犬神サーカス団「たからもの」



 犬神サーカス団の5ヶ月連続シングルリリース企画「犬神サマー・オブ・ラブ2007」の、第三弾シングルです。第一弾「光と影のトッカータ」、第二弾「地獄に落ちた子供たち」も、十分に楽しんできましたが、今回は、ひときわ素晴らしい出来です。収録曲は以下の通り。
たからもの」:他人が見たらゴミだけど、あたいに言わせりゃ宝物、をかき集めて誇る女性のナンバー。狂躁的な歌詞にふさわしいアップテンポな曲がたまりません。なにこのテケテケテケ。使われている言葉は少ないながらも情景が見事に浮かぶのがさすがです。シニカルだけど、実に楽しい一曲。これ、やっぱりライブではモンキーダンスすればいいのかな(笑)。
裸のマリー」:久々に刺さる一曲。凶子さんが歌詞を書くと、実に、こう…(沈黙)。暗くはないし、攻撃的でもないけれど、可憐で美しく、せつない。FC会報で凶子さんが書いていた「女ってだけでバカにされるんだから、それを利用してバカのままでいればいいやって思って(笑)。誰もが羨むような幸せなんか来ないんだし、だったらバカでいいや。頭の賢いふりしてサムいやつより、バカのがいいや」という一文がすべてを表現していると思います。きょんきょんもまた、「王子様は来ないことを知っていながら、それでも迎えの馬車が来ることを待ち続けるシンデレラ」なのだな、と思うのは、わたしの勘違いかもしれないんだけど。そして、そんな歌詞にぴったりくるGSサウンドが、また素晴らしい。明兄さんってやっぱり(略)。
気ままな旅を」:ジンさんが歌ってます。以前、ジン兄のお誕生日記念ライブで売り出されたデモCD-Rが、収録されるとは(笑)。これもまた、犬神のルーツである60?70年代のテイストに満ちて楽しいです。Tune In、Turn On、Drop Out。
竹田の子守歌」:フォークグループ「赤い鳥」が歌ったもののカバーソング。犬神らしい語りが添えられています。もとは京都府民謡らしいですが、犬神らしいハードなアレンジと、凶子さんの可憐な歌声が重なって、かれらの楽曲になっています。美しい。
 これが第三弾だから、あと二枚も聞ける。さらにワンマンライブも大阪と名古屋に参加予定です。とても嬉しいです。犬神のことを知れば知るほど、自分のツボに重なる部分と、明らかに違うところがハッキリしてて、すごく面白い。わたしは基本的に盲信タイプなので、こういうバンドとの距離感が新鮮だったりします。これからもたくさん楽しんでいきたいバンドです。

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