「ワンピース(32)」尾田栄一郎(ジャンプコミックス・集英社)



 感想書く必要もないくらいに上質な内容だと思います。正直、絵といい物語といい、文句つけたらバチが当たります。とても正統派の物語で、これをリアルタイムで読める小学生とかにとってどんなかけがえのないマンガになるだろうと思う。フリーザ編までのドラゴンボールとか、そんな感じ(わたしは「魔人ブウ編」が一番好きな間違ったDBファンだったがな)。同じくらいの巻数になった「からくりサーカス」の現状と比べたら、いやもうこの差はなんだろう。でもわたしはずっとからくりの方が好きだったんだよ。それに比べると「からくり」はどこか歪んでいびつでダークで、でも熱かった。そこが好きだったんだけどな。あ、もちろん、両者を比べても意味ないのは分かってます。あくまで個人的意見なのであしからず。
 「ワンピース」という物語の大河(ルフィの謎とか)が滔々と流れるなか、ひとつひとつのエピソードが独立して読める密度をもって存在してる。そしてそれが大河を構成する一部になってるんだよね。こういうマンガには言葉はいらない。読んで満足すればいいって感じです。
 ただ、その完全さが、自分の求めるものかどうかっていう気持ちもあります。正しい読者としてのボリュームゾーンに自分は入ってるのかどうか、そこは疑問。しかしそれはこのマンガのせいではありません。あくまで向き不向きかな。

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