「街角花だより」こうの史代(双葉社)



 とにかくこの作者のすべるように柔らかいペンタッチが好きでなりません。トーンを使わない画面とその描線が素晴らしくマッチしていて、見ているだけで飽きません。
 それに合わせたように、内容も適度にほのぼの適度に殺伐(笑)で、楽しいです。この本は、花屋を舞台にしたほんわか店長とツンデレな店員さんとのストーリー(両者女性)を中心に、短い作品を集めた作品集ですが、作者の個性がしっかりしているので、ごった煮風にはなっていません。
 なにより花屋のお話のほう、ラスト話の没バージョンが素敵な百合になっていて(マジで!)ものすごくお得なものを見た気がしました。こういうのもアリだ、アリ。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする