「爆笑問題とウルトラ7」(爆笑問題ほか・新潮文庫)



 爆笑問題の対談集です。なぎら健壱、立川談志、淀川長治といったビッグネームとともに、ジョン・アーヴィングなんて名前までありますが、わたしの購入の決め手となったのは、橋本治と小林信彦でした。こういう対談集って軽く読めるので好きなんですが、本人たちに興味がないとなかなか面白く読めるまでいかないし、ほうと思うような言葉が必ずあるとは限りません。が、わたしのお目当ての部分はなかなかに楽しかったです。
 だいたい、小林信彦の写真映りが良い写真って貴重だしな(いやその)。ロッパ、森繁を語るその口で上原多香子や中谷美紀がいいという小林信彦(わたしはいつもてっとりばやくノビーと呼ぶのだが、正統派ファンのひとに怒られるかな)のことを、やたらと太田氏が「普通、そういうひとはそういうことを云わない」と面白がるのが、わたしには面白かった(笑)。このひと、そういうひとだから。昭和9年生まれのヲタクだから。しかも、それに対して「それは僕が好色だからでしょう」とすらっと答えるトンデモなさが、また実にノビーらしい。ノビーファンは読んで損はないでしょう(ところでこのサイト読んでる人にそんなひとがいるのでしょうか)。
 もうひとりのお目当て、橋本治との対談は、以前「広告批評」に掲載されたものでした。ここでは治ちゃんの「オレは錯覚の権化だもん。だって、これでも自分のこと、目立たないと思ってるんだよ」に笑いました。いやそれは本当にすごい、それは錯覚だ(笑)。
 まとめて読んで残る印象は、爆笑問題の太田氏の真面目さかなあ。とても丁重にゲストをもてなしてる印象があります。なので、対談相手のファンであれば、爆笑問題に興味が無くても、面白く読めると思いますよ。

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