「オレたち14帝國 vol.6~風間少佐のファイナルアンサー~」(池袋LIVE INN ROSA)」

 翌日、微妙すぎる二日酔いのなかで目を覚ましました。12時チェックアウトのホテルじゃないともう泊まれない体になってしまいました。反省としては、これからは1.5リットルの水も、ひとり一本確保。またひとつかしこくなったね!(もっと違うことを反省しなさい)。

 時間にはまだまだ余裕があったため、真夜さんの希望で、池袋サンシャイン水族館に行くことにありました。わたしも水族館は大好きなので、喜んで参加です。そしてサンシャインでなにやらものすごく見慣れた感じの人々の群れ(群れてるのに整然と整列している)を見かけました。スタッフさんに、「こちらですー」と声をかけられなかったのが不思議だねと横目で見ながら通り過ぎましたが、あとで調べたら「忍たまオールジャンルイベント」でした。池袋といえばいわゆる乙女ロードも見かけましたが、わたしのジャンルは乙女道には無いから近寄ることはありませんでした…(自嘲)。

 水族館に着くと、入り口に「崖の上のポニョ」をフューチャーした撮影コーナーがありました。DVDが出たばかりということもあって、コラボしているようです。さすがにそこで撮影するような歳ではありませんので、へーと眺めて通り過ぎましたが、まさかポニョが今日のすべてを決めるとは(詳細後談)。

 マイワシが旨そうだとか東京湾の魚は江戸前いっちょうという感じだとかそんな感想を抱きつつも、美しさに感心したのは、クラゲたち。バッカルコーンが見られなかったのは残念ながら、クリオネの群れも大変に愛らしかったです。わたしはどうも魚一匹一匹よりは、小さな魚の群れのほうが好きみたい。いえ、ピラルクさまはさすがの風格でありましたが。

 あと、微動だにしないボアコンストリクターさまの威厳にくらくらして気が遠くなったり(にょろにょろさまは苦手なのです。なのに見ちゃう…)、坂道を滑り落ちるカメに微笑んだりしていると、ポニョの水槽に着きました。なんと、沖縄の海を再現したこの水槽にポニョがやってくるというのです!こういうイベントものがわりと好きなわたしはお子さまたちと共ににこにこしながら、ポニョ登場を待つことにしました。「うん、ポニョが泳ぐんだよ。わたし、ニュースで見たからさ…」と言葉を濁した真夜さまがどこかに消えてしまったことと、案内役のお姉さんの「ポニョはなるべく正面からごらんください」の一言が若干気にかかりましたが、ポニョが来るとあっては、うきうきせずにいられません。周りの親子連れも「ほら、もうすぐポニョだよー」とわくわくしているご様子。グランマンマーレの「ポニョ!」という呼びかけに答えて、現れたポニョは。

 張りぼて。

 ぽちゃんという音がしなかったのが不思議だったはりぼてが、二本の糸に引っ張られて、ついーついーと水槽のなかを浮遊しています。逃げ惑うほかの小魚。ついーついー。これはひどい。一瞬の間のあと、げらげらげらと笑い出すオトナと、息を呑むコドモとの対比が素晴らしい瞬間でした。「パパ、あのポニョ、紐がついてるよ」という戸惑いがちなお嬢様の声に「○○ちゃん、なに言ってるの!パパにはそんなもの見えませんよ!」と本気で答えているお父様がいらっしゃいました。ナイス。いやあ、いいものを見た。そもそも、ポニョは造形的にけっして可愛いものではない…。まったくなめらかさがないままの張りぼてがついーついーと泳ぐその姿に、わたくしも本気で馬鹿笑いです。なんかこう、久しぶりにいい騙されかたをしたな。昭和の騙しだな。

 二回見ました。あと一回見てもよかったかも。

 そのあとも、愛らしさが天下一品のフェネックくんや、ぼてっと寝転ぶペンギンとかを見たのですが、とにかくポニョ一色。サンシャイン水族館にはポニョしかいなかったのかという感じです。
 
