「オレたち14帝國Vol.8~時をかける風間少佐」(名古屋アポロシアター)

 さて、今日は、名古屋アポロシアターにて「オレたち14帝國Vol.8 ~時をかける風間少佐」です。♪あなたわたしのもとから?なネタなのか、或いはノイエラント革命、エスターリヒクーデターあたりを取り上げるのか、そもそも14帝國において、式典のタイトルから内容を予想すること自体が無茶なのですが、とにかく楽しみに来ました。今後は、元帥主催のライヒスリッターもありますね。あっちも新作らしいし、児玉少尉もいるし、もちろん楽しみなんだけど、やっぱりわたしのホームは、いまんとこ「オレたち14帝國」だなあと思います。なんていうか、現在進行形のものだから。

 栄で月見さんと待ち合わせして、いつもの店に付き合っていただきました。バーゲン、といいつつも、すでに商品は狩り尽くされたあとで、秋冬物に目が行ってしまいましたよ。それでも月見さんに「そのチャイナ風トップスはほとんど変わらないようなのを3着くらい持ってるでしょ」「ていうかそれ持ってるでしょ」「これはくさてるさんのクローゼットですよね」等の台詞をあらかじめ準備しておいて云っていただくという小芝居をお願いしなくてはいけないくらいに目移りが…。しかし50%オフなら買うものは、そもそもそんなに欲しいものじゃないんだ、きっと(言い聞かせ)。

 そのまま、お茶をしながら真夜さんを待つことに。通りがかった新装開店のカフェで喫煙席を選んだら、だだっぴろい隔離空間に席を用意されました。ガラスでぴったり仕切られているので、わたしと月見さんの会話を耳にするひとはいない。呼ばない限り店員も来ない。ああ、気が楽。頼んだワッフルセットも、とても可愛い。可憐な外見に「こういうのを写真にとってブログにUPしたりすればいいんですよね」と云ったわたしに「はい?」とこれも可愛く聞き返した月見さんの手にはすでにフォークがあったので、そのまま美味しく頂きました。いや、ああいうのこまめにできるひとは尊敬しますよ…。わしらはとりあえず食べちゃうからな…。真夜さんが合流してからも、開場時間近くまで、あれこれとおしゃべりしました。隔離スペースで本当に良かった。式典会場では、式典に久々参加のこすずさんともお会いできて嬉しかった。月見さんもそうですが、式典会場で未だにお会いするみなさんは、なんかみんなうまいこと時を止めているような気がします。おかしいその船わたし乗ってない。

 さて、式典内容の感想ですが、ううむ、これ再演するのかな?とりあえず11月はこれの再演ではないようです。カーテンコールで「全部見せます14帝國ぽい」的なことが云われてました。ていうか、式典の完成度とか出来の問題以前の話で、この式典はそのままのキャスティングでは再演しないでいいです。期間限定の超レア式典、あの日、あの場所にいたみんなだけの内容にしてほしい。再演したくてももう無理だよね、とみんながにっこり笑える、そんな未来をわたしは望むよ!I have a dream。ひどいこと書いてるようだけど、真面目な気持ちです。いやマジで。しかしなにが起こるか分からないのが14帝國。

 オンブラッタ。定光寺中将による幻創論の朗読は、時の流れ、過去と現在と未来についてのもの。意志の力。わたしは式典ではいつもこの部分が大好きです。言葉としてはぎこちなく、すっきりしてない文章なんだけど、それがまたらしい感じがします。まあ、オンブラッタは好きとかそんなこと問題じゃないくらいに、わたしの魂を持っていくものなのですが。

 前半。議会派との緊張が続くなか、前線にいる風間少佐と加納中佐。そこに帝都よりの伝令が届き、風間少佐の兄が危篤であることが知らされる。加納中佐のはからいで帝都への帰還が叶う風間少佐。しかしそれもむなしく、風間少佐の兄は亡くなってしまう。そもそも、風間少佐は貴族出身であり、兄が亡くなったからには家督を継がなくてはならないのだ。ライヒスリッターとの間で揺れる風間少佐だったが、兄を想い、軍人を辞めて貴族の身分になる苦渋の選択をする。ライヒスリッターそれぞれの思惑が錯綜する中、いよいよ風間少佐が旅立つ時が来た。しかし、そこに飛び込んできた前線での戦闘勃発の報。動揺する風間少佐に、これまでずっと冷徹な視線を向けてきた定光寺中将より、はなむけの言葉が贈られる…。

 わりとシンプルな内容の前半でした。後半に向けての伏線とか謎とか劇的な「ええ、どうなっちゃうの?」的なものが無いかわりに、わかりやすい設定がちゃんとお膳立てされてる感じ。短いなかにも各リッターの個性がくっきりしてましたしね。しかし定光寺中将は、ツンデレとかいうのもめんどくさいくらいにツンデレで、むしろ、おかしかった(笑)。「か、風間なんか、どこへなりと行っちゃえばいいじゃない!役に立たないのがいなくなってこっちもすっきりするわよ!……で、でも、みんながあんたのこと心配してるんだから、だから、ちゃんとやらないと許さないんだからね!」って台詞すごかったですねってそんなことは云ってません。たぶん。そして、今回の主役たる風間少佐はキラキラだったなあ…。

 オールナイト14。これが、面白かった(笑)。前半がシンプルだったからか、なんていうかこうみんなが仲良しだよねっていうか…。「時をかける風間少佐」というタイトルについて、「かける」ってなに?とあれこれ言い合うリッターたち。わたしの隣で真夜さんは「×」といえば、あのうけとかせめとか口走ったらどうしようと焦ったらしいですが、わたしは大将以上にひどい下ネタを考えて…(自粛)。じっちゃんの(略)。

