「あざ」 茶屋町勝呂 小学館・IKKIコミックス



 茶屋町勝呂、6冊目のコミックス。確か。ずっとボーイズラブ界の住人でいらっしゃったと思いますが、今回は青年誌。それも題材が坂本竜馬と幕末。ということで、なにか変わったかなあといえばなにも変わってないのが茶屋町勝呂の素敵なところだと思います。BLはないけどね。たぶん。いくらでも深読みはできるけど、それは読むほうの病気なので…(スミマセヌ)。
 坂本竜馬といえば、本当に好きなひとはたくさんいるうえ、マンガでも多く描かれている題材なだけに、どう料理しているのか興味あったんですけど、トーンを一切使っていない白黒のスタイリッシュ極まりない画面に、話の脈絡がつかみにくい入り組んだ展開、観念的な台詞の応酬(土佐弁がとても正確でした)、なので、世間によくいるような、竜馬に憧れてる一般男性がこれを読んで面白いと思うかどうかは疑問。主役はたぶんおりょうと狗だし(これはオリキャラなのかな。それとも歴史上の人物なのか。岡田以蔵が近いような気もするのだけど、幕末は範疇外なので分からない)。しかしながら、それらのポイントは全部、わたしが茶屋町勝呂を好きな理由でもあるのです。だからわたし的にはオッケー。ただ、画面の力が強すぎて、それを引っ張っていくべきお話の全貌がまだ見えていないのがちと残念。全三巻とかで揃って読んだら、ため息をつく出来でしょうに。一巻一巻出るのが待ちきれないです。 

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