「色恋」安彦麻理絵(ビームコミックス・エンターブレイン)



  さて、もう一冊も、内容としてはほとんど同じな短編集。ここにもたくさんの窒息しそうな女の子たちがいます。でも、こっちのが明るい話が多いかな。明るくなるしかしょーがないじゃん!みたいな開き直りでもあるとは思うけど(笑)。またこの本には男の子が主役の話もあります。なかでも、ゲイの男の子が「しょーがないひと」と、逢えば10時間一緒にゲームをするようなトモダチになっていた、という話が良かった。なにも起きないけれど、その起きない感じがとてもいい。
 個人的には、一日あったいろんなことを、子どもの頃から自分だけの「神様」に報告するくせがある女の子の話が、気に入りました。「ワル」な彼氏に振り回されて、結局かれは出て行って、いつかは戻ってくるかなと思いつつ、ケータイも不通になってしまった。それでもビールを呑みながら「なんのかんのとあるけれど/アタシはそれでも生きてます/毎日なんとか生きてます/なんかわかんないけど生きてます/神様 アタシ――」のくだりがなんだかこう非常に身につまされて…(遠い眼)。

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