GARGOYLE「刃フルスロットル」感想(岡山ペパーランド)

  そもそも盆前の平日に定時で帰れる社会人がどれだけいるのかが疑問です。いえ、そこは力技で帰るのが大人気ない大人の処世術。というわけで行ってきましたGARGOYLE「刃フルスロットル」。ばたばたしていたのでFCチケットを取り損ねてしまい、一週間前にローソンチケットで取った番号が18番。実際に会場に行くと、FCチケット以外は10人足らずで、総勢は40人ほど?ペパーランドの広さからいえば適正な数かもしれませんが、バンドにとってはどうだろう…(沈黙)。しかしアルバムは先述の感想の通り、素晴らしい出来だったので、ライブが楽しみでなりませんでした。
 イベント以外では、GARGOYLEのワンマンライブは、前回の「龍風」ツアー以来のわたくしだったのですが、しかし「アイコノクラズム」始まりってアリですか(笑)。驚愕した。今回のツアーは新作「刃?YAIBA?」のお披露目ツアーなので、当然のことながら「刃」の曲が中心なのですが、ほとんど初聴きで手探りな感じながら、なんともライブ映えする曲の多さよ。「刃」以外は、ほとんど定番曲だっただけに(「完全な毒を要求する」とか「HUNTING DAYS」とか)、余計にその遜色の無さがはっきりする感じでした。どの曲も本当に楽しい。回数をこなして、もっとこなれてきたら、どんなに良くなるだろう。ガーゴはとにかく曲数が多いだけに(キャリアが長いでな)、年数と共に、良し悪しでなく演る曲が淘汰されていく。ライブ向きとそうでないのとがあったりもするとは思うのだけど、前回の「龍風」と今回の「刃」の曲は、是非に残っていってほしいと思います。もうすごくすごく好きなの(笑)。このライブでいえば「Last Heaven」?「楽園に死す」の流れは本当にキた。そのあと、もう一回「Last Heaven」が始まっても許した(笑)。
 メンバーについて。とりあえず、久々のKIBA姫がね。姫が。姫(陶然)。今回のまばゆい衣装は、すでに和風というか中華風というか、いっそ姫風というか、な金襴緞子なわけですが、くるっと後ろを向いて腰をくいくい揺らす姫ダンスのときに、腰にぶらさげているのを見つけたポシェット(いやもうポシェットとしか表現が…)が忘れられません。芸が細かいというか、姫がかわいいいいい(暴走)。いまの金髪と黒髪のあしゅら男爵っぽい染め分けのヘアスタイルも、すっごく好きです。髪が伸びましたねー。ぜひこのまま長髪に!(いま挑発と変換された。そりゃあ姫は挑発的だけど。きゃ)いや本当にKIBA姫は美しい。ほら、閣下が美しいのは純粋に外見が整って美術品みたいに美しいのだけど、KIBAは野生動物のように美しい。目をわずかに細めてKENTAROのソロを聴きながら、うっすらと微笑む姿、思わず拝みそうになった。もちろん、くるくると変わる表情と仕草と瞬発的なあの動きはいわずもがな。静と動、すべてをひっくるめて美しい。ああ、KIBA姫は美しい。50でも60でも、この瑞々しさは変わらないでしょう。でも、あと美しいといえば、TOSHIくん!わたし、もしかして羽根に弱い?孔雀羽根好き?オトコマエなのは普通に認めてたけど、今回のこの衣装はヒットです。よかった…。ウメ星デンカなKENTAROも素直にイケで可愛く、青いKATSUJIも相変わらずで可愛かったけど!
 メンバーといえば、二年ぶりの岡山ライブということで、いろいろ地元ネタを喋ってくれるんだけど、おそらく地元民が三分の一もいません…(笑)。反応が鈍くて、ちょっと申し訳なかった。それもあって、ライブ中盤までは、楽しいけれど、客の盛り上がりはいまひとつかなとなんとなく思っていたのですが、楽しい「失敗R二乗」(メンバーがそれぞれ振り付けを考えて、客の拍手の数でその日の振り付けを決めるのですが、TOSHIくんのときに、拍手がゼロ(笑)。「もう帰る」と言い捨てたTOSHIくんが可愛かった)あたりから、どんどん空気もあったまってきた感があって、勢いがつきました。「武装せり」嬉しかった!「猛毒少年」「ジェットタイガー」と続いたあとに来た「死ぬこととみつけたり」は、お約束ながらも、もう、大好きだから!わたし、この曲だけで30分続いても、左の鎖骨が疲労骨折する覚悟で「やまとだましい!」ってやるから!本当に、自分にとって素晴らしくツボなこの曲が、バンド側にとってもツボなキメ曲で嬉しくてしょうがないよ…。そして、そのまま本編ラストの「花蝶風月」に突入したのですが、こんなにライブ映えする曲だったとは、驚きでした。気持ちよかったー。
 そして、アンコールの「光の風」。いや、これこそアンコールにふさわしい。ちょっと、かなり、キた。「僕らは想いを伝えるためのものを これしか持たない/だから言葉よ溶けないで」に震えた。これはとても素直に自然にたどりついた感覚だと思う。こういうことをためらわずに唄えるKIBAが、やっぱりすごい。何の衒いも虚勢もなく、未だにここに立てるかれらが大好き。大好き。GARGOYLEが大好き。その気持ちのまま、続く「CRAZY SADISM」で、気持ちよく頭を振りました。岡山の客に対抗心を燃やされた(笑)TOSHIくんが、ボーカルをとって「どうや!」といわんばかりに煽りまくるのも楽しく、ベースを弾きつつ、そんなTOSHIくんをにこにこ見ている姫も実に愛らしかったです。二回目のアンコール、「僕らは、まあおバカじゃないですか?」といいつつ、自らのやっていることをまっすぐに見せつける「神風ギャング団」、ここまで来たらやらなきゃ嘘でしょの「HALLELUYAH 」がよかったのはいうまでもありませんが、楽しかったのはその後。三回目のアンコールを求めての「もう一回!」が響くなか、客の悲鳴とともに、KIBAが現れたのは、ライブハウスの入り口(笑)。レスラーの入場よろしく、客のなかを歩いてステージに戻り、他のメンバーをコールしたところ、TOSHIくんは、ビニール傘を振り回しながらの入場。悪役だ!(笑)続く、KENTAROは、お約束でパイプ椅子をかざしてましたが、すっごく笑顔で、「そんなにこにこして入ってくるレスラーはおらん」とKIBAにツっこまれてました(笑)。そして始まったのは「Genom」。いや、血が沸騰しました。だいすきー!
 とても楽しいライブで、2時間が本当にあっというまでした。「刃」というアルバム自体が、すごく気に入ってるせいもありますが、退屈な瞬間が無くて、生理的に気持ちいい時間なのです。なんというかな、GARGOYLEというバンドは、すごくわたしの肌に合ってる感じがする。大好きとか愛してるはもちろんなんだけど、それ以上に、こう、馴染んでる感じ、自然にそばにいられる感じがする。大事なバンドです。本当に、こういうバンドは稀だと思う。かれらの存在自体も、稀ですが、自分にとってそう感じられるという意味で、貴重なバンドです。これからもずっと見ていきます。大好きだよ、GARGOYLE。

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