「セットリストがリクエスト!?年末ファン感謝ワンマンツアー ~あなたの想いが届いたから~」グルグル映畫館(HOLIDAYOSAKA)

 さて、今回は、グルグル映畫館-セットリストがリクエスト!?年末ファン感謝ワンマンツアー ~あなたの想いが届いたから~-に参加です。グルグルはやっぱりワンマンで見たいなあという思いが常にあったところ、願ってもない楽しそうなリクエストツアーということで、日程的にも問題なく、うはうはと参加いたしました。ちなみに三曲限定だったリクエスト、わたしは、「そのままでいいよ」「僕」「滔々と」でした。
 当日は、寒さが厳しくなっていた大阪でした。大阪駅に到着すると、何度行っても迷ってしまうHOLIDAYOSAKAに向かいます。途中、大きな宝くじ売り場があったので、勢いにのまれるように購入したり、歩道橋上でぼんやりしているところで、真夜さん姉妹と合流になりました。お茶しながら見せた結婚写真の感想は「うん、横溝正史劇場に出てたよね“血塗られた花嫁”とかいうタイトルで」というものでしたが、これがまた、白無垢のわたくしは、本人も否定できない昭和の花嫁でして…。洋装は、なんか70年代の洋画みたいな色合いで、ドレスもカメラマンさんにも罪はないと思うのだが…。そのあとはいつものお店をぶらついたり(負けなかったもん!)、隔離室のようなマック喫煙室で芋にまみれたりしていましたが、開演時間が近くなると、再びHOLIDAYに。しかし、その途中のお初天神通りがわたしを吸いこんでしまいそうで、実に危うかった…。チェーン店ぽいお店までわたしを誘うんですもの…(それは単に呑みたかっただけでは)。
 さて、いよいよ開演。セットリストは、天野鳶丸氏のブログより転載。
-蒲田行進曲-
1.春の白さに僕、負けた。
2.どうしてくれようこのヱレジィ
3.君と僕との彼岸の唄
-MC-
4.月に行った猫
5.日曜日の朝
6.りっしんべん
7.赤い花・空の青
-MC-
8.そのままでいいよ
9.ロックンロールは形而の下で
-MC-
10.滔々と
11.想像
12.破戒
-Dr+MC-
13.痴人の恋
14.百万回目の夕方に
15.14歳の斜陽
-大人になった僕へ-
en1
1.ダダだ
2.知ったかぶりの猫かぶり
3.ブ然たり
en2
1.ケガレモノ達のララバイ
 やだもうどうしよう。このひとことに尽きるセトリといえるかもしれません。一曲目がいきなり「春白」で吹いたところに、大好きすぎる「エレジイ」が始まって、これで三曲目が「このままでいいよ。」だったら、わたしはそのままおうちに帰ったかもしれません。「見るべきものは見尽くした」とかつぶやいて。いや、まだあるんだけど!しかしこの「エレジイ」は本当に良かった…。グルグルらしさと楽曲の良さが見事に合致しているだけでも、大好きなのですが、サビの部分の悲鳴のようにうねる天野氏の歌声が実にたまりません。素敵。
 「月に行った猫」に、しみじみしたり、「りっしんべん」に名古屋の存在しないM嬢の悲鳴を感じたりもしましたが、これまたお気に入りの「赤い花・空の青」も嬉しかった。グルグル映畫館は様々な切り口から見ることができるバンドだと思いますが、わたしとしては、こういう抒情的な部分がさらなる感情を引き起こすような曲がたまらない。そういう意味では個人的にグルグルを代表する一曲だとまで思っています。終わってしまった季節。届かなくなった声。それでも存在する「僕」。
 とか言ってたら、まさかの「そのままでいいよ。」です。「りっしんべん」を演奏した段階で聞くのを諦めていたこの曲に(どういうジンクスやねん)、狂喜乱舞。曲として大好きなのはもちろんですが、思えば、わたしにとってのグルグル映畫館はこの曲で始まったのです。それまでまともに聴くことはあえて避けていた部分もあったバンドだったのですが、「宇宙と恐竜」の話があって、先入観無しに天野鳶丸というひとに興味を持って、ちょうどそのときに初めて聴いた曲がこれだったのです。これ以外も含めて、あのミニアルバム「そのままでいいよ。」は大好きですが、いやあ、もう本当にこの曲は素晴らしい。ロックとして優れた曲だと思うし、それにのっかる天野氏の歌詞もグルグルぽいとかそういうの抜きで、たまらなく好き。こういうひとのこういう視点でないと書けない、ある種可哀そうな、でも残酷な、人間の一部分を切り取った曲だと思います。名曲だ。そのまま「ロックンロールは形而の下で」に続く流れも良かった。
 流れといえば「滔々と」(咲いた)のあと、「想像」に続く流れも、良かった!「滔々と」はとても古い曲だし、「想像」は最新の曲。けれど、この繋がりはまったく不自然でなく、むしろ自然すぎるくらい。「想像」も良い曲ですが、ライブで聴くとこんなにまた良いんだなあと実感しました。「滔々と」の余韻を壊さない、むしろ生かすような雰囲気で、聴いていて実に気持ちよかった。
 アンコールも「ダダだ」にはレア曲というだけでなく大変に盛り上がり、気持ちよく頭を振れましたが、隣の真夜さんが柵でそのまま前方にくるんと回転しそうな勢いだったのが大変に楽しかったです。それがちょっとうらやましかった。こういう、バンドの歴史に沿って自分の思い出が重なっていて、一曲一曲に思い入れがあって、より深く味わうことができること。その感覚の楽しさを知っているから、それがすごくうらやましかった。わたしにもそういうバンドはあるけどさ(笑)。でも、いいなあ…。
 終演後は、新幹線の時間があったので、あわただしく、けれど呑みたいという気持ちを諦めきれずに、真夜さんたちと軽く打ち上げ。今度はぜひ、もうちょっとゆっくり呑みたいですね。
 一年の締めのライブとして、とても楽しい時を過ごしました。ありがとうグルグル映畫館。

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