7855ページ
ナイス数:98ナイス
年老いた猫との暮らし方――飼い主たちの体験からアメリカの作家による高齢猫との生活についての実践的なエッセイ。日本とは事情が違うところが多いので、そのまま参考には出来ないかもしれないけれど、ところどころに挟み込まれる高齢猫と飼い主とのちょっとしたエピソードが微笑ましかったり、哀しかったり。猫を飼っているひとならば目を通してもいいのでは。
読了日:02月20日 著者:ダン・ポインター
プレニテュード――新しい〈豊かさ〉の経済学いま現在の世界経済の状態とそれを打破する為の人々の動きについて、全体的にまとめて知ることが出来る一冊。つまり、人々はこれまでの単純な画一的な消費活動や生活から、もっと違うかたちのより個人的な選択に基づいた生活へと変わっていこうとしているのかもしれない。。この本で語られていることについて、その内容を問うのではなく、ここを出発点にして自分で考えていくことに意味があるのではないかと感じた。
読了日:02月20日 著者:ジュリエット・B.ショア
“癒し”のナショナリズム―草の根保守運動の実証研究まさに題名通りの内容。10年近く前の本になるが、ここで語られている自分が「普通」であることを証明するために「普通でないもの」を排除するナショナリストが生まれる土壌の説明は、今もなお通用する。それどころか、現在もなお、そこから生まれたものをいくらでも目にする事が出来るのだ。ここで語られているのは、始まりにすぎなかったのかもしれない。私も、誰も、「普通でないもの」として発見される可能性は、消えることはないのだ。
読了日:02月20日 著者:小熊 英二,上野 陽子
河原荒草圧倒される現代詩。紡がれる言葉は、抽象的で比喩の正体を正確に追うことは不可能に近いはずなのに、たまらなく生々しく迫ってくるのは、使用されている語句のせいだけではない。それが構成する世界のせいだ。ばらばらになった言葉が繋がり、呪文のように世界を作り上げたかと思った瞬間に、またくだける。音読しながら読んでみたら、頭がくらくらした。
読了日:02月20日 著者:伊藤 比呂美
乙女の密告分かろうとするのではなくためらいつつも感じることが求められる文学だと思う。整合性や構成の妙ではなく、このどこかちぐはぐな部品の寄せ集められた不思議な世界を楽しむべきなのでは。個人的には「うつら・うつら」の凄みのほうに圧倒されました。
読了日:02月18日 著者:赤染 晶子
天皇の逝く国で[増補版] (始まりの本)アメリカ人の父と日本人の母を持つ著者による、日本という国で「戦争と平和」に関することについて自分の意思を表明した結果、大きく自分の人生に影響を受けることになったた三人についてのルポタージュ。なんとなくは知っていたレベルのことを、ある種のフィルターを通して見るからこそ受け止めることが出来た、そんな印象を受けた。政治的な内容だけれども、だからこそこの文章をそのまま受け止めてほしい一冊。
読了日:02月18日 著者:ノーマ・フィールド
医者は現場でどう考えるか医療者向けの本かもしれないが、ドキュメントとして読み応えがある。もちろん、患者としても知っておいて損はない見解がいくつも見つかった。人間の生死に関わる医師という職業の重みと「誤診」にまつわるさまざまな考えを理解することが出来た。
読了日:02月17日 著者:ジェローム グループマン
あなたが最後に父親と会ったのは? (新潮クレスト・ブックス)死の床にある父親を看取りながら、父とのこれまでの人生を回顧し、目の前の存在と同時に父を喪うということに想いを馳せた内容のエッセイ。綺麗事でもお涙頂戴でもなく、生々しい事実にも目を向けながら、それでも哀切きわまりない読後感に圧倒された。父親が存在しない人間はいない。だから私も自分の父のことを考えた。
読了日:02月17日 著者:ブレイク モリソン
戦場の犬たち―母さん、ボクも帰りたかった (ワールド・ムック (586))戦場で人間の為に行動した犬たちの写真集。犬好きのひとにはちょっと辛いかも知れないくらいに、どの犬も可愛く、凛として、なにより人間に愛され、人間を愛しているのが伝わってくる良い写真揃い。かれらのたどる運命を思うと、本当に胸が詰まる思いになった。
読了日:02月11日 著者:河村 喜代子
私が何を忘れたか、思い出せない―消されゆく記憶アルツハイマー症に関する科学エッセイ。著者自らがさまざまな検査を体験し、研究者と会い、自らの中にあるアルツハイマー症への怖れと向き合っていく。重苦しいテーマだけど、ことさら悲劇を強調することなく、理性的に語られているので読みやすかった。
読了日:02月11日 著者:スー ハルパーン
猫路地20人の作家に、架空の猫熟語を自由に思い浮かべ、それにちなむ物語を書き下ろしてもらうという企画の一冊。それぞれの作家の力量というものを感じることが出来た。ファンタジーな味付けや言葉遊びで、猫という素材を弄っている作品が多い中で、抜群の出来だったのは、吉田知子「猫闇」。怖いうえに不思議で、ちゃんと「猫」の話なのだ。おすすめ。
読了日:02月11日 著者:
ダンスと空想 (文春文庫)ファッションや風俗面で古さは感じられるが、登場人物たちのひととなりに時代を感じさせられないのは、田辺聖子が、人間の表面的な部分だけでなく、芯のところにある「楽しさ」を描いているからだと思う。ただ、ここで語られているのは「コーベ」という町とそこで暮らす働く独身女性の楽しみが中心となるので、うっとりとした恋愛小説というよりは、人物の口を借りたエッセイぽいとも感じました。
読了日:02月09日 著者:田辺 聖子
戦闘糧食(コンバット・レーション)の三ツ星をさがせ!―ミリタリー・グルメ世界22カ国の戦闘糧食を紹介したエッセイ。ネットで画像は見たことがあるけれど、こんなに詳しい紹介は読んだことが無かったので、面白かった。それぞれお国柄が出ていて、食と文化に興味がある人にお勧め。マニアっぽいこだわりがデータ面の徹底ぶりに現れているのも好印象。でも文体は適度にくだけていて読みやすかったです。
読了日:02月09日 著者:大久保 義信
アダムス・ファミリー全集私はこの本を待っていた。元はヒトコママンガだった「アダムス・ファミリー」の原作集大成です。何枚かは星新一の「進化した猿たち」で目にしたことがあって、ちゃんと読んでみたいと思っていたのです。どれもが、からっとしたブラックユーモアと、皮肉な笑いに満ちていて、本当に素晴らしかった。こういうマンガもいいよねえ。
読了日:02月08日 著者:チャールズ アダムス
第2図書係補佐 (幻冬舎よしもと文庫)ピースのまったんの本、というよりは、純粋に読書好きの男性のブログでも読んでいるような印象を受けた。ただ、そういう場合は、ジャンルや作家にこだわって狭い読書をしていることがあるけれど、そういうつまらないこだわりが見当たらないのが好印象だった。
読了日:02月08日 著者:又吉 直樹
写真の読み方: 初期から現代までの世界の大写真家67人正確にどこまで受け止めきれたか自信はない。正直言って芸術写真はまったく素人なので、良く分からないまま読み始めたのだけど、こうやって紹介されているなかから心に響く一枚を選べばいいのかと思った。以前から知っていたなかでは、やはりダイアン・アーバスが良い。
読了日:02月08日 著者:イアン ジェフリー
