いやあ参った。やられた。小説を読んで身体ががたがたになるような経験は久しぶりです。かの舞城王太郎のデビュー作、やられてしまいました。読み終わったら、あとは魂が抜けかのように呆けてしまいました。
ミステリーもバイオレンスも、いわゆるノベルズ系は苦手なわたしが、ここまで体力を抜かれる(おかしな言い方ですが)間違いなく傑作といえると思います。
独特の文体ではあるものの読みにくいわけでなく、むしろそのリズム感に浮かされたようになってしまうスピーディーさと、強引さは翻訳文学のものであったはずなのに、ここにあるのは紛れもない日本のエンタテイメントです。面白かったし、カッコよかった。最後の最後で見事にノックアウトされて、未だに、ふらふらな感じです。
未読なかたがいらしたら体力に自信があるときの読書をおすすめ。改行の少なさに最初は圧倒されるかもしれませんが、文庫裏のストーリー紹介で少しでもぴんときたら、ぜひ。身体にクる一冊です。
