TheR-ist「TheR-istの逃亡」(名古屋アポロシアター)

 そしてなぜだか毎月名古屋にいるのです。今日は、R-istの「R-istの逃亡」に参加です。栄でお買い物希望ということで、心のラブ友真夜さんと待ち合わせしました。
 とりあえず、いつものお店で金髪の店員とガチ勝負。いえ、常に負け戦なのです。はい、わたしは名古屋の店で「いつもありがとうございます」と云われている霊感のない岡山女です。ここの刺繍系の担当のデザイナーの指に針を刺したい…(最悪です)。わたしのいまの希望は、一度でいいからこの店に入って手ぶらで出てきてみたいということ。ディスプレイが飾られた入り口に、わたし(とお友達)だけが見える「この門に入るものすべての希望を捨てよ」という文字が光るお店です。今日は、ライブのとき便利だから!と、これまた可愛らしい刺繍の入ったシザーバッグをお買い上げしました。ライブのとき便利、というのは、言い換えれば、普段は用無しということかなということに気づいたのは、もちろん店を出たあとでした。
 まだまだ時間があるということで、真夜さんおすすめのナイススポット、「ロボットミュージアム」(公式サイト)を見学することにしました。もっとも、料金が必要な場所でなく、無料のグッズショップだけでしたが(セグウェイいいなーと思ったものの、どう考えてもわたしには身体能力的に無理)、これがまた楽しかった…。日本人バンザーイ。携帯ストラップとか、欲望のままに買いあさったら大変なことになりそうだったので、あえてお買い物はしませんでしたが、なんともはや萌え心をくすぐるものばかりでうはうは。とくにロボ属性は無いわたしでもうっとりするグッズばかりだったので、お好きなかたにはそれはもう、なショップだったと思います。何人かいらっしゃった観光客と思しき白人男性(みんなTシャツにリュックでカメラもってる…)の目の輝きと頬の紅潮が印象的でした。そうだな、いかにスミソニアン博物館とか素敵でも、スミソニアンには「コレジャナイロボ」はないもんな!
 とにかく物欲が刺激されました。オタクは覚悟で赴くように。普通に歩いてても、ぴたっと足が止まって、トランペットが欲しい黒人の少年状態になるのです。とりあえずわたしはタチコマのフィギュアで…。購入したところでまず作れない、作ったところでやはり置物には興味がない、ということで購入には(なんとか)至りませんでしたが、「ロボットミュージアムに行って来ました」みやげには倒れた。名古屋に行ってると職場にいちいちカミングアウトするわずらわしささえ無ければ(そろそろ遠距離の恋人ネタも年齢的に気まずくて使えない歳に/遠い目)、複数の部署あてに購入したいところでした。かわいい。
 真夜さんと二人でロボミューに萌えたあとは、とりあえずお食事しました。そこでの会話でここに書けることってなんだろう。とりあえず、来週もデーモン小暮閣下のライブで名古屋に来るわたしは、やはり真夜さんのお世話になるのです。そこで「真夜さん美少年好きだから、閣下見せないと思って」とライブに誘ったときに、フォークの先をこちらに向けられたような気がします。気のせいでしょうか。真夜さんとは本当に仲良しです(棒読み)。
 ライブまでは微妙に時間があるということで、カラオケにでも行くかという話になったのですが、日曜の栄のカラオケ屋はどこもいっぱいで果たせませんでした。くう、そんなにわたしがタクマの物真似つきでBABYLONを歌うのを阻止したかったですか、カラオケの神様。我ながらひどい出来で友達にしか見せられないんだけどなあ、わたしの歌う「華の都、我、散りけり」。百年の恋も一曲で冷めるよ(自慢か)。