つながらない生活 ― 「ネット世間」との距離のとり方私はネットが人間に与える影響という物に興味がある。極端な害悪論でも、わざとらしいほどの楽観論でもなく、出来るだけ理性的にそれを考えた本が読みたい。書物や映像が人間の文化に登場した時に与えた影響がどれほどのものだったかを考えれば、ネットもまた同じくらいに大きなものとなりえると思うから。この本は、学術的なものではないけれど、それを考える助けになったと思う。
読了日:02月06日 著者:ウィリアム・パワーズ
テロの経済学語られている事はシンプルで、食うに困った無教養な若者が洗脳されてテロリストになるのではなく、実際は高学歴で中産階級以上の家庭で育った若者が自ら望んでテロリストになるのだということをデータ分析で語っている。社会的に恵まれていないひとは、政治的な意見を口にする余裕もない、という視点には頷かされるものがある。同時に、先入観抜きで物事に向かい合う困難さも伝わってくる一冊。
読了日:02月04日 著者:アラン・B・クルーガー
早すぎる夜の訪れ―自殺の研究圧倒された。文化的意味付けにはじまり、その心理、もたらす影響、原因など様々な視点から総括的に、自殺についてまとめたもの。読み通すのが苦しい部分もあった。けれど、これが自分のいる世界に存在する事実だと思うと、まったく他人事ではなく、自分の思いそのままに読める部分もあった。「自殺はめったにないことだというのは、この社会が抱く幻想にすぎない」という著者の言葉は、人口がアメリカに比して二分の一でありながら、ほぼ同数の自殺者が存在する日本でこそ、より知られるべき事実ではないかと思う。
読了日:02月04日 著者:ケイ ジャミソン
三島由紀夫集 雛の宿―文豪怪談傑作選 (ちくま文庫)幻想、怪奇な内容の短編集。政治的な内容かと勝手に推測してこれまで読まずにいた「英霊の聲」の生々しさ、美文を越えて迫ってくるような切実さに驚いた。他には、不思議と不穏な雰囲気が漂う「仲間」と鮮烈なイメージが圧倒的なラストで思わず息を飲んだ「月澹荘奇譚」、幽霊譚と幻想味の合間で揺れる雪洞の明かりのような雰囲気の「雛の宿」が特に良かった。
読了日:02月04日 著者:三島 由紀夫
ムダヅモ無き改革【特装版】 ⑦ (近代麻雀コミックス)相変わらず、ネタとしてギリギリラインをうまく渡りつつ、本気にされるとちょと怖い、な面白さです。とりあえず、麻生総理の「仕留めやがれ、べらぼうめ」だけでもお腹いっぱい。
読了日:02月03日 著者:大和田秀樹
繕い裁つ人(1) (KCデラックス)表紙買いだけど中身も良かった。町の洋品店で洋服を作り続ける女性が出逢う服と人のお話。絵はけして達者ではないし、ぎこちなさも目立つのだけど、それがかえって内容にリンクしていて、稚拙さや雑さがまったくない。地味だけど、多くの人に愛されるマンガだと思う。落ち着いた日本の現代の女性作家の作品が好きな人は好きそうです(曖昧な印象でごめんなさい)。
読了日:02月03日 著者:池辺 葵
ラディカル・ホスピタル (22) (まんがタイムコミックス)安心安定の内容。可愛くて柔らかい上に的確な描線に、専門家が見てもずれのない医療4コマということで愛読しております。変わらないからこその味だと思うので、どうぞこのまま(変化があっても少しずつ自然なかたちで)進んでいってほしいな。でも個人的には榊先生には関口Nsがお似合いだとも思います(笑)
読了日:02月03日 著者:ひらの あゆ
ニッケルオデオン 赤(IKKI COMIX) (IKKI COMIX)8P読み切り短篇集。どの作品も独特で、お好きな人にはたまらない。だけど、独特な雰囲気で誤魔化していない確固とした視点が存在している。そんな視点で語られる、様々な物語。奇妙な味や少し不思議(S・F)が好きなかたにお勧め。個人的ナンバー1は、たった8Pでも、ラストの台詞で、肌に粟立つ気持ちになった「ぷう太の森」。これはとても正統派のあの神話だと思います。
読了日:02月02日 著者:道満 晴明
新潮選書 日本はなぜ貧しい人が多いのか 「意外な事実」の経済学「常識」や「通念」や「思い込み」がデータを分析し、解釈されることによって突き崩されていくのがとても面白かった。短い項目が寄せられている形式なので、目次を見て気になるものから読んでいくのもいいかも。その結論には意見が分かれるかもしれないけれど、データは目の前にあるのだから、そこから自分の頭で考えたり、友達と議論するのも面白いかもしれないと思った。
読了日:02月02日 著者:原田 泰
馬たちよ、それでも光は無垢で震災後に多くの作家が記した文章を読んできたが、胸に迫るという意味ではいまのところこれが一番。完成度がどうとか狙いがどうとか構成が…とかはよく分からない。ただ、ここに語られている思いの真摯さにうたれた。この気持ちはより大きなかたちの作品に結実していくのだと思う。それに触れたいと強く願った。
読了日:02月01日 著者:古川 日出男
スパイス、爆薬、医薬品 - 世界史を変えた17の化学物質面白かった。世界文化に関する切り口はいろいろだけど、化学物質という観点から世界史に影響を与えたものについて語る視点は、とても新鮮。正直、化学式が出た時には読むのをやめたくなったけど(笑)、それでもなんとなくは分かるようだし、語られているエピソードだけでも十分面白いです。それにしても、奴隷制や魔女狩り、科学といえない医療がもたらした悲劇に触れた部分は、読んでいて哀しかった。そういう視野の狭さから解き放たれるために、より良い科学の発展が望まれると感じた。
読了日:02月01日 著者:ジェイ・バーレサン
身体醜形障害 なぜ美醜にとらわれてしまうのか (こころライブラリー)自分の容姿の問題点にとらわれて、時には「化け物のように醜い」とさえ表現し、その為に社会生活も制限されてしまう心の病についての本。具体的なエピソードを元にその病理を説明し、回復への方法を示唆している。文化的な意味で「美しさとはなにか」ということまで考えさせられた。
読了日:02月01日 著者:鍋田 恭孝
怪盗ミルク私は盲目的な葉介ファンなので、とりたててなにもいうことはないのですが、本当にいまの描線が好みです。内容も、奇妙な味の短篇が大好きな身には堪えられません。そしてなにより、エプロンドレスの幼女が主人公なのです。素晴らしく可愛く、とてつもなく怖いミルクちゃん。素敵な一冊でした。
読了日:02月01日 著者:高橋 葉介
誰も寝てはならぬ(17)<完> (ワイドKC)いつまでも続くような話だからこそ、いつ終わってもおかしくなかったのかも。とりわけなにが起こるわけでもない、ゆるゆるした大人の日常を描いたこのマンガを、これからも何度も読み返すことでしょう。「うん、エエことにしとこうか(笑)」ってなんて素敵な終わりの言葉かと思います。
読了日:02月01日 著者:サラ イネス
熟女の品格 (ベスト新書)いつもの志麻子ちゃんエッセイとして軽く読める一冊。けれど、変に肩に力が入った「生きるとは」「女性とは」という突きつめた視線のエッセイよりも、ずっと柔らかく、女性という生きかたについて楽しんで読むことが出来ると思う。でも、取り上げられるエピソードは時々、そこはかとなく、怖い。
読了日:02月01日 著者:岩井 志麻子
