「狂犬倶楽部の春一番!お犬見会?関西編?」

 やってきました大阪clubwater。犬神サーカス団FCイベント「狂犬倶楽部の春一番!お犬見会?関西編?」に参加です。思えばFCイベントなどに参加するのは聖飢魔ll以来かもしれん。
 Clubwaterは難波にあるのですが、難波にはちょうど、名古屋栄にもあって身内内で大流行のお洋服屋さんがあるのですね…。つい寄っちゃって、カーディガンなど購入しました(スカートも試着したけど、鏡に映った己のふくよかさに断念したなんて内緒だ…いや本当にもう痩せるよ…)。
 整理番号関係無しでなんとなく並んでいると、帝國で知り合った信者さんでもあるLさんと久しぶりに再会しました。お互い「まさかここで知り合いに逢えるとは」と挨拶を交わす。Lさんには確かかの「マルガ・サーガ」を貸して頂いたご縁があります。おかげでわたしは栗本薫信者から見事解脱(説明略)。
 開場してからは、凶子さんと明兄さんが見られるようにほぼ真ん中の後ろで陣取りました。予定時間も過ぎたころに、白塗り学園の体操服(?)を着たジンさんが登場して、凶の段取りを説明。第一部は、まず色んなひとが登場、二部は犬神サーカス団の皆さんによる愉快なトーク、三部でようやく犬神サーカス団による演奏という流れだそうです。
 そのまま始まった第一部は、団員ひとりひとりによるアコースティックライブ形式でした。ジンさんは、松崎しげるの「愛のメモリー」を熱唱。続いて登場の情次さんは、にしきのあきらの「空に太陽があるかぎり」、そのまま明兄さんも出てきて、情次さんのギターで伊勢正三の「なごり雪」を唄いましたが、去年に引き続き今年も骨折したMr.骨折として(どうよ)「なごり雪」の替え歌も披露。これには笑った。「♪レントゲンを待つ僕の横で君はスケジュールを気にしてる」「♪去年よりもっと綺麗に折った?」だもの(笑)。
 そしていったん退場の際には「赤べこ」でした、と一言。(情次さんが凶子さんと組んでいるアコースティックユニットが「赤猫」というのです。明兄さんには角があるからね)。
 代りに登場したのが、凶子さん。髪留めで髪を結った着物姿に「かわいいー」の声が飛びましたが、「忘れ物しちゃった」と一回退場(笑)。かわいい。再登場してからは、情次さんとの「赤猫」で「燃え尽きたいの」と「赤猫」を唄います。
 やっぱり凶子さんの唄は生がいいなあ。そりゃCDで聴いても綺麗だし巧いしカッコいいけど、生で聴くと、歌声になんともいえないオーラがまぶされていくような気がする。技術的にどうこうじゃなくて、録音されたとたんにとりこぼされる微妙な味がある。これを聴くためだけでもライブに来る価値があるよ。
 続いてはそのままメンバー全員が登場してのトークコーナー。ここでは、写真撮影もフリーになったため、フラッシュが光る光る。わたしも撮った。50枚くらい撮ったうち、20枚くらい凶子さんで、15枚くらいが明兄さんだった(笑)。
 ここでは、先日の「白塗り学園」の話題がよく出たような。凶子さんにとって一番恥ずかしかったのは、明兄さんと抱き合うシーンだったそうで「もうすっごく恥ずかしかった!」とじたばたする姿がまたいとかわゆらし。当然、会場からは再現のリクエストが出て(笑)、ちゃんと直前の台詞から再現してくれました。萌えた。たまんなく萌えた。明兄さんの手が凶子さんの頭にちゃんと伸びてるのね。萌え。「白塗り学園」自体は、もう一度やりたいのでARTPOPの偉いひとに云っておくそうです(笑)。
 色々と楽しい話は出たのですが、個人的には明兄さんの「犬っ子をデートに連れていってくれるならどんなプランで?」という質問に対しての「近所のブックオフと中古レコード店(大意)」がツボでした…明兄さん、それ一番やっちゃいけないオタクのデートプランだよ…(笑)。しかもそこで「犬神のCDが2300円、高いね!」と自慢するといったときに、情次兄さんから「それ、数が出てないからだから。自慢にならないから」という容赦ないツッコミが。明兄さんかわゆーい。そして、インストアイベントとか参加したことがなくて、あんまりそれを耳にしたことがないわたくしには、ほぼ初体験となる明にいさんの駄洒落攻撃が、とてもとても顔の模様が似てる誰かさんを彷彿とさせるものでありましたことよ…(わたしの好きになるひとってみんなこうなのか…)。
 休憩を挟んで、第三部のライブに突入。ここではまず犬っ子のリクエストによるカバーソングを。レベッカの「フレンズ」山本リンダの「どうにもとまらない」松田聖子の「赤いスイトピー」の三曲でしたが、これらは別に票数が多い順というわけではなく、寄せられた曲のなかから、メンバーがやりたい曲を選んだそう。(「フレンズ」はジンさん、「どうにもとまらない」は明にいさん「赤いスイトピー」が情次さん)。
 凶子さんは、カバーはやはり歌いにくいけれど、「どうにもとまらない」は唄いやすかったとのこと。一番難しいのは小室系らしい。「赤いスイトピー」では「I will follow you」が、いつもの凶子節になってて、情念入ってたなあ。カッコイイ。
