デーモン小暮閣下「DEMON’SROCKTOUR」(名古屋ELL)

  さて、大阪でとても楽しんだ閣下のソロツアー、締めは名古屋でございます。もちろん、二日とも参加です。

 慣れ親しんだ大須といえど、ELLのほうは初めてだったかな?入場したら、端のほうではありながら、柵前に陣取れたもので、もうわくわくでした。背が低いので、段差は少しでもあったほうが好ましいのですよ。
 開演前の諸注意というかなんというか、が、あれだけ数字を挙げたのにも関わらず、今回のライブが別にキリ番でもなんでもない中途半端な数字だったという落ちに倒れました。あの微妙な間と、それが発表された瞬間に会場を包んだ笑い。ああ、閣下って愛されてるなあ。

 大阪ではよく分からないところもあった、紗のかかった幕の後ろで歌う閣下の姿を再確認することで始まった一曲め。幕に映る影と、薄布の向こうの閣下の動きの美しさと効果にうっとりしました。

 しかし、続く「BURNING BEAUTY」でその幕がだん、と降りて、閣下の姿が何物にもさえぎられなくなったとたん、鼻血吹くかと思った。ELL柵前万歳。近すぎる。克明すぎる。あんたがBEAUTYだよ!間違いなく萌えじゃない燃えてるよ!(錯乱)いやもう、たまらなかった。そのまま「GIRL’SROCK」からのナンバー「Return to Myself」に続いたのですが、この曲は本当に閣下の声質に合ってるとわたしは思ってます。とくにサビの英語のところが素晴らしい。生だとこれがまたもう格別。

 MCの微妙なグダグダ感(褒め言葉)も、閣下ライブの魅力のひとつですね!いや、聖llとはまた一味違うこの閣下のリラックス感が、実に可愛らしい。メンバーひとりひとりに駄目だしする余裕とか(笑)。このまったり感が実に心地よい。

 ここからは「GIRL’SROCK」からのナンバー「My Revolution」「Raspberry Dream」「翼の折れたエンジェル」が続きました。いや、予想はしてたし、知ってたけど、「Raspberry Dream」の閣下の独唱はすごいですね。歌巧いってこういうことだね。まさに見せつけられる。正直云って、そりゃ懐かしいけれども、楽曲的にはものすごく好みというわけでもない曲たちであっても、本気で見惚れて聞き入った。ごめん、楽曲関係ないかもと書きながらいま思った。いやもうだってもう。閣下がね。たまんなく閣下でね。綺麗とかカッコいいとかはともかくね(自明の理だから)、例えば「My Revolution」の「駆け寄る姿」「手を振る」「キュンとする」それぞれの歌詞にあわせた振り付けに、こっちがキュンどころかズキュウゥゥゥンンンッ。ど、どうしよう、なんでこんなに可愛いのこの10万43歳。ありえないから10万43歳のキューティ。

 閣下が、BLEACH BEAT COLLECTIONに提供した「TATTOOS ON THE SKY」がまたカッコ良かった…。さすがそもそもは聖llのために書いていた曲(笑)。またここで剣を振りかざす閣下が、もうどこのファンタジー小説の登場人物って感じで、クラクラしました。ハマってるー。わたしが閣下にハマってるー(違)。また続くメンバー紹介が「桜の森」をアレンジした楽曲を超絶技巧でかましながらの、素晴らしくカッコいいもので、本当、つくづく、大人のバンド、巧いバンドっていいなあと思いましたよ。巧けりゃいいってもんじゃないかもしれないけど、巧いに越したことはない。とりわけ雷電氏のドラムには、つくづく頭を垂れる思いになりました。ああ、わたし、これがドラムの初体験だもんな。そりゃ色々なもの聴いたらいろいろ云いたくなるわ…(詳細極秘)

 「文明退化の音がする」の楽しい仕掛けも実に閣下らしく、愛らしくもあり。あの「武勇伝武勇伝」のぎこちなさったらないよ!きっとすごくがんばって練習したんだよ!(爆笑)ああいうの取り入れてみるやりかたも閣下らしいですが。なんていうかな、会社のそこそこ偉いさんが「最近は武勇伝武勇伝とかいうのはやってるんだろ」とか云ってOLを苦笑させるのに似た匂いがって閣下は年齢的にもそのものです…(いまものすごい勢いで墓穴を掘った気が)(わたしは閣下を愛してますってば)