なぜ意志の力はあてにならないのか―自己コントロールの文化史いや本当にあてにならない。人間という生き物が、いかに自分をコントロールするのが苦手なのか、ロ性的かつ客観的な事実を無視してまで、自分の行動を律することが出来ないのかというテーマについて、豊富な事例と様々な切り口で語っていて、読み物として面白かった。明日の自分をあてにすることをやめることから始めるべきなのですね、頑張ろう(笑)
読了日:02月01日 著者:ダニエル・アクスト
童話のつくり方 (講談社現代新書)面白かった。ここまで正直で実践的な作品論は珍しい。ちょっと中島梓の「小説道場」を思い出したくらい。ところどころに異論がある人もいるかもだけど、その異論に対する自分の答えを含めて、童話にこだわらず創作物を書こうという人にはたくさんのヒントが見つかるのではないだろうか。
読了日:02月01日 著者:木村 裕一
2012年2月の読書メーターまとめ詳細
読書メーター
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2012-02-01 Wed [ 本・マンガの感想 ]
by くさてる
1月の読書メーター読んだ本の数:47冊
読んだページ数:10352ページ
ナイス数:80ナイス
呪いの時代間違ったことはなにも書かれていない。この内容を頭から否定することは出来ない。なのに不思議な違和感を感じるのはなぜだろう。読んでいて思わず「その通り」と何度も頷きながらも、「でも」と思うのはどうしてだろう。その疑問を感じながらも読み進めることこそが「他者と共生する力」なのです、と言われてしまったらぐうの音も出ない。個人的には、1、2、8、9章だけでも十分に読む価値はあったと思う。
読了日:01月25日 著者:内田 樹
白桃―― 野呂邦暢短篇選 (大人の本棚)優れた純文学短編集。圧倒されるのは長崎原爆を疎開の地で体験した少年の視点から語る「藁と火」だとおもう。けれど、個人的には、自衛隊の訓練の日常に浮かび上がる不穏な雰囲気が雪のなかに揺らめくような「歩哨」、具体的なことは何も語られないのに、登場人物の心の蠢きが沁み入るように伝わって、台風の風が頬に当たるような「水晶」の二つが特に良かった。
読了日:01月25日 著者:野呂 邦暢
瞬間説得―その気にさせる究極の方法盗みの現場を目にした時にどうすればいい?夜中に寝室で泥棒と出くわしたときは?そういうときに出現する、一瞬で全体の空気を変えて人間の考えや感情まで左右させてしまう技術とはどんなものか。心理学や脳科学的な視点に基づいているけれども、学術書っぽくなく、気楽に読める物として面白かった。具体例として挙げられているエピソードやテストも、気がきいたものばかりで,覚えておくと役に立ちそう。
読了日:01月25日 著者:ケヴィン・ダットン
遅い男奇妙でいかがわしく、けれど面白い小説。リアリズムの小説と思っていたところに差しこまれるメタ的仕掛けに、そういうのが苦手な自分は、正直言って困ったと思ったけれど、それでもリアリズムを失うこと無く突き進むこの奇妙な物語に、とうとう最後まで翻弄されてしまった。厭な話だけれど、どうしても途中で諦めきれない展開に飽きなかった。
読了日:01月24日 著者:J・M・クッツェー
猫―クラフト・エヴィング商会プレゼンツ昭和29年に発行された猫に関するアンソロジーを再編集したもの。昭和の文豪たちの猫談義が楽しめるが、どれも猫好きならなにかしら感じるものが溢れるであろう内容。科学者の視点から猫の生態を眺めつつも、いつしかすっかり猫に耽溺している寺田寅彦のエッセイがいちばん良かった。
読了日:01月24日 著者:有馬 頼義,猪熊 弦一郎,井伏 鱒二,大佛 次郎,尾高京子,ほか
短くて恐ろしいフィルの時代寓話めいた調子で語られる、いわゆるファシズムの世界。けれど、そこはどこにも存在しない奇妙な登場人物、国、事柄で占められている。だからこそ余計にくっきりと、愚かしさと過ちが際立って見えるのだ。奇妙な事物の豊かさを楽しみつつも、それに目がくらまされること無く、ただ、もう「愚かなことだ」と思いたい。同じことがいくらでも繰り広げられているこの世界でも同じように思いたい。
読了日:01月23日 著者:ジョージ・ソーンダーズ
ライブハウス文化論 (青弓社ライブラリー 53)ライブハウスという空間の成り立ちと現状について、ノスタルジックな思い出話に浸りすぎることなく、実証的なインタビューとデータを基にして語った一冊。自分はあくまで客として通うだけの立場だったので、演奏者あるいは経営者、はたまた文化的意味合いを求めての視点からの言葉をとても刺激的に感じた。ライブハウスで演じられる音楽に興味がある人は楽しめる内容だと思う。
読了日:01月22日 著者:宮入 恭平
私たちはいまどこにいるのか 小熊英二時評集読了日:01月21日 著者:小熊 英二
見て見ぬふりをする社会人間はいかに見えるものを無視し、見たいものしか見ないのか。読んでいてずっと苦しかった。自分自身の視野の狭さを指摘されていると感じたからだ。そしてなおかつ、この問題のさなかにあるたくさんの人々の存在も想像できたからだ。様々な例が挙げられるなか、もっとも衝撃を受けたのは、妊婦へのレントゲン照射がどのような影響をもたらすかを警告したアリス・スチュワートの例だった。ほかにも多くの悲劇がごく普通の人々の常識的な対応によってもたらされたことがひどく哀しい。繰り返したくないと感じた。、
読了日:01月21日 著者:マーガレット ヘファーナン
あやしい統計フィールドガイド―ニュースのウソの見抜き方数字というだけで信用しないために。統計が用いられた記事や主張を目にする時に、気をつけなければならないポイントについて、具体的な例を挙げつつ、とても分かりやすく述べられている。肝心なのは、統計の数字のもっともらしさを見るのではなく、そこに込められた主張を見抜く目なのだと思った。
読了日:01月21日 著者:ジョエル ベスト
落ち着かないざわめきがいつまでも心に残る短編集。描かれているのは(ちょっとエキセントリックではあっても)ごく普通の人々の日常生活なはずなのに、何かが少しずれている。こちらをまっすぐ見つめている瞳が、いつのまにか少しずつ揺れ始めるのを見たような気になる。どうとでも解釈できる内容かもしれないけれど、この一作とはまず選べない。どれもが不可思議で、平凡で、歪んで、美しい。
読了日:01月21日 著者:マーガレット アトウッド
犯罪捜査の心理学―プロファイリングで犯人に迫る (DOJIN選書 17)生々しい犯罪現場の様相、心の闇に迫るプロファイラ―…という感じは全くない冷静な学術書。そこがたいへん面白かった。プロファイリングという手段自体には疑問の声もあるようだが、こういう形で整理して提示されると納得がいく部分も多い。著者は映画ファンということで、息抜きの犯罪映画にまつわるコラムも楽しめます。
読了日:01月21日 著者:越智 啓太
増補改訂版 家族で語る食卓の放射能汚染たいへん分かりやすかった。放射能問題についてまずどの本を手に取るべきか悩んだ末に読んだのだけど、著者が意図してくだけた表現で語ってくれている部分に工夫を感じたし、そもそも何に気をつけるべきかどう考えていくかということにヒントをもらえたような気がする。数字に弱い(わたしだ!)人間でも、とりあえず手に取り、分かる部分からでも読み解いてみることをお勧めします。
読了日:01月20日 著者:安斎 育郎