 続いては、これも犬っ子のリクエストによる、犬神サーカス団の曲。「電車の歌?人肉スープ(兄の病の特効薬は死臭漂う血の池地獄のような人肉スープの形而上学)」「赤痣の娼婦」「真夏の夢」「自殺の歌」「犬神天国」「ロックンロールファイヤー」「地獄の子守唄」という内容でした。
 「電車の唄」は初めて聴きました。実は、かなり昔に、音源より先にこの曲の歌詞をネットで読んだことが、わたしが犬神を実際に聴くまで時間がかかった理由なんですが(ただもう生理的に受け付けなかったのです)、ライヴできくとまた違った印象で、むしろ聞けるというか、むしろこれも犬神の本流には変わりないんだよなあと思いました。そういう意味でも聞けて良かった。で、ふと生理的に受け付けないって便利な言葉だけど、そこで思考停止してしまって、微妙なニュアンスまで考えずにすませるのはよくないことなんだろうなと思ったりもしました。
 というのは、歌詞の内容でいえばある意味負けず劣らずの「人肉スープ」が、わたしは好きでたまらないのですね。これまた犬神でも最初期の作品ですが、とにかく美しくて、哀しくて、たまらない曲です。哀切きわまりない情次さんのギターに涙が出そうになった。こんなに明確な幻視を与えてくれる曲って滅多にない。音源もレアなので、歌詞を読み通したことのないこの身がいうのもなんですが(ライヴできくのは三回目)、素敵な歌詞が多い犬神の曲のなかでも、個人的にベスト3に入る。美しいです。「赤痣の娼婦」「真夏の夢」も、レア曲として嬉しかったな。
 「自殺の唄」もまた受け付けないひとはまず受け付けない歌かもしれない。正直云って、気分によってはヒくときもある。でも(わたしが聖llの信者だからか?/笑)「死ね 死ね 死んじまえ」で拳を上げて、首を掻っ切るのはとても楽しい。生き直すためのひとつの儀式だと思ってる。
 しかし、聴きなれているはずの「ロックンロールファイヤー」で、それまで結ってた凶子さんの髪が下ろされて、凶子さんのあの髪柱が立つ素敵ヘドバンを見たとたん、こっちもなんかがトんだ。とても気持ちよくヘドバンが出来ました(笑)。なんかもうすごく楽しくて仕方なかった。大好きな「地獄の子守唄」が最後の曲だったんだけど、正直、足りなくて泣きそうになった。情次さんのギターが素晴らしい。凶子さんの歌声がたまらない。ジンさんの絶対領域がいやベースがカッコいい、明兄さんの視線とドラムが気持ちよい。わたしは犬神サーカス団が大好きです。
 ライブが終了したあとは、メンバー全員と犬っ子ひとりひとりとの写真撮影タイムだったのですが、こういうのまったく慣れてないわたしは、ひたすらおろおろしてました。いや照れるし!恥ずかしいし!でも、自分の番が来たときに、凶子さんがこっち向いてにっこりしておいでおいでしてくれたとたんに、尻尾をふってかけつけました。あの笑顔、忘れられない(笑)。しかも写真を撮ったあと、明兄さんに握手してもらい、至近距離で顔を見つめたもので気分は一気に高揚(笑)。明兄さんって美形…(陶然)。「あきらにいさんあきらにいさん」とだけ繰り返し、ふらふらとライブハウスを後にしました。あまりに舞い上がってたもので、Lさんにご挨拶も出来なかったのに気づいたのは、新幹線に乗ったあたり。Lさん、以前に「マルガ・サーガ」を借りたお礼も云い忘れて失礼しました。わたしはあれで栗本薫信者を(もうエエ)。
 新幹線で、今回の参加者の全員プレゼントとして頂いた明兄さんの「骨折日記」を開きました。さすが、文章は達者なのですが駄洒落はいやその。本当に!身体は大事にしてほしいです。お願いだから骨折ってるのにドラムは叩かないで(泣)。しかし叩かずにはいられないというその場の感じも分かるので、なんともいえないところもある。でもやっぱり、明兄さんには犬神を続けてほしいから、骨折はもう御免ですよう。
 あと、この冊子では、骨折したときに、メトロノームのユウイチローにドラムを頼んで自分が二階でステージを見てたときの述懐が面白かった。「自分たちでは分からないんだけど、他のバンドより楽器の音が聴きやすくて凶子の歌声はダントツに響いてる!なんでこのバンドが売れないのか理解できないよ。ああ、歌詞か…(笑)」あはは(笑)。
 確かに、犬神の歌詞は、聞き手の意識を試すところがある。「受け付けない」と蹴られることもあれば、それだけで変に持ち上げられちゃうこともあるだろう。わたしは、云われるほどに猟奇とかは感じないんだけど(むしろ猟奇のパロディだと思う)、犬神の歌詞は大好きだ。別にわたしは全てを無批判に受け入れるわけじゃない。むしろ時々感じる違和感だって大事にしたい。その、こちらを試してくるような感覚込みで、犬神が好きだから。
 楽しいイベントでした。ありがとう犬神サーカス団。

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