 水族館のあとは、ご飯を食べたり、ファミレスで休憩したり、ゲーセンでアイルーにくらくらしたり、ROSAの場所を確認したりで過ごしました。わたし、たぶん、これまでに5?6回くらいはROSAに来てると思うのですが、それでも心配です。歳をとっていいことのひとつは「分からない」「知らない」「出来ない」をためらわずにいえることが出来、なおかつ、そのための行動を惜しまないようになることだと思います。一言で言えば、自分を知る。昨日、今日と行動を共にした真夜さんからは「どうしてくさてるんはお店から出たら目的地の方向と関係なく左に向かおうとするんだろう」と言われました。わたしも分からない。体内磁石とかがあるならそれ、不良品。しかし、こんなにも道を確認しておくのは、帰りの新幹線が、かなりぎりぎりだから。正直言って、この開演時間時間でなければ参加自体を諦めていた。30分遅かったらもうアウト。時間的にコンパクトになったいまの帝國だからこそ出来た東京遠征です。 

 ROSAでは、お懐かしい皆様と再会できて嬉しかったです。るなさま、あやえさま、ろくかさま、不義理が続きますが、今後もよろしくお願いします。いつかまたちゃんと呑みたいです…。整理番号がよかったこともあり、なかなかの良席に陣取れました。ROSAはきもち広いので、舞台を見渡しやすくて好き。五藤中尉の「盗撮・盗聴は禁止です」の開演アナウンスに笑っていると、客電が落ちていきました。

 中将による幻創論の朗読で幕を開けた舞台は、オンブラッタへと繋がっていきます。わたしはこれまで何十回同じことを書いたのか分からないけど、本当にオンブラッタが好きです。あの赤い光、はためく黒い旗、現在の楽器隊によるソロも大好き。とりわけ、五藤中尉のベースソロの低音が響く瞬間が、たまりません。あの一瞬のために来ている、思わずそう思ってしまうほど。

 前半。圧倒的な兵力の差により、議会派をおいつめた帝國騎士団。立花大将率いる前線の部隊が、議会派に最後のとどめを刺そうとした矢先、どこからともなく現れた伏兵により、立花大将の部隊は総崩れとなり、大将自身の安否も不明となる。取り急ぎ、援軍として春木大佐と草薙大佐が援軍として向かうことに。危急の事態にも関わらず、帝都にて落ち着いて本を開く定光寺中将に対し、風間少佐は不信の色を隠せない。そんな風間少佐に定光寺中将は、幻創論を紐解いて語る。認識されなければ在ることができない存在である自分たちと、現在の状況について。さらに、その謎を解く鍵を指ししめすものの、風間少佐はそれを認識できないまま、定光寺中将の元を去る。

 しかしリッターの危機は続く。草薙大佐と春木大佐の軍が霞みのように消えうせ、かれら自身もまた己の身体が透けて消えていくという事態に愕然とする。帝都に残った風間少佐の下に駆けつけたアックスと五藤中尉にも同じことが起き、とうとう、一人残った風間少佐は、すべてのからくりを知っている人物を求め、幻の第6資料室へと赴く。そこで定光寺中将と対した風間少佐は、今回の危機が、この世界は臣民にとって面白いものでなくてはならないという原則を思いはかばっての定光寺中将の工作を超えた、大いなる意思の発動による帝國騎士団の消滅へと至った結果であるという事実を知り、愕然とする。さらに、定光寺中将もまた消え失せ、ひとり残される風間少佐…。

 以上、つらつらと書いてみました。多少、前後していたり、わたしなりの解釈が入り込んでいますが、どうよ、みなさま。この前半。とりあえずわたしは、瀕死の立花大将をオカズに白米5杯はいけますがいかが(まず書くのがそれかわたし)。大将がぼろぼろになってる…死にそうになってる…萌え。わたしの大好きな一人称「わたし」の立花大将です。ああん、もう素敵!前回の式典で、定光寺中将は50回死んでいいと暴言を吐きましたが、大将は100回死んでいいです(もちろん、100回生き返ってね)。もうカッコいいったらありゃしない…。

 風間少佐と定光寺中将による幻創論も、おなじみでありつつ、毎回微妙にずれた立ち居地で語られているので飽きることがありません。メタフィクションといえばそれまでですが、それが、なんというか白々しくない。大いなる意思によって帝國騎士団の運命が左右されるというこの残酷が、さながら薄氷を踏むように、式典の展開を迫力あるものにしていく。いいなあと思いました。だって、大いなる意思っていったって、それ、臣民にとって面白いこと、っていうだけのレベルじゃないですからね、きっと。「面白い」って広いもの。なにより、この世界は皇帝陛下の夢。夢はその持ち主によって自在に操ることができないものであります。そして、その組み立てが、とても分かりやすく提示されている。わたしはすごく興味深くて、面白かったです。