幻色のぞき窓幻想味溢れるイラストとエッセイの両方を収録している。構図や選ばれる事柄、テーマなどの「分かりやすい耽美さ」とも呼べるような世界に、不思議な居心地の悪さを感じた。エロティックさも美しさも、残酷絵も気味悪さも、どれもが均等に咲いた花のように素晴らしい雰囲気だと思うけれども、不思議なくらいに見知った感がある。本当の異界に届く前のぎりぎりで留まっているような、その微妙なバランスが魅力なのかもしれない。
読了日:01月19日 著者:山本タカト
なんだかなァ人生タイトル通りの日常のつぶやきエッセイ。ゆるい「大市民日記」という感じで、肩に力を入れずに楽しむことが出来ます。もうちょっとマンガのことについても触れて欲しかった気もしますが、バブル時代の大借金のエピソードがとても面白かったので良いです。
読了日:01月19日 著者:柳沢 きみお
メモリー・ウォール (新潮クレスト・ブックス)「記憶」にまつわる短編集。記憶をチップの形で収集できるようになった世界に住む認知症の女性とその記憶を再生する若者、二人の交わらない人生が収録された記憶によって溶けあい影響を及ぼす「メモリー・ウォール」と、ナチス支配下のドイツで発作による幻想を漂い、やがて老女となったユダヤ人女性の目に映る世界を描く「来世」の二作が圧巻だった。
読了日:01月18日 著者:アンソニー ドーア
怪物はささやくじんわりと身体中に響くような悲しみを感じた。優れたファンタジーは、こうやって、知ることが辛すぎる世界の真実を物語に変換して読み手に差しだすのだと思いだした。題名と装丁で、児童向けファンタジーと思ったのだけど(それもある意味間違いではない)、より長く生きて、何かを失う経験を重ねた大人のほうが、きっとページをめくる指が震えるような思いをするに違いないと感じた。
読了日:01月17日 著者:パトリック ネス,シヴォーン ダウド
スーパーマーケットマニア 北欧5ヵ国編どれもがキュートで、シンプルで、楽しい。美しい北欧雑貨を紹介する本は数あれど、この本はスーパーマーケットで買える品物にポイントが絞っていることに価値がある。それだけありふれた雑貨にも素晴らしいデザインと色遣いがあるのを知ることが出来るから。そういう身近なところにこそお国柄が出るのではないかしら。自然とその国の食文化や生活習慣にも親しむことが出来て、素敵なガイドブックだと思う。
読了日:01月17日 著者:森井 ユカ
この世で一番おもしろいミクロ経済学――誰もが「合理的な人間」になれるかもしれない16講マンガとして面白い。けれど、経済学の用語を何一つ知らないまま手に取るよりは、何回かそういう言葉を聞いたことがあるくらいの予備知識を得てから読んだ方が、自分の中の曖昧な疑問がまとめてすっきり分かっていくような気持ち良さを得られるのでは。わたしはそうでした。
読了日:01月16日 著者:ヨラム・バウマン,グレディ・クライン
第七階層からの眺め幻想的で純文学な香りが漂う短編集。おそらくは心が静かに欠けていくように病んでいっている女性の目に見える世界を描いた「第七階層からの眺め」、皮肉なユーモアが効いている「静寂の年」、トレッキーなら色めき立ち、そうでない人にはきっと奇妙なSFに読めるであろう「トリブルを連れた奥さん」、たまらなく奇妙な話だけど忘れ難い「ホームビデオ」、寓話と片付けるには繊細すぎる味わいを含んだ「ポケットからあふれてくる白い紙切れの物語」などがとくに心に残った。
読了日:01月15日 著者:ケヴィン ブロックマイヤー
腰痛探検家 (集英社文庫)興味深く面白い闘病記。誰でも馴染みがあるけれど、その深刻さは千差万別。命に関わるわけではないといいつつ、生活に与える影響はまさに死活問題。そんな腰痛問題に向かい合った著者のさ迷う治療歴を、真剣だけど肩が凝らない文体で語っていく内容です。
読了日:01月14日 著者:高野 秀行
文明崩壊 滅亡と存続の命運を分けるもの (下)世界を住みよく、より良くしていく最善の方法とは。これまでに存在し、滅んでしまった文明の進んだ過程を分析していくことにより、現在進行形で進んでいる文明の崩壊に関する手立てはないかと考察する内容。環境保護に関して多くの知識を得ることが出来たのは思わぬ収穫。それも非常に現実的で、ある意味身も蓋もない内容ではあるのだけど、だからこその説得力があると感じた。
読了日:01月13日 著者:ジャレド・ダイアモンド
文明崩壊 滅亡と存続の命運を分けるもの (上)歴史上存在した文明が発展し消え去って行ったとき、その原因に何が潜むのか。いくつもの要因を提示しながら分析していく手法が、分かりやすく面白い。なにがその社会が生まれて発展していくのを支え、なにがそれを崩壊させたか。はるか昔のことであるのに、そこに見える人間のたたずまいはとても生々しい。
読了日:01月12日 著者:ジャレド・ダイアモンド
サラリーマン漫画の戦後史 (新書y)面白い切り口だと思う。この本でも何冊かは取り上げられていたが、私はOL漫画の戦後史が読みたい。女性と会社での労働は、マンガのなかでどういうかたちで表現されてきたのかを紐解きたくなった。フェミニズム系で研究本があれば読んでみたい。
読了日:01月11日 著者:真実 一郎
マンガで分かる心療内科 5巻 (ヤングキングコミックス)読了日:01月10日 著者:ゆうき ゆう
陰陽師 玉手匣 1 (ジェッツコミックス)みんな!みんなの読みたかった「陰陽師」が帰ってきたよ!(超失礼)と叫びたくなる「陰陽師」の新刊でした。前作の最初の頃が好きだったひとにはお勧めですが、同じことの繰り返しではなく、また新たなステージに上がった印象を受けました。そしてなによりも「あとがき」の文にこめられた鎮魂と祈りの純粋さが素晴らしいと思いました。
読了日:01月10日 著者:岡野玲子
三時のわたし一年365日の午後三時の自分を、絵と文で記録したもの。波乱万丈ではなく、でも退屈なわけでもなく。いろんなひとの午後三時をもっと知りたくなったけれど、生活の切り出しかた、その表現方法のバランスはきっと思ってるよりも難しいのだろう。これは淡々としているようで、噛みしめると味わいがある記録です。
読了日:01月09日 著者:浅生 ハルミン
センセイの書斎―イラストルポ「本」のある仕事場「本」に関わる仕事をしている人々の、書斎(書庫)についてのイラストレポ。細い線で丹念に描きこまれているイラストは見やすいものではないけれど、そのぶん、うずたかく積まれ、並べられた本の重量が伝わってくるような印象を受けた。個人的には、深町眞理子さんの書斎を見ることが出来て嬉しかった。
読了日:01月08日 著者:内澤 旬子
その「正義」があぶない。分かりやすさや断言の気持ち良さに惑わされず、ゆっくりあれこれ迷いながらも、心の隙間に残る違和感を表現していこうか、という気持ちにさせられる時事エッセイ。ぐだぐだ言ってるだけで答えはどこだと言う人もいるかもしれない。でも、人間の営みに広がるのは果てしないグレーゾーンだ。その色の中で、白黒を決めるのは自分自身だけなのだ。
読了日:01月08日 著者:小田嶋隆
魔女系~タカハシマコ短編集~ (アクションコミックス(コミックハイ!))タカハシマコの絵柄は繊細で柔らかく、描くテーマは大胆で鋭い。「魔女」をテーマにしたオムニバス作品のほか、少年少女を主役にした短篇が収められている。「女王様の魔女」の魔法の呪文にこめられた悪意はまさに、魔法。さりげに百合な「眠りの森の魔女」が良かったが、やはり「何を描いてもいい」といわれて描いたという「エーベル851」が圧巻でしょう。好き嫌いや善悪は別として。
