メトロノーム ONE MAN TOUR-2009- 「Please Push Pause」(岡山IMAGE)

 今月末での解散決まったメトロノームのライブです。地元ながらも、色々と考えてぎりぎりまで行くのを迷ってるうちに、チケットを購入するタイミングを逃していました。それを、思わぬご厚意で見ることが出来ました。ありがとう、かのるん。
 わたしが初めてメトロノームを見たのは、なんと「宇宙と恐竜」が出たイベントです。七年前。うきょが復活したその年に、同時に出会った彼らとお別れする。まったくもってただの偶然にすぎないんだけど、うきょを見るときにはふと思い出すような、そんな気がしました。初めて見たときの印象は「素敵なピコ音」。それだけだったら、そのままだったかもしれないけれど、そのときに聴いた「ハーメルン」がすごく心に響いて、お気に入りのバンドとなりました。それからもずっと、音源を押さえていて、ライブにも機会があれば参加していました。ものすごく入れ込んでいたわけではないわたしが、感傷的になる資格はないのでしょう。ほぼ間違いなく、かれらを見る最後の機会となっても、たいした実感はありませんでした。そのぶん、変に構えずにすんだのかも。以下、親切なスガ○ヤ天使から頂いたセットリストです(一応、保護色にします)。
1.プラネット
2.朧
3.一週間
4.セルフコントロール
5.ス・ペ・ェ・ス!ロマンチック
6.スターマン
7.生きてるゴッコ
8.不シワ合わせ
9.薔薇と紅蓮
10.魔法
11.僕の右脳猿の左脳
12.アリガト
13.デスチョコレイツ
14.東京バビロン
15.パパパラノイア
16.三つ数えろ
17.コンピュータ
アンコール1
18.世界はみんな僕の敵
19.めんどくさい
20.絶望さん
アンコール2
21.不機嫌なアンドロイド
22.φD-SANSKRIT
アンコール3
23.ボク偉人伝

 ぎりぎりまで、実感がないなーとSOLDOUTできゅうきゅうのハコのなか、ぼんやりと立ち尽くして、ライブが始まるのを待っていたのですが、そこで始まった一曲目が、よりにもよって「プラネット」で、一気に沸き立ってくるるものがありました。出逢わない僕たちの終わらない物語。さらに「スターマン」後の新曲が、びっくりするほど良くて、ちゃんと最後まで音源買わないと駄目じゃん、という気になったのもつかの間、続いた「薔薇と紅蓮」にけっこう追い込まれました。メトの歌詞の、ネガティヴであるけれどそれに淫しないバランスが好きだったので、ここまで正面きった歌詞は正直、苦手であったのですが、それと面と向かったシャラクの声が、すごく響いた。たまらないなあ、と自分のなかにもたしかにあった暗黒な時期を思い出さずにはいられない気持ちになったところで、続いた「魔法」が、もう、良くって。同じくらいにネガティブではあるんだけど、同時に突き抜けた先には透明な明るさもあるのだと思わせるようなこの曲で、初めて胸ににじむものを感じました。たまらなかった。
 わたしはとても恵まれた人間で、大好きなバンドに、大好きでたまらない時期に解散された経験は、ほとんど皆無といっていいと思います(マスケラがかなり近いけど…あと、今年の6月で解散が決まったBABYLONも入れていいですか…)。メトロノームも、ずっと見ていたコアなファンにとっては、色々と予感があったり、あるいは波乱があったのかもしれない。でも、わたしは最後に見るかれらがこんなに力に溢れていて、透明な美しさに溢れていたのを、単純にすごく嬉しく思います。来て良かったと思います。シャラクもフクスケも、おしゃべり楽しかったしね!最後まで、楽しませてもらいました。ありがとうメトロノーム。

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