年金問題

「はいどーもこんにちは」
「こんにちはー」
「漫才コンビ、ノコッタヨコッタでーす」
「いやー、最近のニュースゆうたらあれやね。年金問題」
「そうそう。何やらえらい騒ぎになってますな」
「びっくりやんなあ、俺もう気になってしゃあない」
「マジで?俺はなんか正直云うてようわからんわあ。だいたい、払うたことないし」
「…」
「その声をなくした驚愕の表情やめい」
「…」
「メガネ外して汗ふくのもやめい」
「…」
「おしぼりでふくな!」
「せやかておまえ、払うたことないて、それこそマジか?」
「そんなこと云うたかて、サラリーマンちゃうし、自分からわざわざ払いに行くとか正直云ってピンとこんわ。だいたい、自分が年取ったときにもらえるかどうかわからんしやな…。あーあかんよ、こういうのあかんのは分かってる、でもなあ…」
「おいおい、マジであかんて。なに云うてんのおまえ。いま、ノコッタヨコッタ解散の瀬戸際やった」
「うそお」
「理由は価値観の不一致です」
「せやからなんでそこで笑顔で指環見せるジェスチャーやねん!云うてることとやってることがチグハグやがな!」
「動揺のあまりやな」
「ちゅうことは、おまえ払うてんの」
「当たり前やん。俺、そういうことはきっちりしつけられてんねん。だいたい、お前さっき云うてたこと、あれなんや。自分が歳とったときにもらえるかどうか?やらしいわあ。分かってんのか?俺らがいま払うてる年金は、そのまま、若いころから苦労してきてようやくいま年金もらえてるおじいちゃんおばあちゃんの元にいくねん。いまそれしとかんでどうするの?カッコ悪いわあ」
「うわ、ちょっと見直した。カッコええな、ヨコったん」
「まあ、そんな偉そうなこと云うてる俺も、昔は親に払うてもらった時期もあったよ。たしかにあった」
「あ、それはありやん。学生のときとかな」
「そういう時期すぎて、ようやく自分で払う義務を果たせはじめたのが、10歳のときや」
「ちょっと待て」
「せやけどキツかったで。月500円のコヅカイから計算したら、150円やて云われて。その150円が足りないばっかりに月末なったらジャンプ買われへん。気づいたらドラゴンボール終わってたり」
「いや、せやからちょっと待て」
「話途中やのに、極虎一家なくなってたり」
「いつの時代のジャンプ読んでんねん!」
「巨人大鵬たまごやき」
「わけわからんわ!ちゃうちゃう、年金払いだしたんが、10歳てなんや!だいたいお前それどこに払うてんねん!」
「おとん」
「だまされてる」
「なにがいな。ちゃんと年金手帳もあるんやで。ジャポニカ学習帳にマジックで「ねんきんてちょう」。初めてもろうたときは胸が震えた」
「だまされてる」
「今年で20冊目やから、大学ノートに昇格してん」
「絶対、だまされてる」
「せやかておとんもそうやったって。自分は10歳の頃から払いこんでるから、30になったら満期でもう払わんでええ、ゆうて、日本国から来た払い込み用紙はこうビリビリっと」
「悪人やがな!」
「ああ、俺もはよ30なりたい」
「そしたら終わるんやな」
「でも生命保険は35が満期でこれは16から」
「もうええ」
ノコッタヨコッタは、夏のお祭りのために頑張る貴女を応援します。

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