 しかしカラオケに行けないとなると、時間の余り具合がさらに微妙になってきました。食事したばかりなので、お茶もなあ…とか云っていたところ、真夜さんが「名古屋来たんだから、行っておくか、あそこ」と案内してくれることになりました。名古屋に来たというか、もしわたしが殺人事件の被害者になったら、取調べや参考人扱いされるひとの数は、地元よりも確実に愛知県のほうが多いと思われます。それだけ馴染んだ土地ながら、いわゆる観光名所はほとんど行ったことがありません。TV塔も名古屋城も無いよ、東山動物園は、それこそ一日かけて真夜さんと行くつもりだけど。そんなわたしを気の毒に思ったんだなあ、真夜さんさすが地元民と思ったわたしが連れられたのは、単なるバスターミナル。別名、オアシス21(公式サイト)。
 お好きなひとに申し訳ない。だが、「ここ、冬とか来ると最高だよ。あまりにも何もなくて」真夜さんの言葉が、これが一応の儀礼的文句でなく、本当に何も無いところがすごいと思います。わたしが名古屋の恋人で、彼氏にここに連れてこられたら、別れ話だと直感します。真夜さん、もしかしてオトモダチだと思ってたのはわたしだけですか、真夜さん。リリカルな場所の名前がさらに空虚感を後押しします。水が張られただけの人工池が宇宙船です。飛んでみやがれ。一応、下のNHKショップやジャンプショップにも足を運んでみたのですが、空しさを後押しするだけの結果だったような…。いやしすがわたしを笑ってる…。結局、クリエでお茶して過ごしました。わたし、一生分のクリエで過ごす時間を名古屋で使ってるような気がします。
 ようやく来たアポロシアターでは、名古屋ではお久しぶりにるなさん、月見さんたちと再会しました。東京で会えなくなっちゃったので、ご挨拶できてよかったです。わたしと真夜さんのテンションがおかしくて申し訳ありませんでした。たぶん、いやしすが背後霊でついてきてたんだと思います。会場では、後ろのほうにのんびりと陣取りました。とりあえずビール呑んでおいた(笑)。
 そして開演。
 思えば、わたし、R-ist単独のライブはたぶん初参加です。帝國イベントでR-istの演奏を聴いたり、「オレたち?」になってからは式典で見たりはしてるけど。なので雰囲気分かるかなあと思わないでもなかったですが、いきなりミニ式典だったから、問題なかった(笑)。わたし、未だにR-istのなかで一番好きな曲は「オンブラッタ」かもしれないくらいに、このバンド版が好きです。いやあ「かざまつり」では見られなかった五藤中尉のベースが実に素敵。ていうか、このかただけがR-istのなかでは、いかにもなメンなので見てて安心するのがとうのたったバンギャの性(笑)
 ミニ式典自体は、本当にコンパクトにいつもの式典から真ん中を抜き去った感じで(笑)、エッセンスだけなのが惜しいといえば惜しかったですが「ハゲの軍団」でオールOK。敬礼の「はっ」「げっ」って素晴らしいよ。あんなにシンプルなのに押さえてるよ。客の何割が「影の軍団」知ってるんだよ。げらげら笑いました。風間少佐に騙し入れて、パープルこと定光寺中将がイジメ入れられて、あの短い時間に「オレたち?」が詰まってるよ。
 R-istの曲はたぶんわかんないのばっかりだろうなと思っていたのですが、それなりに耳になじみがある曲が多くてよかった。どうこう云っても聴く機会があったのでしょうね。ジャンル的には80?90年代日本のロックでしょうか。世代的にどんぴしゃなので、ジャンル外でもそれなりに楽しめるのは幸いです。
 R-istって、こういう言い方したら失礼かもしれませんが、演奏とか歌とか見にいってるとか、帝國の世界観とか、そういうのじゃないんですよね。すくなくともわたしには。じゃあなに見に行ってるかって?リッターです。楽しそうな、元気一杯のリッターの姿ですよ。わたしにとってのR-istの魅力ってそれに尽きる。昔、帝國の単独ライブとかイベントライブ行ってたときの感覚に似てるかな?わたしは帝國が好きで、リッターが好き。そんなかれらが本当に楽しそうで、それが嬉しくてしょうがない。ええ、単純な臣民馬鹿でございます。賢くて楽しめないより、馬鹿で楽しむ道を選ぶように努めるようになりました。人生は、プライドの奴隷で過ごすにはあまりに短すぎるから。いや、プライドも大事だが(笑)。つーか、理屈じゃないんだもん。リッターの笑顔見てると、本当に嬉しいんだもん。