読了日:01月07日 著者:タカハシ マコ
女神(じょしん)これもまたひとつの小説で、彼女にこういうかたちで触れた著者もこの世の人でない。それに気づくと、なんともいえない気持になった。戦後の文壇界隈に存在した女性をテーマに、彼女をもう一度小説のかたちで再生した作品。久世光彦の女性に向けるまなざしをどう捉えるか。読み終わったあとになんとも落ちつかない不穏さに満ちた物語。
読了日:01月07日 著者:久世 光彦
夕暮の緑の光――野呂邦暢随筆選 《大人の本棚》端正な文章というのはこういうのを言うのだろう。派手なことを書いているわけではなく、有名な人に触れるわけでもなく、劇的な人生を語るわけでもないのに、読み進めずにはいられない。なかでもひときわくっきりと、少年時代に疎開先から見た長崎原爆の日のエピソードが浮かび上がる。本を愛する人ならなにかしらうなずく部分、ため息が出るような個所が見つかるような一冊。
読了日:01月07日 著者:野呂 邦暢
皆川博子の短編集はどこまでも特異で、異端の匂いがする。けれど、どこか俗とそしられるような人間臭さに満ちてもいる。しかしこの幻想味は世界に通じるものだと思う。一行目からぐっと引き込まれる「風」、女の不可解な殺人の謎がどこまでも深い「舟歌」、死者の不吉な匂いが鼻先にまで匂って来るような「丘の上の宴会」がとくに良かった。
読了日:01月06日 著者:皆川 博子
愚の骨頂 続・うさぎとマツコの往復書簡どこまでも問い詰めていくことによって理解していこうとする二人の往復書簡。けれど、きっとそこに結論はない。その真面目さが面白いかどうかは別として、TVでしかマツコを知らない人にはとくに発見があるのでは。
読了日:01月05日 著者:中村 うさぎ,マツコ・デラックス
おやじがき―絶滅危惧種中年男性図鑑タイトル通りの中年男性の絵解き図鑑。ちょっとコミカルで、いるいるな感じで、一気に読み通すと胸やけがしてしまうかも。「もう煤けてもいいじゃん、煤けようよ!」というあとがきの言葉が胸に沁みます。
読了日:01月05日 著者:内澤 旬子
しあわせだったころしたように姉。姪。刃物。記憶。薬。無数の言葉が書き連ねられた手帖。鯵。雨。饒舌な言葉によって語られ、創りあげていった世界が、あえて明快でみずみずしく分かりやすい言葉によって解かれていく展開は、快感ですらある。最後のページに綴られた言葉がもたらした充実感と清明な気持ち良さは、これが一級の文学作品であると示していると思う。その結論を、理屈でなく、ただ文章から受け取った心地良さだけで判断できたことが嬉しい。
読了日:01月04日 著者:佐々木 中
悲しみにある者愛するひととの死別とはどういうことか、正直に打ち明けるならこういう文章になるのだろう。夫を突然の心臓発作で失った女性が、何度も意識の中で繰り返す、いなくなってしまったひととの記憶と現実とのコラージュ。こういう手記だと、多くはポジティブなまとめが入れられていたり、現実と向き合わねばというメッセージがこめられる。しかし、この本には正直なまでにそれが無い。無くて当たり前だと思うくらいに、愛する人の喪失がもたらす哀しさが伝わってくる。けれど、ただ嘆いているだけでもなく、文学的にも完成されていると思った。
読了日:01月04日 著者:ジョーン・ディディオン
11の声簡単な語り言葉でしか表現できない人々の生活。11人のアメリカ人の言葉を通して、KKKが暗躍した時代のアメリカに暮らす人々の生活の中に潜む闇と温かさを浮かび上がらせる物語。読みやすさに誤魔化されるようにどんどん読み進んでいくうちに、自分も、埃っぽく貧しい人々の生活とその息遣いを体験できるような読後感だった。
読了日:01月03日 著者:カレン ヘス
equus (Feelコミックス オンブルー)人間よりもはるかに寿命が長いケンタウロスを主人公にしたオムニバス短編集。どれも切ない。BLというよりJUNEだと思う。日本の戦国時代の武将とケンタウロスの物語がいちばん良かった。
読了日:01月03日 著者:えすとえむ
誰が中流を殺すのか アメリカが第三世界に堕ちる日読んでいてその国のこととは思えず、くらくらした。現在のアメリカが陥っている不況とそれにともなう失業問題、経済への不適切な介入による問題について、平易な文章で語ったもの。シンプソンズのホーマーが、彼一人の稼ぎで一家を食わせているなんて、というくだりは、日本のネットでも流れた、クレヨンしんちゃんのお父さんは社会人としてすごい、というのとまったく一緒ではないか。勿論、日本と状況が違うところも大きいのだけど、危機的状況を救うには「共感」という結論は十分生かすことが出来るのではないか。
読了日:01月03日 著者:アリアナ・ハフィントン
猫にまつわるミステリ短篇アンソロジー。小生意気な女の子とラズロという猫に関する逸話の組み合わせが不気味な余韻を残す「わがままモニカ」、夫に捨てられた妻が思わぬかたちで復讐と幸せを得る「内なる獣」、とても奇妙な話なのに説得力に満ちて読後感が心地いい「魔女のオレンジ猫」の三編が特に良かった。
読了日:01月03日 著者:
男の絆 明治の学生からボーイズ・ラブまで (双書Zero)タイトルだけで読み始めてしまったひとには意外な内容かも(わたし?)。歴史的な観点から、男性同士の関係性から性的なものが排除されていった過程と、それが現在も残している影響についてなどを知ることができる。著者の「日本は同性愛に寛容」という嘘に切り込む、セクシュアリティについての誠実な視点が印象的だった。
読了日:01月02日 著者:前川 直哉
猫が箱の中 (ミリオンコミックス CRAFT SERIES 35)こういうギリな内容を、こんなに自然に描いてしまう才能に感服。絵も展開も構成も、すごく上手ではないのだけど、実際の恋愛だって「すごく上手」にこなせるひとはそういないのではないですか。
読了日:01月01日 著者:雁 須磨子
ゆうきまさみ年代記 (少年サンデーコミックス〔スペシャル〕)ゆうきまさみってすごく独特なマンガ家さんなんだな、と思った。私は「OUT」時からの読者だけど、常に誠実に自分のマンガに向かい合いつつもとても狭いツボの部分に焦点を合わせてきたマンガを描いているひとだと思う。そういう意味では、いわゆる萌えとは縁が無くともすごくオタク的なマンガ家さんで、わたしはそういうところが好きです。ファンならほとんど全部読んだことがある内容だと思いますが、最後の書き下ろしマンガは必読ですよ。
読了日:01月01日 著者:ゆうき まさみ
STAYリバース双子座の女 (フラワーコミックス)重いテーマでBLな内容を、ちゃんと少女マンガとして成立させている完成度の高い作品だと思う。いっけん現実的な刈川というキャラクターは、実はいちばん現実感の無い存在なのだと思う。けれど、奇跡のように彼女が存在してくれたおかげで、この世界はこんなに優しく理想的になれた。この理想が、少女マンガだと思うのです。素晴らしく、美しい、優しい理想です。
読了日:01月01日 著者:西 炯子
身体のいいなり読了日:01月01日 著者:内澤 旬子
身体のいいなり闘病記…のはずなのだけど、自分自身の視点をしっかり持った人にかかると、こんなかたちになるのだなと思った。身体を治すために働かなければならないという事実や、アトピーや腰痛という慢性的な病がもたらす「しんどさ」、生きることとお金の関係など、なんとなくわかってはいるけれど、改めて告げられることで、自分の身に置き換えて考え直すことが出来る。30代以降の女性はとくに、読んでみてほしい。
読了日:01月01日 著者:内澤 旬子
2012年1月の読書メーターまとめ詳細
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2011-12-31 Sat [ 本・マンガの感想 ]
by くさてる
12月の読書メーター読んだ本の数:55冊
読んだページ数:10787ページ
ナイス数:99ナイス
艶漢(アデカン) (4) (ウィングス・コミックス)天才歌手に身代わりを頼まれた物真似歌手の心の動きが切なくも、読後感が良い「二人の紅火」がいちばん良かった。過去篇も雰囲気たっぷりで面白いのだけど、出来れば事件簿篇がずっと続いて欲しいなあ。
読了日:12月31日 著者:尚 月地
艶漢 (3) (ウィングス・コミックス)少女二人の想いと華麗極まりない絵がぴったりと合った「人魚の望むもの」がいちばん良かった。キャラクターの過去も気にはなるけど、事件簿篇をどんどん描いて欲しいなあ…。皆川博子の小説を思わせる作品です。
読了日:12月31日 著者:尚 月地
艶漢 (2) (WINGS COMICS)花公園に住む美しい姉妹の謎が明かされる「高嶺の花」がいちばん良かった。恋というより純粋な、ある種の情念で支えられた美しさ。ぱっと見ると、悪戯に線が細くてキラキラしい絵だという印象だけど、じっくり見れば見るほど新たな発見があるような、複雑な線で描かれたマンガだと思う。
読了日:12月31日 著者:尚 月地
艶漢 1 (WINGS COMICS)美しい絵とギャグ絵の同居が素晴らしい。原画がさぞかし綺麗だろうなと思わされる。ここまで絵が美しいと、それと異世界の設定だけで息切れしてしまう作品かと思いきや、作品世界の構成力とキャラクターの織り成す物語の説得力も高かった。似ていない双子の姉妹の物語「合わせ鏡」がとりわけ、哀しく怖い。
読了日:12月31日 著者:尚 月地
あのころ、先生がいた。 (よりみちパン!セ 31)著者が出逢ってきた幾人もの先生を振り返るエッセイ集。その存在を思い出すことが出来る「先生」に出会えることは幸せなんだろうと感じた。子どもの頃の自分の残酷さや幼さも含めて赤裸々に、あの頃の視線のままに語れる著者の姿勢が好き。
読了日:12月31日 著者:伊藤 比呂美
岡崎京子未刊作品集 森 (フィールコミックス) (Feelコミックス)ファン向けの一冊。あくまで未完の作品と、これまで収録されることなかった作品(初期作品多し)と、いくつかのカットが掲載されている。未完の「森」は不穏な雰囲気に満ちていて、これから面白くなったに違いないと思わせる作品なので、中断がつくづく残念。
読了日:12月31日 著者:岡崎 京子
ストーカーの心理―治療と問題の解決に向けてストーカーについての全般的な知識を得ることが出来る。専門的な内容の上、参考にされているのは海外の法律なので、実際的でないと感じる人もいるかもしれないが、豊富な具体例と広く客観的な視野で語られているので、興味があるところだけを拾い読みしても得るものはあるはず。
読了日:12月30日 著者:ポール・E. ミューレン,ローズマリー パーセル,ミシェル パテ
こめかみひょうひょう (ミリオンコミックス Hertz Series 75)なんとも優しい、日常的な雰囲気が魅力のBLマンガ。甘いわけではないけれど、きつい現実だけでも無い、絶妙なバランスで描かれる恋模様にふわふわと幸せな気持ちになったり、くすっと笑ったりできる素敵な短編集です。
読了日:12月29日 著者:雁 須磨子
地雷を踏む勇気 ~人生のとるにたらない警句 (生きる技術!叢書)言い切らない勇気。断言しない理性。物事にはすべてどっちつかずの面があり、真に正しいものなどないはずだけど、それでもこういう風に感じてもいいのではないか、物事をこうとらえていることを口に出してもいいのではないか。そんな感じで語られる、大げさではない、緩いユーモアをまとった言葉の中に、物事を見る時の新たな視点がいくつも潜んでいるエッセイ集。
読了日:12月29日 著者:小田嶋 隆
青空にとおく酒浸り 1 (リュウコミックス)情報量がぎゅっと多いマンガで、そこが楽しい。題名と表紙でずっと気になっていたのだけど、まさかの日常SFで、とても面白かった。
読了日:12月28日 著者:安永航一郎
須藤真澄[自選短編集]萌葱 (ビームコミックス) (BEAM COMIX)少女たちはみな可憐で、けれどたくましく生きている。童話のような幻想めいた少し不思議な世界のなかで、彼女たちは「少女」に都合よく押しつけられた幻想とは無縁で頑張っている。その生活がリアルで素敵だと思った。
読了日:12月28日 著者:須藤 真澄
須藤真澄[自選短編集]梅鼠 (ビームコミックス) (BEAM COMIX)幻想的な作品だけど、地に足がついて日常が見える、そんな短篇が魅力的な作者の「じじばば」短編集。表紙の絵を見るだけで、こんなにたくさんのじじばばが、こんなに可愛らしく描かれたマンガの単行本があるだろうかと嬉しくなる。それでも幻想だけに甘く揺れない「桜東風」の少し哀しいばばの言葉には、涙しそうになった。
読了日:12月28日 著者:須藤 真澄
機動戦士ガンダムさん やっつめの巻読了日:12月26日 著者:大和田 秀樹
とりぱん(12) (ワイドKC)読了日:12月26日 著者:とりの なん子
テルマエ・ロマエ IV (ビームコミックス)まさかのルシウスの長期滞在が驚きの展開だった最新刊。個人的にはルシウスには無垢なローマ人のままでいてほしかったので、現代文明を学ばれてしまうのはプチ複雑。でも、まだ終わっていない話だけに、これからの展開に期待です。
読了日:12月24日 著者:ヤマザキ マリ
西原理恵子の人生画力対決 4 (コミックス単行本)人選にもう一声の第4巻。普通に描ける人だと感心して終わってしまうのがもったいない。かわぐちかいじと寺田克也の海賊マンガなんか、普通に読みたいもの(笑)。しかしそれでもところどころに爆弾のように必見のものが現れます。かわぐちかいじのガチャピンとヤマザキマリのタイバニが今回のお宝かな。
読了日:12月24日 著者:西原 理恵子
NY流 シーナのブラックドレスで365日 The・Uniform Project題名の通りの本。しかしそれがなんと楽しいことか。ベーシックな黒いドレスに様々なアレンジを加えた姿で365日を過ごすこと。それによって「スタイリッシュである為にはいつも新しいものを買う必要はない」というメッセージと、毎日更新されるその姿を提供することによって、貧しい子どもたちに教育を提供する基金への寄付につなげることを目的にした女性によるウェブサイトを書籍化したもの。そこに含まれるアイデアの自由さ、可愛らしさとエレガントさを十分に楽しませてもらいました。
読了日:12月24日 著者:ジェイン・アン クレンツ
