「絶対可憐チルドレン(1)?(7)」椎名高志(小学館・サンデーコミックス)



 こっちも喜んで全巻購入。週刊連載中の少年マンガのコミックスまとめ買いは「銀魂」以来です、癖になってないことを祈らずにはいられません。
 超能力者が増加した近未来を舞台に、特務エスパーと呼ばれ活躍している生意気盛りの10歳になる女の子たち三人と、彼女らの監督役である青年を中心にした展開が、元気良くて楽しくてなりませんでした。ミニスカ姿の女の子たち三人(おてんば、眼鏡っ娘、おしとやか)というあたり、いかにもな設定に見えるかもしれませんが、個人的に思うのは、ちょっときけんなおおきなおともだちを誘いこむのは、やっぱり5,6歳までだろうと思うし、もうちょっとナボコフ的に正しい意味でおおきなおともだちのストライクゾーンは、13,14歳でしょう。そういう意味で、この10歳という年齢は絶妙。
 幼児ではないし、少女にもぎりぎりいたらない、この年齢だからこそ、お守りの皆本青年との距離感がちょうど良い。彼女らの皆本へのなつきっぷりは、いわゆるおにいちゃん萌えにかかるのかもしれないけれど、わたしにまったっくもってその属性がないからか、どちらかといえば、ぱぱ萌えに近いと思える。超能力を持たない普通人として、危うい未来のヴィジョンもかいま見つつ、それでも自分たちを心配して守ってくれてかまってくれる皆本は、いくら弱くても、間違いなく少女たちの憧れの存在になります。そのもっていきかたがすごく自然で、可愛い。ていうか、皆本、可愛い。←そっちか。
 そう、実はわたし、途中から皆本に萌え萌え。だって眼鏡にスーツで特殊能力(天才なんだ、一応)をもってるくせに、10歳の女の子と本気で喧嘩して、自分がオトナだということを忘れない、不器用なキャラですよ。うん、そうだよ、もちろん、すっごく情けないよ!(笑顔)ああ、可愛い。もちろん、メインのキャラクターだけでなく、サブキャラもみな可愛くて魅力的です。みな、外伝のひとつや二つは創れそうなキャラ立ちです。少年マンガはこうじゃなくっちゃね!
 とにかく明るくて元気がよく、テンポの良いギャグがはさみこまれる漫画でもありますが、それだけでなく、超能力というものが持つ負の側面も拾い上げて、場を引き締めることも忘れません。できれば、このままスピーディな展開で、楽しく明るい大団円を迎えてほしいものですが、勢いがあるので、まだまだこれからでしょう。続刊が楽しみです。

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