The R-ist 5周年スペシャル~行くぞ!5年目のTheR-istへ!?」(名古屋アポロシアター)

 11月11日は、ポッキープリッツの日。

 いやいや、「The R-ist 5周年スペシャル~行くぞ!5年目のTheR-istへ!?」(名古屋アポロシアター)の日であります。もっとも(とりつくろってもバレバレなので正直に申しますが)、帝國自体はともかく、TheR-istついては、最初から熱心に見ていた人間ではまったくないので、5周年という言葉にそれほど思い入れがありませんでした。もう5年?まだ5年というべきかなあと思ったくらいかな?

 でもいまのわたしは、かなりR-istがお気に入りで、ライブが楽しいのです。なので、今日もいそいそと名古屋入りでした。まあ、分かりやすく云えば、あっくんに咲きたいわけだ(分かりやすすぎます)。同じく、五藤中尉に冷たい目線を送られたい真夜さんが、今日も一緒に参加です。さまざまな紆余曲折ありながらも、結局この二人が残って申し訳ないなあ14帝國、と勝手にずっと思っていたのですが、この二人が大喜びするような面子を入れる帝國のほうが、大正解ですが間違ってるのでしょうがないのです。いやもう、これは前世になにかあったとしか
 
 栄で真夜さんと合流してからは、とりあえずお約束のお気に入りのおようふく屋さんに(可愛く云ってみました)。秋冬モノはとくに地雷というかなんというか。デニムとかコーデュロイとかベロアとか刺繍とか重ね着とかコートとか。虫に食われればいい。あまりにも欲しいものが多すぎて、一着も買えませんでした。火をつけたい。去年の夏から今年の春にかけて、牡丹の刺繍でわたしを苛んだデザイナーがそれでも足りぬと大輪の牡丹を。枯れればいいのに。バーゲンだけに名古屋に来てしまいそうです。いや、大阪店で満足しておけ、わたし(そしていまこれを書いて、なんだ両方の店に行けばいいんだと素で思った。わたしの頭が虫に食われろ)。

 それから開演までは、元(涙)ロボットミュージアムのカフェでお茶などを。自分が好きになったものはみな廃れていったりマイナーなままで生きていくと哀しい眼をして語る真夜さんです。いまもっとも危険なのは、ガンダムooらしいですよ!ちなみにそんな彼女の本命バンドはグルグルえい(略)。もっとも、わたしが好きになるものは、メジャーから見ればマイナー、マイナーから見たらメジャー、そんな中途半端なカリスマで続いていくことが多いのですが。ちなみに本命アーティストはデーモンこぐ(略)。

 そしてこんな二人がそろってハマったもの(感性は似ていても視点がズレているので、そろうことは実は珍しいのですが)がたどる運命はといえば、恐ろしくて云えない

 で、でもいま、二人で一番熱いのは、能條純一先生の「哭きの竜外伝」及び「アレルヤ」、さらに相原コージ先生と竹熊健太郎先生の「サルでも描けるマンガ教室2.0」(公式ブログ←これへのリンクを貼ったことで、わたしは何人のユメイカ。読者を失ったのでしょうか)ですから!要するに、訳の分からない熱っぽさが好きなんですよ、きっと!(美しくまとめてみました)

 アポロシアターに移動してからは、まったりと開演待ち。二人とも、とても素直に、わくわくしてました。だって楽しみなんだもん!そんな期待に応えるかのごとく、開演前の影アナは、アックスくんが担当です。とっても緊張してるのがよく分かる声音に、わたしのなかの萌えアンテナが敏感に反応です。

 さらに続く「Numb」。いつもいつもいつも。この曲を、この場で何十回聴いただろう。それでもいつも、心がわななく。なにが起こるかの緊張と期待がアドレナリンの噴出を頂点にまで高める。泣きそうになる。震えそうになる。そして、ぎりぎりまで引き絞られた弓が放たれるのにも似て、なだれこむように始まるオンブラッタを迎えると、頭はまさに真っ白になる。たぶん、わたしはこの流れと空間にアディクトしてるんだろうなあ。このバンドバージョンになってから、ますますそれを強く感じます。赤い光のなか浮かび上がる、将官の旗振りが本当にカッコ良くて。空間に響く、五藤中尉のソロが、たまらなく、疼かせて。本当に、大好きです。

 続く式典部分。これまでの調査隊がみな行方不明になってしまったので、第2公国の遺跡に眠る財宝を調査してほしい、という依頼が国王から来たと報告する風間少佐。軍人の仕事ではないと一蹴する定光寺中将に対し、納得いかずに抗う風間中佐の様子を見て、兵を動かさないのならばいいだろうとの立花大将の仲裁が入る。風間少佐は個人で財宝の調査を行うことになるが、財宝に興味がある草薙大佐が協力することになる。地図はあるものの、遺跡は迷路のように入り組んでいる。入り口からずっとロープを垂らしてきているので大丈夫だと豪語する風間少佐。しかしそんな彼らを追いかけて来たのは、そのロープをずっとたぐって手元にまとめてきたアックスだった。さらに、帝都では、かつて第二公国で戦った経験のある春木大佐により、遺跡には財宝などなく、地図はかつて春木大佐が作った不完全なものであり、遺跡のなかは、全軍で一方向に向けて壁を打ち抜き、道を作ることでやっと脱出路が出来るほどの入り組みようであること、しかもその脱出路は春木大佐がきちんと埋めてきたという衝撃の事実(笑)が、ともに明かされる。

 遺跡のなかをさ迷ううちに、アックスや草薙大佐ともはぐれてしまった風間少佐だったが、迷う内に、偶然、財宝らしきものを発見する。思わず、持ち逃げする誘惑にかられるが、そこに風間少佐のよこしまな心を正すために、「宗教法人 影の軍団」が現れた。相変わらず、無茶な理屈と行動を展開して、最終的には風間少佐の財宝を横取りしてしまう。財宝も無くし、道に迷って窮地に追い込まれた風間少佐に差し伸べられた救いの手の持ち主は、風間親衛隊だった。風間少佐のためならば、と、脱出口まで準備したかれらに向かい、風間少佐は礼を述べ、唄い始める…。ここから、ライブ部分という流れに。

 そもそもR-istライブの式典部分というのは、コンパクトかつ導入部という意味合いを持つものであると思うのですが、いや、それでもかなり満足でしたよ。前半のシリアスな空気のなかでの、風間少佐と定光寺中将のやりとりは、二人の関係性が垣間見えて素敵でしたし(この二人が気が合わない設定はとってもらしくて大好き)、ずっと保っていたシリアスな空気を表情変えない横顔ひとつでぶち壊したアックスくんは逸材のひとことです。あの独特の立ち位置、マネできるひとがいない。わたしは、あの、シリアスとコメディの空気が混ざり合う、客も笑っていいのかどうか戸惑うような微妙な空間が大好きです。
 
 コメディ場面では、よりいっそう磨きがかかった影の軍団も素晴らしかった。あの色分けとポーズと展開と、本当に云うことないのです。ここの大将は本当に様々な意味で輝いてるよ…。「仏陀の涙」ってなにそのセンス…(笑)。が、惜しむらくはクールビューティ五藤中尉までもがハゲヅラをかぶるなか、草薙大佐にヅラがなかったこと。ぬう、世の中には「竜を画いて睛を点ず」という言葉があってだな(ここ、王大人コスで)。

 そしてそんな風間少佐にぴったりの持ち歌「CrazyForMe」で幕を開けたライブ部分についても、色々と。さすがにライブ部分は、曲順も曲名も覚えていられないのですが(今回のライブで痛感した。R-istはライブ後にセットリスト出してほしい。正確な曲名が知りたいのと、わたしがパンクに詳しくないので、カヴァーとオリジナルの区別がつきにくいから)、それでもあれこれ語っていきたいです。曲名が不正確なのはお許しを。
 しかし「CrazyForMe」は実に可愛い…、風間少佐はキュートですね!そりゃ昔から可愛かったり、キレイだったりしたけど、ここ最近の年輪が加わった笑顔は、実に良いです。あの感じ。眼を細めて笑い、八重歯が見え隠れする、あの感じ。いいなあ、とつくづく眺めてしまいました。ていうか、なんだろう、この歌詞の風間少佐っぽさ。ForYouじゃなくて、Me。うん、風間少佐(笑)。真夜さんの言葉を借りるなら「キャラソンか」わしもそう思う。

 アップテンポな曲がその後もいろいろ続いたんですが、「春木大佐の一番高い日」からの「ひとつになれ」な曲(正式曲名不詳)を聴いて、わたしのなかでちょっとした非常事態が。信じられない。いや、失礼な云いかたであることは百も承知で、重ねて云うけど、あり得ません。わたし、R-istで泣きました。実に元気よく、燃焼率100%な感じで唄う中将の表情を見て、歌詞を聞いてるうちに、あ、五周年なんだよなと感じ入り、この5年が帝國にとってどういう5年であったかと思い当たったとたん、眼の前が潤み始めて、止まらなくなった。

 参ったなあ、本当に参った。わたしは、冒頭に述べたように、R-istの熱心な客ではまったくなかったし、それなりに熱を入れてかれらを楽しむようになったのは「オレたち?」が始まって以来だといってもいいと思う。だって、わたしはずっと精神世界にしばられた哀れな臣民で、そういう意味では国体維持の最右翼臣民みたいなものでしたもの。そんな人間が、軍服を改造した姿で歌うR-istをそのまま受けいれられるわけないじゃないですか。しかし、時は流れ。容赦なく流れ。かれらも変わり、わたしも変わった。なのに、かれらはここで帝國やってるんだ。R-istは帝國じゃないという意見もあるだろうことも百も承知で、こういうかたちで、自分たちが続けられるかたちで、帝國を存続させたわけです。たまらなかった。帝國という存在のちからを信じ続けたのは、いま目の前にいるリッターたちなんだ、間違いなく、と思ったら、ねえ。もうかなわないよ。完敗だよ。様々な意見があるのは分かるけれど、わたしは間違いなく、式典場面だけでなく、このライブ部分のかれらも楽しんでいるし、帝國だと思ってるよ。これ、帝國だよ。泣けたなあ、本当に泣けた。五年前だったら、絶対に、口が裂けても思わなかったこと、五年前には、浮かびもしなかったことをいまから云う。本気で云う。

 R-istを始めてくれてありがとう。続けてくれてありがとう。5周年本当におめでとう。

 …そういう感じで、ここであまりにテンションが上がりすぎたおかげで、続く春木大佐の歌うバラードとかは、のんびり眺めてしまいましたね。しかし、立花大将のフリートークは楽しかった。変な気負いがないのがいい。おかしなぶっちゃけ話で、本当のオレを分かって、とかいう感じがしないのがいい。だっていま目の前にいるあなたがいちばんキュートだもの。そういう意味もこめて、大将の「星を数えて」は本当にキュートなナンバーだと思います。大好き。

 そういや途中で、ドラマーが交代したりもしたのですが、いやもう。このリュウさんのドラムが実にカッコよくて、音にキレがあって、リズムがタイトで素晴らしかったです。アックスくんもすごく巧くなったなあと思ってたのですが、やっぱり年の功?リュウさんの音は、安心して身をゆだねることのできる音です。それで「マジンガーZ」とかアニメソングを聴けて素直に嬉しかった。バンドとしては、あとは五藤さんかしら。あのベース遣いと目配りと、アオりが実に素晴らしい。まあ、ほぼ常にアックスくんを見るのに忙しく、さらに一番お気に入りのアックスくんはといえば「ゼロハンライダー」でミスをしているところで、眉間にどんどんシワが寄っていたのが大変に愛らしかったところ、とか平気で云っちゃうわたしに、バンドとしてとか語る資格はないな。ただ、「陽の当たる空の下で」は、とっても良い曲です。R-istのやりたいことがよく伝わってくるような、素敵な曲です。あと、ただ単に素敵な曲で終わらないといえば、「残業」でしょうか。「明日の準備をしていると/昨日の書類が返ってくる」って、あなたどれだけわたしの仕事に詳しいんだ(妄想)。なにこの生活パンク。「ダイエット」とかの流れをくんでますね、こっちも生かしてほしい(笑)。

 アンコールの「あの素晴らしい愛をもう一度」とか「YMCA」とか「GETTHEGLORY」とかが楽しいのは、さらに云うまでもないのです。大喜びで踊っちゃった(笑)。わたしにとってのR-istの魅力というのは、楽しそうなリッターたちを見ること、というのが一番ではあるのですが、ううん、テクとか問題外で、客と舞台がはじけるこの空間創りは、巧みになっていると思いますよ。

 わたしは、バンド好きであるけれど、帝國というかR-istというのは、バンドとして楽しむというのは違ってるとずっと思ってきました。さらに、どんなにこっちが思い入れても、どれだけのお金をつぎこもうと、メンバーと会話を交わしたとしても、あらゆるステージに立つ表現者と観客席でそれを見つめる客との間には、埋めようのない(あるいは埋める必要も無い)空間認識の違いとそれに伴う価値観のズレがあるのだと信じていました。いえ、後者はいまでも信じています。それはもう、どんなバンドであっても、メンバーがステージに上がり、客に向き直ってしまえば、それだけで互いが認識する「左と右」が、ぐるりと入れ代わってしまうように、自然なことだと思います。

 でも、今日、R-istのライブを見てて、その距離感が消えるわけでなくても、同じ空気の揺れを共感しているような、そんな嬉しい気持ちになれました。もちろん、カンチガイかもしれないし、単なるわたしの思い込みであるかもしれないけれど、音源じゃなく、単なる接触じゃなく、ただ、同じ空間を共有することで伝わる熱気、バンドのライブで、奇跡のように訪れることのある、あの空気を吸うことが出来ました。嬉しかった…。

 ライブが終わってからは、真夜さんと慌しくカンパイし、「楽しかったねー」と云い合いました。なんて素敵なことでしょう。涙もなく、感傷も(ほとんど)なく、ただ、普通に萌えたり、笑ったり、思い出してときめいたりできること。好きなものは好きだと云えるこの心地よさを、わたしはもう、手離す気はありません。わたしは、R-istと帝國が大好きです。

 残念ながら、今後の予定はまだ明らかになっていませんが、出来れば、いまのようなテンポで、かれらなりの足取りで進めていく活動を見守っていきたいと思うのです。わたしの本命は、デーモン小暮閣下と、オレたち14帝國です、と笑って云える自分を大事にしながら、これからも楽しみたい。

 TheR-ist、5周年おめでとうございます。どうぞこれからもよろしくお願いします。ここに、わたしの目の届くところに、存在してくれて、ありがとう。大好きです。

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