「THE WORLD(4)(5)」獣木野生(徳間書店・キャラコミックス)



 「THE WORLD」シリーズ二巻の同時発売です。近々、「PALM」も再開するらしい。
 正直云って、もう本当に絵に関してはどうしようかな、と思ってしまいます。デジタル処理も浮いてるし。元々絵が巧いとか上手なマンガ家さんじゃないとは思ってましたが、ここ数年の線の細さとメリハリの無さは辛い。しかし、そもそもこのひとは絵じゃなかったわけで。今回も、それでやられました。
 今回収録されているのは二編。戦争に明け暮れる世界のなかの難民の少女を描いた「架空の線」は、ああ「THE WORLD」らしい話だと思った。あと、作者のHPのエッセイを読んでいたので、ああそれを書きたかったんだなと。しかし、水没していく世界の女性分析医が主役の「スカイスクレイパー」が実に良かった。永遠と愛を信じられないとマクシーが泣くシーンで、わたしも号泣。いやもう、こういうシーンがあるからまだこの作家さんは買い続けます。多少絵がアレでも。どちらの話も、動物モノに弱いひとにおすすめ。

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