「雪崩連太郎全集ー都筑道夫恐怖短編集成3」都筑道夫(ちくま文庫)



 こちらも同じく都筑道夫の短編集なのですが、こちらは雪崩連太郎なる怪奇現象を専門にしたルポライターを主人公にした連作集。なので、これまでの二冊とはちょっと趣きが違います。
 様々な土地やひとにまつわる因縁や怪奇現象に挑みながらも、美女に誘われると滅多に拒まない雪崩氏のちょっと古めかしいハードボイルドさが、かえって新鮮かも。それぞれのお話も、ホラーというよりはオカルト、という表現が似合う渋さと荒唐無稽さ(「六本足の午」の落ちにはひっくり返った。いまの時代でこれやったらむしろ笑いになってしまうような…)で、こういう雰囲気の好きなひとにはたまらないものじゃないでしょうか。

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