「Jun Togawa as only a lump of meat 」戸川純(ブッキング)


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 戸川純28歳の写真集の復刻版です。
 初版は88年、というわけで、まさに「昭和享年」なイメージで、その頃のPV「バージンブルース」でも見ることが出来る戦災孤児風のカットもあります。今回の復刻に関しては、ご本人が不本意なかたちで修正を余儀なくされたカットなどもほぼ当初の意図のもとに再現できたとか。わたしは初回版を持ってなかったのですが、写真集というのでイメージしていたよりはずっと小さな版型(変型A5?)でした。それはちょっと残念。
 正直云って、戸川純というひとは容姿的に整っているとかすごい美人というわけではないと思います。しかしそれでもこの写真集には十分に意味がある。鑑賞とかそういうレベルで語るのでなく、写真からにじみでてくるその存在感に酔えばいいのではないでしょうか。わたしは歌っているときの純ちゃんが一番好きですが、それでもこのすごさにはため息がでるもの。なんだろうこれは、といつも思います。ここに「在る」ものはなんだろうと。
 この写真集で、わたしが一番好きなのは、黒髪ロングストレートに白い布を巻きつけたような衣装を真紅の薔薇を飾っている一連の作品。カバーを取ったあとの表紙絵のときに表情も可愛いですが、白い包帯で両目を覆っている数枚がすごい。目の部分を赤く滲ませて、そこに指を這わせているポーズときたら、包帯属性がないわたしでも、キた。おすすめです。

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