「裏モノ日記」唐沢俊一(アスペクト)



 御本人のサイトで、ほぼ毎日更新されている日記を抜粋して本にしたものですが、意外と薄いのですね。もっとぎっしり厚いのを想像してたのだけど、あとがきによると一か月分で原稿用紙300枚分あるとのことで、それは完全収録は難しいなと思ったよ。しかし、短くとも日記というものを通して読むことによって、現れてくる人間像のかたちって面白いものがありますね。こういういかにもオタクな生活が、あえて演出したものでもなんでもないであろうあたりとか(笑)。
 個人的には、イッセー尾形との関わりについて触れた2000年1月8・9日の記述が、胸に迫るものがありました。以前サイト上で読んだときは、我が身に置き換えてずいぶんとブルーになったものです(ここ笑ってください…)。のめりこむ対象との健全な距離というのを見誤ると、どっちにとっても良い結果は生まないのですね、きっと。結局どうこういっても、わたしは対象と直接に関わりたいという意志を大して持たなかった人間で、それが幸せだったと思います。それもまた自分の思い上がりであることは百も承知ですけど。

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