 まず最初に先走って大将に咲いてしまいましたが、それぞれのリッターのキャラ立ちもよかったです。風間少佐はいうに及ばず、幻創論シーンでの定光寺中将ときたら…(はあと)。多少ふっくらしていたことなんか気になりませんでしたよ!また、わたし、こんなに良いシリアスの春木大佐を久しぶりに見たような気がします。悲鳴のような抵抗の声を上げて闇に消えていくその姿。素晴らしかった。同じシーンでの草薙大佐も、個性が出てて良かった。かつてゴルト城で消えたひとの面影を見ました。まあ、五藤中尉の「う」はあれですが、五藤中尉についてなにかいえるような人、誰かいます?わたしはなにもいえませんよ。おそろしい。あ、なによりも、アックスくん!演技ができるようになった、声が出るようになったとずっと言い続けてきましたが、本当に見るたびに上達していて、おねえさんは本当に嬉しい。そんな感じで、どのリッターに関しても文句のつけようがない前半でした。なによりも、みんな、ちゃんと台詞が入っている。それが嬉しい。

 オールナイト14。笑点フォーマットでの自己紹介に笑いました。わたしは定光寺中将の声の裏返りかたにざぶとん一枚差し上げたい。しかし中将でなにより笑ったのは「われわれのことを知らない人間がここにいるわけないだろう!?」という一言でした。いろんなイミで笑った。申し訳ないです(笑)。あと、アックスくんの「ちゃっらーん!」には、もうどうしたらいいのかしら。そんなに器用でいいのかキミ。とにかくオールナイトは、リッターみんなが楽しんでいる様子が伝わってきて、それが嬉しいですね。可愛いの。

 しかし今回はCMでしょう。風間少佐のむちゃ振りを受けての、春木大佐、草薙大佐、定光寺中将、立花大将によるグッズCM。おたおたしている三人を抑え、一歩前に出る春木大佐が、素敵素敵。「CMといえばやっぱり春木」はもうキタコレ(笑)、「やっぱり立花」と受けていた大将の愛らしさはもちろんです。ただ、わたしが唯一、不満があるのは、草薙大佐です。どうしてそこで「イメージボーイの草薙護です☆(キラン)」をやらなかったんですか!「持ってますか、臣民証?」ですよ!(懐かしすぎるためご本人も記憶になかったのではと思われます)。いやー、楽しかった。

 さて後半。第6資料室にひとり残された風間少佐のもとに、「急がなきゃ、遅刻してしまう!」とウサギ耳をつけた定光寺中将が飛び出てきてくる。かれによると、14帝國での存在を認識されなくなったリッターたちは、それぞれ己が存在できる世界に行ってしまったらしい。第6資料室にある本を一冊ずつ開いて、散ってしまったリッターたちを追いかけにいく風間少佐だったが…というドタバタですが、いやぁ、もう、笑った笑った。こんなに笑った後半は久しぶりです。中将のウサギも言葉遣いがアリスらしくって楽しかったのですが、いきなり「タッチ」の世界に行かれたときのあの衝撃(笑)。タっちゃんが死んじゃ駄目じゃん、とわたしも思った。あとみんなどれだけ風間少佐にレオタードを着せたいのか(笑)。ああ星屑ロンリネス。しかしここはアックスくんの「パンチ」ですね…(脱力)。あっくすきゅん…。わたし自身の歪んだ大いなる意思の具現化を見た思いです(妄想)。そしてわんわんのまま飛び跳ね回るあっくすきゅんの動きの良さが、さらになんというかこう。犬っていいよねっていうかその。

 そして次がガンダムって、第6資料室はあれか、帝都の漫画喫茶か。このガンダムでは、なんていうのか、前半のわたしの褒め言葉を全部取り消したくなるくらいに春木大佐と草薙大佐がヒドかった(褒め言葉)。とくに春木大佐の全身にまで神経が行きわたった気合のいれかたがヒドかった(賛辞の言葉)。このオタク二人どうにかしろという感じでヒドかった(ハラショーという拍手込みの言葉)。五藤中尉のセイラさんは、どうしよう。わたしも「軟弱者」っていわれたい(笑)。そしてここでもあっくすきゅんが…あっきゅしゅきゅんが…(崩壊)。ハロは卑怯です…(さめざめ)。あまりにも可愛すぎる。

 さらにポケモン。春木大佐が可愛い!と思ったのもつかの間、わたしのなかで、ポッチャマとピカチュウが熾烈な争いを(違)。わたくし、不勉強なもので、ポッチャマの映像が浮かばなかったのですが、帰宅して画像検索し、倒れました。あっくすくんに生き写し…。大将のピカチュウはあれ、卑怯ですね(笑)。飛び道具だもん!

