「明治 大正 昭和 不良少女伝—莫連女と少女ギャング団」平山亜佐子(河出書房新社)



 明治末から昭和初年までの「不良少女」について、それが報じられた新聞記事などから時系列で追ってまとめたもの。
 いつの時代でも正当な道から外れた少女は存在し、それを興味本位で消費する大人のやり方も変わらない。それぞれの時代背景を思うと、にもかかわらず、記録の彼女らは実に生き生きしている。でも、幸薄感は否めない。勧善懲悪を求める新聞記事によるものだから、余計にそうなるのかもしれないけれども。どっちにせよ、荒っぽくはあるけれど、これもまた乙女の肖像の一つには違いない。

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