「PALM(27)午前の光(1)」獣木野生(新書館・ウィングスコミックス)



 作者のもうひとつのライフワーク「THEWORLD」が小休止して、今度は「PALM」の新シリーズが無事に始まりました。環境問題を取り上げた「愛でなく」で、さようならぱーむしたひともいらっしゃったようだが、そんなひとにも読んで欲しい雰囲気です。とても昔のパームっぽいというか、ああパームってこうだったよなという感慨に耽ってしまいました。ジェームスとカーターは仲良く喧嘩し、カーターは肩で息をし、アンジェラは毒舌で、シンはいいかげんで疫病神のトラブルメーカー。それでも「愛でなく」を通過したあととして、キャラクターはそれ相応の成長を遂げて変化してもいるんですけどね。もちろん新シリーズの一巻目なので、お話はまだまだ序盤戦です。
 ただ、今回の新キャラクターであるジョイちゃんとかハリーとかがわたしはなんか苦手。なんだろ。あーもしかしたら、わたしがもう、ジョイではなくカーターの立場で物事を見るようになったからかもしれないなあ…そんな歳かよ。この巻で唯一涙したのは、イライザの最後の述懐でした。ので、新しい二人にもこれから愛着が湧くような変化が見られるのかと思います。このシリーズは、完結まで買い続けることでしょう。なので長い目で。

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