「クレイモア(6)」八木教広(集英社・ジャンプコミックス)



 正統派ダークファンタジーの6巻です。最初のうちは、賞金稼ぎモノのお約束的展開が多かったんですが、どんどんストーリー展開が独自のものになってきました。覚醒者や妖魔というキーワードの謎が明らかになると同時に展開が深まってきたからかな。個人的には、「男は妖力解放するだけで覚醒への衝動を抑えられなくなり(妖力解放=性的快楽なので)、妖力を解放する戦士にはなれない。なので、それを倒すクレイモアと呼ばれる戦士は女のみ」という設定に唸りました。クレイモアの研ぎ澄まされた禁欲的な美しさと強さにこれほどふさわしい理由づけがあるでしょうか。テレサがクレアを拾ったように、クレアがラキを拾うこと、そこに女性としての感覚を感じるのも、なんらかの伏線になるのかな。母性とか云っちゃうのはつまらないけれど。
 週刊でなく月刊連載なので、コミックスが出る間隔は遅いけれども、じっくりと描いて頂きたいな。ストーリーもどんどん面白くなってきたけれど、絵的には何の文句もない美しさとバランスです。もともと危ういところもある線なんだけど、その分丁寧で、なんていうか、借り物でない絵です。

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