犬神サーカス団「単独興行巡業?形而上のエロス?」(広島ナミキジャンクション)

 ここ半年ほど、憑かれたように聴き続けていたかれらの単独ライヴとあって、とても楽しみに出かけました。先日の名古屋のイベントで音源とライヴでの印象の違いがまた気持ちよかったのです。
 春から体調が思わしくなく、チケットまでとったライブをキャンセルすることが多かったのですが、これだけは逃すもんか、と。不安もあったのですが、行ってよかったです。本当に。
 平日のせいか、お客さんは2,30人ほど。いやもうでも、関係ないって(笑)。わたしの好きになるバンドはみんなそうだ(笑)。
 O.Aは、噂に聞くことは多けれど、実際見るのは初めてだった最鋭輝氏。客入れのときに流れていた70年代情念系BGMが気持ちよかったので、そのままのノリで見られたかなあ。嫌いじゃありません、もっきー(あの声でHR/HMをやってくれたらもっとくらっときたかもしれん)。
 
 ライブ自体について。まずはとにかく、くるくると万華鏡のように変わる凶子さんが実に良かった!他メンバーのMCに笑い転げる愛くるしさは云うに及ばず、アコースティックでの「寂滅」の神々しいまでの雰囲気はすごかった。生で凶子さんの歌声を聴くといつも思うんだけど、音源の100倍良いですね。生でみないと分からないってことがあるんだなあ。
 芝居仕立ての部分もわずかにあったのですが「あたいだって、形而上の世界に行きたいわ…」と人類全部を殺すことが出来る毒の入った小箱を開いたあとに始まった「悪魔のように囁いて」で、泣きました。ある種の毒、という存在(それがなにを意味するかはひとによって違うはずです)がなければ生きていけない自分にぐいと突き刺さったようでした。
 
 でもとにかく、わたしはいますごく犬神が好きなので、あれも聴きたかったこれも聴きたかったという気持ちがとても大きかったのですが(生で「カナリア」と「夜が終わっちまう前に…」と「父親憎悪」と(以下略)が、聴けたら…)それよりも、ライブ自体の楽しさに驚きました。ああ、ライブって楽しかったんだ。それを楽しいと思う感受性がまだ自分に残っていたのが、すごく嬉しかった。種火にすぎなかったそれをごうごうと燃える炎にしてくれた犬神に感謝します。めちゃめちゃヘドバンしながら、逆ダイしながら、本当に楽しくて仕方がなかった。嬉しい。犬神、大好き。だから、もうそれ以外、あんまり云うことがない。
 次は金曜日の大阪MUSEです。楽しみ。

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