癖のある絵、下を見た世界観、細かくこだわった設定その他、なんつーか要するにオタクなのかもしれないけれど、わたしはけっこう好きなたがみよしひさ。長編も良いが、短編にも忘れられないようなものがある、というわけで短編集を買いました。半分以上は既読だったけど、さすが自薦だけあって、どれも平均点以上の秀作ばかりです。
たがみよしひさは時々どーしようもなく嫌な気分になるお話を書きますが（タイトルは忘れたけれどオタクな男の子が一目ぼれしたきりのお姉さんそっくりのロボットを創る話とか「ＨＥＲＯ」とか「ＧＲＥＹ」も嫌な話といえばそうだし「妖怪戦記」も以下略）、ここでもその持ち味は十分に発揮されています。「冥い日曜日」「だれかが見ている」「蒼天幻想」「遠い悲しみ」は、読み終わったあとにしばらくうつむいて下を見ること確実。
そういうのを自薦するあたり、やはりそれが作者の持ち味のひとつなのでは。というわけでおすすめです。いえ、本当に。
