第436回ビートたけしのお笑いウルトラクイズ

すいません、回数は曖昧です。たけちゃんへのリスペクトをこめて。
 11年ぶりの復活ということで、楽しみにもしてましたが、ちょっと心配でもあった放映日。だって、バラエティにおいては時代のブランクってけっこう大きいですよ。いま、この時代に復活することで、ウルトラらしさが無くなってしまうと淋しいな…とか。(そんな過去のウルトラがどれだけのものだったかはこちらの記述をご参考下さい)
 しかし、そんな心配も、序盤でキレイに消えました。だって、しょっぱなの登場から地球儀のかぶりもの姿で現れたビートたけし氏(世界のキタノ!このひと、世界のキタノ!)、とりあえず舞台にあがるのにごく自然に全裸になる井手らっきょ氏、色々とややこしいことあったアシスタントの山本モナ嬢に「ヤフーニュースで見たから!」と励ましなんだかツッコミなんだかを遠慮なくぶつける野沢直子嬢、これだけの材料があれば安心ですよ(笑)。わーウルトラだー、と喜べました。
 各出演者もなんだか生き生きしてましたね!すでに殿堂入りと云っても過言ではない、ダチョウ倶楽部と出川哲朗氏などはまあおいておくとして(しかし竜ちゃんの目のキラキラかげんはすごかった…)、今回からの新人でいえば、安田大サーカスの大抜擢には、初めてかれらの使いどころが分かった気がした。正直、目から鱗が落ちた。そうか、あなたがた、ウルトラ向けだったんだ…(笑)。森三中やまちゃまちゃといった女子の活躍も嬉しかったな。そして、たくさんの新しい人気者も参加していたのにも関わらず、ワンシーンしか映らなかったり、ひとによってはエキストラと変わらないくらいの「え?あのひといたの?」扱いだったりするあたり、しかしそういうひとでもちゃんと○×クイズで吹き飛ばされたり、冷凍庫に閉じ込められたりしていたのであろうあたりが(インリンさまもか?)、なんというか、うーん、実に古き良きウルトラ。
 各コーナーも、かつての名物コーナーの伝統を崩すことなく、さりげなくパワーアップで(笑)良かったです。確かに昔は、リアクション芸という概念がなかったから世間の目が厳しかったかもしれないが、それがクリアされたいまでは、そもそも人権に厳しいですよ(笑)。しかし今回は、そのぎりぎりの線を踏み越えることなく(踏み越えてたか、もしかして)軽やかに舞ってみせたいわば線上のアリア。良いものを見せて頂きました。
 しかしコーナーといえば!わたくし一押しの「人間性クイズ」(しかしもはやこれのどこがクイズなのか…)は、今回も素晴らしかったですよ!大御所、中尾彬氏と江守徹氏のコンビが、若手芸人の前で揉めてみせ、演技合戦までして、どっちが巧いと思うかを若手に云わせるといった今回の内容については、正直、それだけではイマイチでした。笑うより、可哀相になっちゃうのよね。しかし、それをさらにアレンジきかせて即興の脚本を書き下ろしたのが、さすが世界の北野武。
 よりによって、「どっちが演技が巧いかを云わせて、巧いと云われなかったほうが怒って出て行く。そしたら、巧いと云われたほうが男好きでその若手に迫っちゃう、そこに出て行ったほうが戻ってきて『俺というものがありながら』と揉める。実は大御所二人が出来ていた」ってどんな素晴らしい妄想ですか!(爆笑)よっ、さすが、ベネチア金獅子賞!(爆笑)
 また、最初は「そんなのやったことない」と頭を抱えていた大御所二人が、いざ始まったら、ノリノリ。犠牲者の竹山氏はひたすらお気の毒でしたが、実に良いリアクションでしたよ(そしてこのコーナーに萌えすぎて思わずオトモダチにメールしたら、当のそのオトモダチからもまったく同じメールが同時に届いた。そのオトモダチとは年始の挨拶もまだだったのに。真夜さん、今年もどうぞよろしくお願い致します…)。
 全体を通しての感想。11年ぶりにも関わらず、よくぞここまで古き良きウルトラクイズを復活させてくれたなあと感動しました。どうしようもなく、低俗で、乱暴で、泥臭くて、ダサいというひともいるかもしれない。しかし、この根源的なパワーとサービス精神と確実に場をエンジョイしている出演者の輝きを、どうして否定できようか。これもまた確実にTVの笑いのひとつのかたち。今年60歳(!)になる、ビートたけし氏と優れたスタッフ、一瞬のチャンスを逃さない出演者の一流芸能人の皆さん、みなが創りあげたものです。少なくとも、わたしは、とてもこの番組を楽しみました。DVDだって欲しいです。面白かったです。

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