「冷たいお菓子」タカハシマコ(ワニマガジン社)



 タカハシマコの美少女系作品集です。
 「COMIC快楽天」に掲載されたものがほとんどといえば、内容もお分かりいただけましょう。とても可憐で綺麗で、痛々しいような細い肢体をした少女たちが、無邪気に、ときに意識的に、男の子や男性と交わります。わたしはほとんどの美少女系に興味はないし(吾妻氏は特別…)、タカハシマコもショタ系のBL物には惹かれないのですが、このひとの美少女物に共通する「痛み」(それは「傷み」「悼み」でもあります)というキーワードに惹かれてなりません。少女にとっての(精神的にも肉体的にも)準備されていない性体験というものの意味合いを、突き詰めて描けるひとだと思います。それは糾弾とか物語の小道具というレベルでもなく、ただ、そういうものだと。とても、「いたい」ものだと。
 全頁がカラーで、とても綺麗な作品集です。ただ、十代未満の女子のそういうものに嫌悪感を感じるかたにはおすすめできませんが、もし、ネガティブな意味でも、その要素から目をそむけられないものを感じるひとには、読んで欲しい感があります。

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