「ブレーメンll(5)」川原泉(白泉社・ジェッツコミックス)



 知性を持った動物たちが乗組員の大型宇宙輸送船「ブレーメン」を舞台にしたこのマンガも最終巻。
 とても良いお話ではあるのでしょうが、わたしとしては「いままでどうもありがとう」としか云えない…。「甲子園の空に笑え!」からずっとリアルタイムで読んできた作家さんだけに、こういうこと書くのはせつないんだけど、わたしが先に大人になってしまいました、ごめんなさい、という気持ちでいっぱいです。「チグリスとユーフラテス」の新井素子にも同じことを感じたんですが、作品の出来を否定するのではなく、ただもう、どうにも感性がズレてしまったとしか思えない。リトルグレイはずっと辛かったな(…)。なにより、最後のエピソードを、どうしてわたしは手放しで感動できないんだろう?と。それなりの長編の最後に用意されたカタルシスとして、間違っていないはずなのに、どうしてこれをまさに本当の意味での「御伽噺」としてしか受け取れないんだろう?そういう意味で、自分の胸に手を当てて考えるしかない一冊でした。作品の出来じゃなくて、わたしのほうがアレなんだ。きっと。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする