「金目童子」 高橋葉介 (朝日ソノラマ)



 スチャラカ版夢幻紳士がお好きなかたはお好きでしょう。あ、これでは一行で説明が終わってしまう(笑)。
 幻想と怪奇と奇妙な味と独特の描線が(いまは主線を筆で描いてるそうだけど、この作品もたぶんそうだ)まさにお好きなかたにはたまらない高橋葉介の、コメディタッチの妖怪退治物語。かってな想像ですが、このひとはたぶんこういうルーティーンな設定(超自然的な能力を持つ主人公、わがままでおきゃんな美少女、それにちょこちょこからむ敵とも味方ともしれない脇役)を描かせたら、いくらでも話が続いていくのではないのかしら。
 全10話がすっきりとまとまった楽しいお話です。平均点は確実にあるけれど、いまいち突き抜けてはいないあたりがちと寂しいかな(ちなみにわたしは高橋葉介なら、絶対にシリアス版「夢幻紳士」!「学校怪談」も大好き)。アニメで見たら楽しそうな、そんなお話でもあります。

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