バタをひとさじ、玉子を3コまだ洋食が日本で珍しかった頃の食エッセイ。ことさらに洋食を有難がることはなく、海外の生活のなかで自然に出会ったものとしてのレシピの紹介やエピソードを語る口調が、読んでいて心地良い。けれども、おそらくこれを読んでもそのままのものは私には作れないだろう。想像の中で膨らむ様々な素朴な味を楽しませてもらった一冊です。
読了日:12月23日 著者:石井 好子
人間とヘビ かくも深き不思議な関係 (平凡社ライブラリー)蛇が生理的に受け付けない私でも面白く読んだ。人間と蛇の深く長い関わりについて、様々な視点からまとめあげた一冊。とりわけ、蛇という存在に人間が与えてきた呪術的な役割が興味深かった。
読了日:12月23日 著者:R.&D.モリス
鉱物アソビ 暮らしのなかで愛でる鉱物の愉しみ方 (P-Vine Books)鉱物に関して素人の私にはちょうど良い充実した入門書。基礎知識を得られるだけでなく、豊富なカラー図版を見ているだけでも楽しい。紹介されているひとつひとつの鉱石の個性が素晴らしく、まるで実際に自分の掌にそれがあるよう。ミネラルショー、行ってみたいなあ。
読了日:12月23日 著者:フジイキョウコ
これが見納め―― 絶滅危惧の生きものたち、最後の光景絶妙なユーモアの中に溶け込む、哀しい運命に胸が詰まる思いがした。絶滅危惧の動物たちを世界に訪ねたSF作家によるエッセイ集。ことさらに人間の愚行を弾劾するような口調ではなく、希少な動物をめぐる旅行文としても面白く読めるけれど、実際に絶滅した動物たちをめぐる部分はとても悲しい。この世界をこれ以上、貧しく、暗く、寂しい場所にしないために、出来る事はなんだろうと考えさせられた。
読了日:12月23日 著者:ダグラス・アダムス,マーク・カーワディン,リチャード・ドーキンス(序文)
マルチスピード化する世界の中で――途上国の躍進とグローバル経済の大転換産業革命以降の世界経済の変化を大きくまとめた内容で、分かりやすかった。これまでになにが起こってきて、これからはなにが起こると予想されるのか。もうちょっと深く突きつめて欲しい部分もあるような気がするけれど、私のような門外漢には十分な内容だったと思う。
読了日:12月20日 著者:マイケル・スペンス,Michael Spence
猫づくしのミステリ短編集。となるとたいていは「猫が人間に殺される(その逆)」「猫が事件のカギを握る」「人間が○○したと思ってたら猫がやっていた(その逆)」「猫が人間のような行動を取る(その逆)」のパターンがほとんどだと思うのだけど、それでもひとひねりしてみせた作品が多い。印象的なのは「ジンジャーの終着駅」「スキャット」「葬送行進曲」。
読了日:12月20日 著者:ピーター ラヴゼイ
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巫子―自選少女ホラー集 (学研M文庫)少女をテーマにした短編集。濃い幻想味と芳醇な世界観が溶け合う世界が、歪で美しい。最後の瞬間に全体像がさっと見渡せるような仕掛けの作品も多い。なかでもビジュアルイメージが鮮烈な「冬薔薇」と、体験が7割くらい入っているという「巫女」。
読了日:12月17日 著者:皆川 博子
ゼロ年代の想像力 (ハヤカワ文庫 JA ウ 3-1)面白かった。ところどころに頷かされるフレーズが存在している。引用される作品群についての解釈も違和感なく受け入れることが出来た。単に納得できるだけでなく、読み物としても、論理的に解き明かされていく創作物のかたちを再体験していく愉しさがあった。いま現在求められている言葉だと思う。
読了日:12月17日 著者:宇野常寛
殺し屋 最後の仕事 (二見文庫 ザ・ミステリ・コレクション)切手収集が趣味の殺し屋ケラーシリーズ最終巻。クールともハードボイルドとも違う、不思議と地に足がついた感じが魅力の主人公とお別れするのは寂しい。ことさら派手な追走劇も仕掛けもないけれども、丹念に書き込まれる生活描写のなかに手に汗握る展開とどんでん返しが盛り込まれるこの世界が好き。まあところどころ「ブロックそれは無茶だろう」とツッコミたくなったけれども、それでも登場人物の幸せを祈らずにいられないので、私の負け。
読了日:12月16日 著者:ローレンス・ブロック
鉱物見タテ図鑑 鉱物アソビの博物学 (P-Vine Books)素敵。様々な形態を持つ鉱物が見立てられるのは、ゼリー、葡萄、山脈、苔庭…。紹介されている鉱物そのものの形や色も魅力的だが、それをより素晴らしく表現している「見立て」の妙と、添えられている文章の端正さが楽しかった。雑貨好き、アート好き、オブジェ好きならばぜひご一読を。
読了日:12月15日 著者:フジイキョウコ
税務署の復讐―ババア・ウォーズ〈3〉 (文春文庫)面白かった。個人的には、税務署との戦いの部分や犯罪者の考察の個所よりも、そこからさらに踏み込んだ、人間そのものへの深い考察をさらに推し進めていくことで、なにが生まれるのかなと思ってしまうけど。
読了日:12月14日 著者:中村 うさぎ
なぜ世界には戦争があるんだろう。どうして人はあらそうの? (10代の哲学さんぽ3)仏哲学者による児童向け哲学書。難しい題材を易しい言葉遣いで、完全な答えなどありえない問題を読む側が十分に考えることが出来るように、解きほぐして解説していく。完全な答えはきっと子どもにも大人にも見つからないのだけど、その「見つからない」ことにこそ意味があるのではと思った。明確すぎる答えは、新たな争いの種にほかならないのだ、きっと。
読了日:12月14日 著者:ミリアム ルヴォー ダロンヌ
歳月なんてものは人を褒める言葉が美しく、気取らないうえにユーモアがある。さらに、その人を知るものならではの小さな気づきも添えられて、上品。久世光彦の出会った多くの著名人についての短いエッセイが中心だが、個人的には「マレーネ・ディートリッヒ 三十年前の涙壺」の最後の部分がたまらなく素敵だと感じた。また、疎開した少年時代の思い出を語る「川物語」も、幻想的な雰囲気に満ちて、酔った。
読了日:12月14日 著者:久世 光彦
素晴らしい死を迎えるために―死のブックガイド読了日:12月14日 著者:加賀 乙彦
「こういう書き方があるんだ」と眼を開かされたような短編集。どの作品も大きな事件は起こらない代わりに、落ちつかなくなるような不穏な空気が満ちている。訳者あとがきが秀逸な評になっているのだけど、そこにあるように、釈然としないなにか不安のようなものを残すくせに、読んでいるうちにはそんなことを微塵も感じさせない。人間の心理の綾を描くのに、こういう方法もあるのだと知った。いちばん印象的だったのは、初老の女性がふっと胸に抱く不安な意識の渦のようなものを描く「キッチン・ドア」。
読了日:12月14日 著者:マーガレット アトウッド
発明家たちの思考回路 奇抜なアイデアを生み出す技術 (HARVARD BUSINESS SCHOOL PRESS)発明の為のノウハウ本かと思いきや、実際はそもそも「発明とは?」を考えてみる本でもあった。ある種のものごとの発見を役に立つ発明に変化させるために必要なものは、システムとネットワークであるという概念が面白かった。
読了日:12月12日 著者:エヴァン・I・シュワルツ
家族という神話―アメリカン・ファミリーの夢と現実素晴らしく刺激的で、興味深かった。アメリカにおける家族関係の変容が社会にもたらした影響についておよび、伝統的家族像の崩壊が様々な社会問題の元凶であるという、もっともらしく信じられている神話とその現実に関して、歴史的な観点及び統計調査などの客観的な指標を用いて解説した内容。昭和30年代ノスタルジー、江戸回帰などの考えが人気を集める日本にも、きっとあてはまる部分が多いはず。自分の思い込みやなんとなく信じていたことが、訂正されていく感覚が、とても知的に心地良かった。
読了日:12月12日
読了日:12月11日 著者:キャシー ウィリアムズ
震災トラウマと復興ストレス (岩波ブックレット)薄い本だが、内容の濃さと有益さは驚くほど。震災に関係したあらゆるひと(それはつまり日本人全員といってもいいのかも)の心に及ぼされた影響、それがいま現在の生活に投げかけている影について、分かりやすく丁寧に教えてくれる内容。震災に関して、なにかしら思うところがあるひとはぜひ手に取って欲しい。どの個所も有益で、新たな気づきをたくさん得ることが出来た一冊だった。、
読了日:12月11日 著者:宮地 尚子
らくだこぶ書房21世紀古書目録未来から来たまだ存在しない「古書」の目録。これだけで血が騒ぐひとは騒ぐことでしょう。一冊一冊を思い浮かべ、デザインし、作成して文章を綴っていく楽しみまでが伝わるような良書。目録を眺めているだけでもニヤニヤできる本好きはもちろん、ちょっと変わった読書体験をしたいひとにもお勧め。
読了日:12月11日 著者:クラフト・エヴィング商會,坂本 真典
メアリー・ブレア――ある芸術家の燦きと、その作品素晴らしい色彩と、構成。カラーで並べられたイラスト一枚一枚が、子どもの夢見る宝石箱のよう。ディズニーにまったく興味がない私だが、GOOGLEのロゴに取り上げられていたので、なんとなく手に取ってみた。すると全然ディズニーではない、というか、この絵が動くのであれば、今の百倍ディズニーに夢中になっていただろう。素晴らしくキュートで愛らしい作品にときめいた。けれど、これは同時に40年代から70年代にかけてのアメリカで職業婦人として生きた女性の苦闘の歴史でもあるのだ。それを逃さず記述している為、可愛らしくきらめく作
読了日:12月11日 著者:ジョン・ケインメーカー
木挽町月光夜咄デザインと本に関わる仕事を続けてきた著者による初めてのエッセイ集。ではあるのだけど、その文章の端々にまで丁寧な組み立て感が感じられて、良質な短編集のような読後感。
読了日:12月10日 著者:吉田 篤弘
食の500年史「食」に関して文化的な興味がある人なら面白く読めるはず。世界史のなかで「食」がもたらした影響や、「食」が文化をどう動かしていたかについて語る内容だが、テーマごとに分かれていて読みやすかった。歴史だけでなく「食」がもたらす現代の問題、あるいは現代社会がもたらす「食」への影響にも頁が割かれており、自身が考えていくテーマとしても興味深く読むことが出来た。
読了日:12月07日 著者:ジェフリー・M・ピルチャー
猫ファンタジー 愛らしき隣人の不思議学 (The Quest For History)猫本として良い本。古代から現在、日本をはじめとした海外、史実から神話、幅広い分野にわたって、猫に関して人間が考えてきたことや猫を人間がどういう存在として考えてきたかをまとめている。よくある雑学集と違って、丹念に調べたうえで記述しているのが伝わってくるので、とても面白く読み応えがあった。猫に関する雑学に興味があるひとはぜひ。
読了日:12月07日 著者:真野隆也
希望難民ご一行様 ピースボートと「承認の共同体」幻想 (光文社新書)読了日:12月06日 著者:古市 憲寿,本田 由紀
うつは手仕事で治る!よくある「昔は良かった」式のあてにならない体験談ばかりの現代医療否定本かなと思ったら(ひどい表現ですが)、実際は、手仕事をはじめとする身体を動かす活動が脳内に与える影響についての様々な研究結果を基に著者の考察を述べたものでした。薬も全否定というわけではなく、それが万能ではないよ、というニュアンスで、もっと複合的な視点からうつの治療を考えていこうという内容には好感が持てます。ただ、うつの病態は人によってさまざまとも思うので、この本だけを鵜呑みにするのもどうかな?と。より広い知識を蓄える意味でお勧めです。
読了日:12月05日 著者:ケリー・ランバート
遠い町から来た話丁寧に一ページずつゆっくりと眺めては新たな発見をして、溜息をつく。そんな絵本。細かい仕掛けがちりばめられた絵に真っ先に目がいくけれど、そこで語られるお話もまた素晴らしい。訳者あとがきでその背景を知った「壊れたおもちゃ」は、ひときわせつない物語。けれど「棒人間たち」「葬送」のような、どこか不穏な匂いのする話にもとても惹きつけられた。友人のなかでもひときわセンスのいい相手に贈りたくなるような一冊。
読了日:12月04日 著者:ショーン タン
銀婚式物語あの「結婚物語」の続編…ということで読み始めたのだけど、そのあまりの変わらないっぷりに恐怖さえ覚えた。小説よりもよりナチュラルに変わらない、言葉遣い。それでいて、ところどころ本当に切なく、感情移入するのがためらわれるほどの、ありのまま天然な哀しみが伝わってきて…。こんな文章というか作品を書く人は他にいない。この文体を単に子どもっぽい、他愛ないと片付けるなかれ。自分の目に映る世界を、この文体で何十年と書き続けることが出来たひとなのだ、このひとは。
読了日:12月04日 著者:新井 素子
西原理恵子の人生画力対決 3 (コミックス単行本)画力対決ももう3巻。これは本来、超絶技巧派か、本当に寝違え系、あるいは大御所を呼んで来るのが正解だと思っているのだけど「星守る犬」がまともに描けない村上たかしに爆笑させて頂いたので、なんかもう文句ありません。そして理論社との戦いは、これだけで一冊描いてほしいネタです。
読了日:12月04日 著者:西原 理恵子
隠れた脳―好み、道徳、市場、集団を操る無意識の科学人間の脳に隠れたバイアスとその働きについて、分かりやすく具体的な例と、読みやすい文章で解き明かす内容。個人的には様々な意味で危機的な状況にある震災後の日本に広がる不安やリスクについて学ぶ為にも、重要な一冊だった。「理性」の重みを強く感じる。自分自身こそ最も信用ならないものなのだ、きっと。
読了日:12月03日 著者:シャンカール・ヴェダンタム
天才シェフ 危機一髪 世界一流レストランの舞台裏で起きた40の本当のお話海外の有名シェフたちによる、まさに危機一髪の状況を切り抜けたり切り抜けられなかったりした経験を語ったエッセイ集。料理人という職業の面白さとそれを選んだ人々の個性と才能がよく伝わってくる。語られるのは学生時代の思い出話、とんでもない失敗を誤魔化した話、メイン料理に選んだ食材がすべて腐っていた悪夢のような体験…などなど。どれも個性豊かで面白い話ばかりです。
読了日:12月02日 著者:
猫舌男爵何とも不思議な短編集。ユーモアと幻想と恐怖と歴史に端麗な詩文が飾られる、悲劇のようなお伽話めいた、それぞれに違う味わいの物語。そのどれもがに圧倒されて、読み続けずにはいられない。やはり希有な作家だと思う。
読了日:12月01日 著者:皆川 博子
2011年12月の読書メーターまとめ詳細
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