 またキャッツアイ。これもヒドかった(笑)。五藤中尉が泪姉さんだとは思ったけれども、中将の瞳はともかく、まさか愛ちゃんが大将だなんて!恥ずかしそうにエアロビもどきをする三人、五藤さんの表情がとっても萌えでしたー。これなんて羞恥ぷれ(略)。

 たぶん順不同になってると思いますが、そんな感じでとにかくめまぐるしく次から次へと笑いの展開が続き、風間少佐がもらした「もう疲れてきた…(苦笑)」に共感しそうになったところで、ウサギたん(あ)の再登場で、歌が入って一息つきました。新曲だと思うのですが、風間少佐らしい歌でしたね。個人的には、ここで歌が入るとは思わなかったのでちょっと驚きましたが。

 歌の後は再びのコメディ展開。アリスの世界で、女王様が五藤中尉なんですよ。いくら予想がついても、拒めますかこれ。見下されたい(あ)。そこに銭型警部が乱入し、タっちゃん殺害犯人を捜査しはじめるわけですが、あまり拾われてなかったけど、いちいち「まあ恐ろしい」と反応する女王様@五藤中尉に「あんたがいうな」と突っ込む風間少佐が地味に面白かった。さらにそこに名探偵コナン@定光寺中将までやってくるに至って、いやあもう、お腹いっぱい。でも中将の眼鏡には萌えた。名探偵というか難問を解決しているのは「眠りの小五郎」になっているという基本設定のふっとびかたが豪快でよいなと思っていたら、吹き矢を持ち出す細かさもさすが。ゾウも眠りそうな吹き矢でしたが。

 とにかくてんこもりの後半で、これ、収拾がつくのかなと思ったものの、なんとか最後になだれこみ、中将と風間少佐の語りでまとめたやりかたは正解だと思いました。だって、面白かったものね!それがうまい。コメディ展開がつまらなかったら、この落ちは成り立たない。そこらへんに風間少佐の自信が見えた。そして、小さなことではありますが、シリアス展開の冷徹な定光寺中将の愛読書が「不思議の国のアリス」だというのが絶妙だと思いました。

 そんなわけで全体を通しての感想ですが、「面白かった!」のひとことです。シリアスの緊張感と知的好奇心を誘う展開、懐かしくもありほのぼのと笑える場面でもあるオールナイト、てんこもりで楽しいコメディ、どれも平均点以上です。東京でしかやらないって勿体なさすぎる。個人的に絶妙だなーと思ったのは、後半のネタにする作品の選択眼。あれが、変に凝ったものでないのが正解だと思うのです。アニメに絞っても、帝國のある種、特色でもある懐かしネタとして違和感があるものでは駄目なのです。なんていうか、立花大将でもついていけるレベルでないと、帝國っぽくなくなる。そりゃ個人的には銀英伝がすごく見たかったけど!(笑) さらに、シリアスで提示された認識の問題。そも精神世界とはなんなのか、ということを転がしていけば派生していく事柄をちゃんと料理したものであると思います。よく出来た式典だと思いました。本当に楽しませてもらった。

 「さまよえるオランダ人」が鳴り響き、式典終了を告げる言葉に合わせて拍手をすると、最後の挨拶は聞けないままに会場を出ました。やはりROSAを出た瞬間に逆方向に走り出そうになったわたし。しかし、途中で体調を崩して辛そうだったにも関わらず、五藤さんにうっとりだった真夜さんと、東京駅までにこにこと式典内容をリピートしながら帰りました。ホントに楽しかった。いっしょに見てくれてありがとう。わたしは今回の式典を見ることができて、幸せです。

 新幹線に飛び乗っても、あたまのなかは先ほどまでの式典をリピートするのに忙しい。なんかこう、いまの帝國は怖いくらいに自分の好みで、嬉しい。不安がない。なによりも、やっているリッターたちが楽しそうで、それが安心に繋がっていると分かる。「宇宙と恐竜」を見たときに感じた気持ちが実感となって広がった。それがなにかはうまく言えませんが、わたしは14帝國が大好きだということ。幻創論を愛しているということ。リッターたちの重ねてきた歴史を嬉しく思うということ。新幹線のなかから、短く更新をしました。

「わたしは。
14帝國が大好きです。
本当に楽しい式典でした。」

 うん、本当に楽しませてもらいました。ありがとう14帝國。10月の式典も、心から楽しみにしています。

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