「子供の王国」 諸星大二郎 集英社・ジャンプコミックスデラックス 



 前からパラパラと読んでましたが、どうしても絵が苦手で読み込めないままでいたマンガ家さんです。しかし、何気なく手にとって読み始めたこの短編集が途中でやめられなくなって購入。
 全部で9つの短篇が収録されています。やっぱり表題作の「子供の王国」が一番面白くかつ不気味なイメージにあふれているかな。絵がどうにも独特なので、食わず嫌いのかたも多いと思いますが、内容もそれに負けず劣らずの世界観なので、この味が好きなかたにはたまらないかと。そのぶん、好きなひとはとっくに目をつけているとも思うので、こんな紹介は今更かなあ。全体的に、発表年代がそうなので当たり前なんですが、80年代初頭くらいの日本SFの雰囲気がよく感じられます。小松左京とか筒井康隆とか。さらにあんまり関係ないんですけど、「会社の幽霊」のラストシーンは、モンティパイソンの「Meanig of life」の「The Crimson Permanent Assurance」をなんとなく連想させました。

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