 それもそうですが、MCの「いかんことした奴に吹き矢かレーザーを当てて、いかんポイントを増やさせて、そのポイントに応じて、年金を削る」案とか、ホントにあなた居酒屋で世界を語るおっさんか(わたしは閣下を愛略)。しかし、そのいかんポイント、「自分の銀行のATM隣の駅にも設置されていることを知って、試したくなって、つい路駐して違反をとられた」閣下ご自身にもたまりそうですよ(笑)。これ、最大の萌えエピだったかもしれん。閣下、ATMはどこでも一緒です…(笑)。しかし、わたしと同じことを感じた客席のざわめきに対して「どこでも同じだよ、知ってるよ!でも試してみたかったの!」と応じる閣下。どこのこどもだ…(陶然)。

 「ハート8」は、そもそも可愛くって楽しくって大好きな曲なんだけど、なんだろう、ここの閣下って、いわゆるパーティーガール?パリス・ヒルトン?閣下、そこまで芸風広げる?もうもうたまんない。アンコールでの「限界LOVERS」で「♪悪魔の顔」で、自分を指しにやりと笑った姿には倒れた。なんつーか、ナチュラルに倒れた。せくしー。

 いやもう本当に。こんな感じでひとつずつ拾っていったらキリがないですが、本当に楽しくて可愛くて愛らしくて綺麗で無敵だった。真面目に、大須ELLにいつ警察が来るかと思った。風俗紊乱罪とかで。
 その歌の上手さ。ていうか、声の美しさ。トークの楽しさとステージの仕掛けと巧みなバンドの演奏。聖llの残酷なまでの厳しさとまた違う、和やかな許しに満ちた世界。閣下、わたしはこれも大好きです。こんなに無防備に笑うあなたが大好きです。

 そして今回のライブの個人的要だったのは、アンコールでのヒトコマ。今回のツアーの追加公演を告知して、「こんなに楽しい時間はもう二度とない、ああもう終わらないで時が止まればいいのに…、ってお前ら、これまでいままで何回思った?」と笑い、「楽しいことなんて、何回でもあるんだよ」と云い切ったその姿です。たまらなかった。自分のなかで時が止まった。やられた、と思った。まさに撃ち抜かれた。どうしよう。このひとが好き。このひとが大好き。楽しいことがないと生きていけない自分に、当たり前みたいに、楽しいことは何回でもあると云ってくれた。云ってくれた。閣下が、云ってくれた。当たり前のこと、でもそう云って笑って教えてくれるのは閣下だけ。そうだよ、閣下だもの。いつも変わらずに、それこそ、わたしが10代のときから変わらずに、わたしに生きていてもいいんじゃないかって言葉を投げかけてくれているひとだもの。わたし、閣下がいるから生きてられるんだよ。閣下がこうやって、生きる意味を笑って教えてくれるから、思いだせる。閣下は本物。閣下はわたしがわたしであるために存在している唯一の存在。ずっと分かっていたそんな事実を、改めて実感した一夜でした。

 それにしても、つくづく、プロってすごいなと思いました。別にアマを馬鹿にするわけじゃない。アマならてはの魅力、プロならではの魅力をそれぞれ楽しむことは別に矛盾しないと思う。だって客にはブロもアマもないからな(昔は客にもプロがいると思ってた。しかし見巧者はいれどプロはいないだろう。勘違いだった)。でもさ、やっぱり演る側にはプロとアマがいませんか。それは勿論、メジャーだマイナーだっていう売られる場所の問題じゃなくて、こう、精神と見せ方と技術において。思えば閣下は大学出て聖llに就職したようなもんだから、純粋な意味でアマだった時期が皆無なんだな。それもすごい。

 そう、実にプロらしく。アンコール、客がどんなにもりあがってても、客の手に触れることはなく、ただ片手をあげて去っていくバックのバンドマンたちの姿を見て、大人のバンドだと思った。技術と態度と自覚がある、そういう若さとはもう落ち着いてるんだね、余裕だね。大人が普通にバンドマンをやり続けているカッコよさってないよね!

 …とか染み入ってたら、わたしご贔屓の悪魔さんはひとり、ちゅっちゅっと客に投げキスしてました…。いや思えば聖llの頃からやってたな。いつ覚えたんだそんなこと。

 しかし、とにかく閣下です。幸せに溶けながらふらふらと、今夜のお宿である真夜さん宅に向かいました。真夜さんにはいい迷惑だったとは思いますが、反省しません。酒のみながらも、いろんな話をしながらも、脳内にはずっと、今夜の閣下が浮かんでいました。

 世界でいちばん綺麗な閣下。 大好きです。

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