「ふにゃふにゃ日記」菜摘ひかる(主婦と生活社)



 ここんとこずっと追いかけてる著者の主にイメクラ時代の日記。
 そこかしこに見られるプロ意識に同じくサービス業(わたしは風俗と他のサービス業を区別するつもりはないので)に勤めるわたしも、考えさせられたり、うなずいたり。給料以外でサービス業で得られるものって、やはりお客様の笑顔だし、「このひとなら任せて大丈夫」と思ってもらえることだ。大事なのは、客。なので周りのやる気のない嬢たちにイラついたり、仲良しごっこなんかしたくない著者の気持ちはよく分かる。読み物としても面白かった。ただ、心配なのは4年後に加筆されたあとがきで、著者が心を病んでしまっていることを告白していること。すでに故人であるとは知っていますが、やっぱり、すり減るものがあったのだな。
 あとはこのひとの処女小説を読むだけです。そこにはなにがあるのだろう。

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