「逃亡日記」吾妻ひでお(日本文芸社)



 あの「失踪日記」や「うつうつひでお日記」を期待して購入すると、ちょっと当てが外れます。
 8割が、「失踪日記」やその前後の時期、および生い立ちなどについてのロングインタビュー、「失踪日記」がベストセラーになってからの日常を書き下ろしたマンガが1割、その他グラビア・関係者へのインタビューなどが1割といった感じです。ううむと思っていたところ、著者自身がマンガのなかで「ていうかこれ『失踪日記』の便乗本じゃないのっ」と真実を述べておられました(笑)。
 ファンであれば、インタビューは面白いかな。でも内容のほとんどは、前の二冊ですでにマンガで描かれていることですのでお気をつけを。ただ、語りなので細かくなったぶん、先生はホンモノだということがよく分かったのがわたしなりの収穫かな。うん、吾妻先生はホンモノのアレです。そこらあたりとナンセンスが混合した作品を、もっともっと読みたく思います。

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