 しかしリッターそれぞれが可愛らしいのは云うまでもありませんが、あっくんことアックスくんの可愛さってなんでしょうね、あれ。名前を呼んで、と振っておいて、実際に呼ばれたら「なーにー?」ってなみのリアクションじゃありませんよ。咲いた。局地的人気ブレイク中のあっくんに対しての、他リッターのツっこみも楽しかった。個人的には春木大佐の「画鋲いるって?」がツボ中のツボ。ここまでいじられながらも、キャラがいまだよく分からないのもあっくんのよさです。このまま突き進んでいただきたいです。
 それでもやっぱり一番盛り上がってしまうのは、アンコールのカバー曲なのは仕方ないことですが。わたしと真夜さん、「YMCA」で迷いなく振り付けしすぎ。「兄貴と私」で加納中佐が「恥ずかしがらないでね」と振り付け講座をしたとき、となりのひとが「隊員舐めんな」とつぶやきました。うむ、我々がふだんどんなライブに行ってると思っているのか。ボディビルなんて可愛いぜ!(と「自殺の歌」での首かっきりポーズ。くさてるさんなにか勘違いしてます)
 なので、こういうライブ、帝國初心者におすすめするかというとそれはしないんだけど(笑)。そもそも、いまのわたしにはいまの帝國ってなに、14帝國ってどういうもの?と問われたときにこれこれこういうものですと説明できる自信がない。あまりにも流動的で、まだ固まってないと思う。あえていうならば、元帥の残したものを生かしながら、でも、いま残っているリッターがちゃんと創りあげているもの、です。そのなかには式典もR-istも両方があるの。それだけのこと。
 そうだなあ、思うなら、ミニ式典がミニで終わるんじゃなく、R-istの演奏全部ひっくるめて内包してしまうようなものであれば、さらにわたし好みであるのですが、それ式典だしな(笑)。でも、以前の式典で使われた曲を、まったく違った場面で、でも効果的に使うのも以前を見てるひとにはにやりと出来る面白さがありますよね。いやあ、客って貪欲。しかし楽しめました。あっきゅんに思う存分咲いて、真夜さんと新幹線ぎりぎりの時間まで呑みました。
 新幹線のなかでくらい眠ろうかと思ったんだけど、興奮冷めやらずという感じで眠れずに、ぼーっと聴いていたiPodminiから流れてきたのが、デーモン小暮閣下がカバーしたバージョンの、プリンセス・プリンセスの「SEVEN YEARS AFTER」でした。
 いま恋をしてるし幸せだけれど あんなに傷つけあう恋はもうできない
 …泣けたなあ。わたしは、いまの帝國が大好きです。同時に、以前のような狂ったような情熱は感じないことも確かです。しかしそれは良し悪しとか評価の問題ではなく、明らかにわたしの側の問題なのです(主に、歳をとったとかな)。以前の帝國といまの帝國は明らかに違う。立ち位置も、求めるものも、向かう先も。
 それで、いい。それでいいのです。物事が変わることを悔やんだり恨むひともいるけれど、わたしはもう、変わることをこそ、よしとしたい。わたしは過去のわたしでなく、帝國も過去の帝國ではない。でも、わたしは変わらず帝國を愛している。それで十分じゃないですか、それ以上なにも求めるつもりはないですよ。
 わたしはまだまだ、14帝國が好きです。本当にどうもありがとう14帝國。存在してくれてありがとう。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする