「誰も寝てはならぬ(1)」サラ・イネス(講談社・ワイドKCモーニング)



 かの名作「大阪豆ゴハン」のサラ・イイネスが微妙に改名しての新作です。今秋には二巻発売だそうで、気づくの遅かった…。しかしそのぶん続刊を長く待たずに済むのはありがたい限り。
 「大阪豆ゴハン」といえば、関西のおにーちゃんおねーちゃんのちょっと不思議だけども「あるある」な日常生活をのんびりと描いた、ストーリーがあるよでなさそな、のんびりコミックだったわけですが、新作の舞台は東京です。でも出てくるのはやはり大阪人(笑)。オンナノコには滅法ヨワくて得意技は眼からビームのバツ3のゴロちゃんと、嫁さんを女に取られてバツ1ながら、猫の利休之助をこよなく愛してるからまあエエか、なハルキという二人のデザイナーを主人公に、ストーリーはやっぱりあるようでないようで。コマに書き込まれた書き文字こそ写植になっていますが、あの独特の持ち味には変化なし。なにかと女とややこしいことになる二人なので、けっこうドロドロしてる話なはずなんですが、その持ち味のおかげで「ま、エエか」な話になってます。
 今回、わたしが吹き出したゴロちゃんの台詞は「付き合うて一ヶ月?そーんなん付き合た内に入るか!早よ撤退せえ!」。ハルキの「聞いてくれよーワシの話―ー!」(それぞれ、どういうシチュエーションで発せられたかはぜひ現物をご確認ください。すごいリアリティだと思った)。いやはや、これが関西人は身も蓋も無い、というところなのでしょうな。続刊が楽しみです。

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