「ワールドカップ」

「はいどーもこんにちは」
「こんにちはー」
「漫才コンビ、ノコッタヨコッタでーす」
「いやー、最近あれやね。流行というたら、ワールドカップ」
「古いがな」
「サッカー。なんであんなに皆騒いでるのかわからへん」
「そうですか?ボクは好きですけどねえ」
「あの、ボールが転がって網ん中入っていくやないか」
「ゴールか」
「ゴールやったらなんで紙テープ張ってないの?」
「100m走ちゃうわ!」
「そのほうがドラマチックやん。たすき渡す手に力入るで」
「オレはたすきかけて走るカズは見たことない」
「ごめん、バトンか」
「ちがう」
「ハチマキ」
「もうええわ」
「あと、こないだ見てて思ってんけど、なんでみんな手を使わんとやっとるの?」
「ルールや!」
「うそお。俺、昔「ヘイパス!」って渡してるの見たことあるで」
「それはラグビー」
「じゃあラグビーは足使ったらいかんのか?」
「ええんちゃうのん」
「そやったらサッカーかて、手を使こうてええやん」
「しらんがな」
「…あとなあ、あれ、なんなんかな。歌舞伎町だの駅前だので、日本のシュート入ったー!!とか悲鳴あげてるひと。あれはみんな選手の親戚?」
「親戚もおるかもしれんけどな」
「友達なん?でもオレ、たとえお前がワールドカップ出たかて、人前で顔三色に染め分けてニッポンチャチャチャなんていう勇気はあらへんよ。それか、あれみんな恋人なん?かかれたん?それやったら日本代表、大忙しやな」
「無理や!」
「なおかつ老若男女問わずに決めてるで。やるな、日本代表。こういうのハットトリックっていうんかな」
「…なんかお前と話してると疲れてきた」
「それが、ドーハの悲劇?」
「違うわ!」
「失礼しましたー」

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