デーモン小暮閣下「熱くなれ」感想



 というわけで、カバー・アルバム・シリーズ第3弾「GIRLS’ ROCK “Tiara”」を発売を前にして、閣下8年ぶりのシングルの発売です。もちろん、通常盤と限定版の両方を購入です。わたし、閣下にならほどほどの搾取をされてもいいの(ほどほどと断ってしまうあたりが小市民)。
 さて内容。表題作の「熱くなれ」は、大黒摩季のヒット曲ですが、サビくらいしか覚えてなかったわたしでも楽しめるカッコいいアレンジになってます。アンダースの手腕に慣れも手落ちもまったくなし。恋に落ちた女子のみがもつ疾走感と熱さを十二分に表現すると同時に、立派に閣下の作品として成り立ってる。わたしがやっぱり閣下はロックな悪魔だと思い込んでいるせいもありますが、アルバムに期待を持たせるためのシングルとして、文句無しです。正直、これまでのカヴァーアルバムのなかではこの「Tiara」がいちばん楽しみですから!
 そして通常版に収録の「ONE WAY TICKET TO HELL」は、アンダースの作詞・作曲を、閣下が一部訳詞したオリジナル楽曲なのですが、これまたカッコよい。さすがアンダース、閣下になにを歌わせたらいいのかよくご存知で、とにこにこしてしまうような出来です。わたしが(勝手に)捜し求めていた、閣下というカット済みのダイヤモンドをさらに磨いてくれるプロデューサーは、もしかしてアンダースだったのかしら。もうわたし、アンダースプロデュースでオリジナルアルバムでもいい。ある意味、すごく狭い世界に入ることになるのかもしれないけれど、閣下はただでさえマルチにいろいろされるかたなんだから、いいじゃないか、歌の一部が、そういう狭いところに入っても。正直、わたしは、聖ll以外の閣下の歌に関しては、アンダースのプロデュースがいちばんしっくりきます。閣下はいちど出来た人脈を大事にされるかたなので、これからもこのご縁が続くのだといいな。
 さらに両方に収録の「The Phantom of the Kabuki / 美学と品格」ですが、これぞ閣下の真骨頂。だれか止めてあげないと。いえその。しかしその閣下ぶりがまた安心できるというか、微笑ましいというかな感じの作品です。雅かつ熱い歌詞に、ストレートにカッコいいロックなんですけど、なんでこんなに半笑いになっちゃうんだろう(わたしが悪いな)。それにしても、閣下、としかいいようがない。きらきらとちりばめられた閣下のかけらがまたたいて結晶となってそこにある。わたしまたわけの分からないこといってますか。
 しかしお願いだから、これ、アンコールとかで歌わないで下さいね。閣下。だってわたし、失礼極まりないながらも、ちょっと笑って、それからぴょんぴょん飛び跳ねたりして、そしてかならず、落涙せずにはいられないから。泣くから。きっとわんわん泣く。「楽しい話ならいつでもしよう 陽が沈み闇をこえ 今も揺るぎはない」という歌詞から伝わる覚悟とセンチメンタリズムに、このわたしが抵抗できるわけがない。閣下大好き
 また、わたしはこれについても言わずにはいられない。今回のジャケット。公式を見て頂ければお分かりのように、クールかつスタイリッシュに決めたシンプルなものですが、わたし的には、閣下の金髪とんがり頭の再来に小躍り。この写真だけだと、よりスマートに見える通常版のほうがいいかなと思っていたのですが、いざ現物を並べてみると、これがあなた。実物は、三つ折になっていて、表が閣下の立ち姿全身、裏が歌詞となっているのです。そしたらなんとまあ、限定版の閣下の立ち姿が、カッコいいいいい。なにこれなにこれなにこれ。いや、それは、閣下はカッコいいですよ?美しいですよ?オトコマエですよ?しかし、この立ち姿、腰の重心の置き方、かすかに曲げた膝によって強調されるふともものライン、指の角度(日本ロック界に人材は数あれど、こういう指差しさせたら閣下の右に出る者はおるまい。ふははは)、なによりも、床まで垂れて広がるマントが。なんと、蜘蛛の巣。スパイダー。スパイダーネット。あなたに抱かれてわたしは蝶になる。いやなんか間違えた。もう、この小道具から漂う色香に、くらくらですよ。まさか己にこのような嗜好があろうとは。ああ閣下。たまんない。わたしはなにか悪い病気にかかったようです。この特効薬といえば。
 一刻も早く、ツアー日程を発表してください。おねがい。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする