「狂ひ咲き?二十周年記念ベスト盤発売ツアー?」人間椅子(岡山Desperado)

 ジャンル的にキライなわけが無いバンドです。20周年を迎えました、人間椅子(公式サイト)。今までに見る機会がなかったのが不思議なくらいなのですが、不思議とご縁がありませんでした。しかし、20周年記念のベスト盤(「人間椅子傑作選 二十周年記念ベスト盤」
)がとても素晴らしいうえに地元でのライブということで、喜びいさんでの参加となりました。
 ぎりぎりでチケットを入手したため、終わり近くに入場したわたしが余裕で素敵スポットをゲットできるあまりのまったり空間に、なんだかこの家の子になりたくなりました。お客さんが落ち着いている(笑)。ハコの雰囲気も落ち着いていて、清潔で綺麗でした。バーカウンターにお握りが並べられてるんだよ。また、スタッフさんが実にジェントルでレディでした。ぶっちゃけ、客の数からいえば、ペパーランドで余裕だったと思うけど、場所としては断然こっちが好きだなあ。
 そして、肝心のライブの感想は、「楽しかった!」に尽きます!ベスト盤収録曲を中心にしてくれたセットリストのおかげで、曲が分からなくてつまらないということもなかったし、馴染みのない曲でも、あのベースとあのドラムとあのギターを聴いていれば…本当、巧いっていいね…(溜め息)。音が重くて迫力あって、こんなカッコいい3ピースのバンドをワンマンで見るなんて、ブランキージェットシティ以来だよ!(イカ天つながりということでよろしくひとつ)。本当に、音が気持ちいい。楽曲が良いということも勿論ですが、それ以上に巧みな演奏のリズムに身体が乗せられていることが快感なのです。ああ巧く云えない。たとえば、思いっきりよくヘドバン出来ると、なにか吹っ飛んだみたいな快感がありますが、それとは似て非なる、もっとセクシャルなものに繋がる全身に響くような良さ。とても個人的な感じかたですし、人間椅子ならではの味なのかどうかはよく分かりませんが、わたしはとても気持ちよかった。
 それがさらに元々大好きな曲ではひときわ強く感じられます。なので、わりと最初のほうに「りんごの泪」を持ってこられて、わたしは大喜び(「青森発東京行き津軽ー」の元ネタはここです、Rさま)。とか思ってたら「陰獣」ですよ、「夜叉ヶ池」ですよ。ダンナ!わたしの好きな椅子はここらへんなのだな…。しかし、そういう代表曲でなくても、個人的に大好きな「死神の饗宴」も演奏されて、これまた大喜び。常に死を抱えて生きることを体現した素晴らしい曲だと思ってます。これで「暗い日曜日」も聴けたらいうことなかったのだが…(わたしはこの曲のあまりにもどうしようもない行き止まり感をいっそ美しいと思います)。
 あと、メンバーのまったりMCも楽しかったな…。ていうか、和嶋氏はあんなにいい年なのに、どうしてあんなに愛らしいのだろう…。それに加えて鈴木氏は、あんな外見なのに、どうしてあんなにラブ(略)。メンバー間が仲良いバンドは、本当に見てて和みますね。磐石って素晴らしい。
 わたしは、基本、音源から入るオタクっ子なので、音源すべてを聴いてるわけでもないバンドのワンマンに一人で出かけるのって、楽しめなかったらどうしようと思わないでもなかったのですが、全くの杞憂でした。これからも機会があれば、出かけようと思います。ありがとう、人間椅子。

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