「となりのネネコさん(1)」宮原るり(新書館・ウンポココミックス)



 ウンポココミックス、というものが出来ていたことにちょっと唖然。
 無敵に猫属性(でも猫畜生は大嫌い)な転校生ネネコさんと、それを取り巻く先生、生徒、ストーカーもろもろの日常生活を描いた4コマ漫画です。もとはWEB掲載だったとかで、公式サイトでも読むことが出来ます。書籍化したもののほうがデータ的にも詳細で美しいので、WEBで気に入ったかたには書籍もおすすめ。
 傍若無人で無敵なネネコさんに怯えたり戸惑ったりしながらも、そのペースに巻きこまれていく周囲のひとたちの善意とのんきさが、時おり見え隠れするネネコさんの過去のダークさと良い対比になっていて、単なる4コマに終わってないと思います。素直に可愛らしい絵柄とネネコさんのキャラ立ちだけでも、読んでいて楽しいかと。
 また、ウェブで読める、未書籍化部分の「チマ公」ちゃんのお話は、思春期に弱い女子だったかたならば、なんとも身につまされるお話ではと思います(大人になってもやってるひとたちもいますが、それはそれ)。お話の展開、問題の解決方法などは、実に少女漫画だと云われそうですが(現実はそううまくいかないよ、という意味で)、そもそも現実から浮遊した世界を通して、少女に現実を生きる元気をくれるのが少女漫画の醍醐味だとわたしは思うので、このマンガは実に良質の少女漫画だと思うわけです。面白かった。

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