 しかしなによりここで取り上げられた、中将の肥満についてですが、わたしが言いたいことを風間少佐と草薙大佐が云ってくれた。そう、痩せて下さい!(悲鳴)なんかここ数回の式典を見てると、いっつもパタリロみたいになってるなあと思ってたんですが(肥満で軍服着ると本当にああいう線になるのね。魔夜先生ってリアリズム)、毎回オンブラッタを見ると一瞬安心するんですよ。「あ、そうでもないかも」って。それはライトの都合で顔しか浮かびあがってないせいだと、通常の明かりのもとでくりひろげられる場面になったとたんに気づくのです。顔に肉がつかないからって安心しちゃだめ…。あえて名前は伏せますが、某こすずさんは「ドリフがよく着てたお相撲さんの着ぐるみみたいにでぶの軍服の着ぐるみ着てるのかと思った」と素で云ってました。だから暑いからもう脱ごうよその着ぐるみ…。健康上の問題で太ってしまった(そういう病気もありますからね)、というわけでなく、本当に生活習慣上の問題なら…。中将、風間少佐とか五藤中尉とかが乗ってるあの船に、あなたは乗ってないんですよ…。ご本人も「みんなそんな目で俺を見るな」と臣民に向かっておっしゃってましたが、みんな、キラキラでシャープでシュッとしてた中将を覚えてるから、マジひいてるんですよ…。ああダメだ。けっこう面白かったオールナイト14だったのに、中将の肥満話しか覚えていない…。

 CM。加納中佐がいるということで、今回も極悪将軍カノーンさまとハルキングの戦いがあることは予想できていたのですが、そうなると問題は、わたしと真夜さんの間で、伝説となった前回の「ggrks」以降のハルキングのはっちゃけぶりです。あとで「俺、あそこまでする必要あったかな」とか、春木大佐が落ち込んでないかしらとか云ってたわたしたちの前に、予想をはるかに乗り越えて「クッキンアイドル アイ!マイ!まいん!」の曲に合わせて登場です。隣の真夜がくずれ落ちた。わたしも転げ落ちそうになった椅子をつかんだ。気がついて、春木大佐!尉官ズとは別次元の問題でお客がついていってないよ!ネタならプリキュアにしとけばいいと思うんだ…。そして可愛い彼女も出来たらしいですよ。高嶺愛花ちゃんっていう薄い彼女が…。なんていうか、もうある意味、これの相手をするカノーンが気の毒だ。それからも繰り出されるネタのひとつひとつも実に困った人で、お腹抱えて笑ってしまいました。途中でハルキングが微妙に照れてましたが、春木大佐、たぶん照れるのそこじゃない。を見せて頂きました。

 後半。風間少佐の兄が死ななければいいことだという結論に達して、生活習慣病で病死した兄の若いころに戻って、兄の生活を変えようとする風間少佐と草薙大佐。二人で風間少佐の実家を訪れ、橋の下に捨てられていた赤ん坊の風間少佐を拾ったのが、風間少佐の兄、ふとしだと知る。しかし、この時代のふとし兄さんは、すでにメタボのひきこもりになっていて、手遅れだった。兄がひきこもりになった原因は、学生時代にあるということで、さらにその時代へと飛ぶことに。そこでは兄が隣の高校の不良にたかられていた。兄の通う高校も荒れており、とうとう高校同士の抗争へと発展。一度は逃げ出したふとしだったが、喧嘩の場面に駆け付け、勇気を振り絞った結果、ひきこもりになることは避けられた。安心して、未来の帝國へと戻る風間少佐だったが…。

 過去に戻ってばたばたする草薙大佐と風間少佐は、なんかいい感じの凸凹コンビです。風間少佐のお宅訪問で、登場したのは、加納中佐@風間ママと五藤中尉@風間パパ。五藤中尉のスポーツ新聞を見ながらの「帝都でクーデターだって…、ほら、楠本っての、悪そうな顔して」には舞台のリッターおよび臣民全員大爆笑。まさに五藤中尉にしか云えないひとこと。そして、風間少佐の兄の名前は「ふとし」くん、ということで、ええ、皆さまのご想像通り、草薙大佐に「もう手遅れだ!」(ニュアンスとしてはクロトワの「腐ってやがる」的な感じで)といわれるまでの体型になっているあのおかたがキャスティングです。ドーナッツの入っている箱を覗き込んで「フレンチクルーラー」って、また太りそうなの選んで…(さめざめ)。

 さらに過去に戻ったところでの、プチ若いふとしお兄さんは、眼鏡をかけた加納中佐でした。いや、それがね。わたし、これまで加納中佐に関してどうこう言ったことはあんまりないんですけどね、これが、良かったですよ!コメディも楽しかったんだけど、シリアスな台詞もよかった。眼鏡のせいかしら。いやいや、あの落ち着いた感じの台詞運びのおかげかもしれないです。エキサイトするとカノーンさまになっちゃうからな。
 お兄さんにたかってる不良のキャスティングは誰もが納得の立花大将。軍服をはだけた下のシャツが、もう絶品。あの大須で売ってるとしか思えない黒地にバラ柄。私物だと信じています。素敵過ぎる。で、不良の名前が「ビフ」ってことで、「バックトゥザフューチャー」だ!と興奮する草薙大佐は時計台を探しに行ってしまいました。わたしはPART3が最高傑作だと信じています。

 荒れた学園では、アックスくんと草薙大佐がヒロシとトオルという名前の不良で登場、五藤中尉が「五藤久美子(略してゴクミ)」という女教師とか、ここのあたりのネタが90年代突き抜けて80年代まで行ってて、まさに時をかける状態。アックスくん分かってやってるのか。五藤中尉がちょっと照れながらやってるのがすごくかわゆい。「ボインにタッチ」って何十年ぶりにきいたかわからん台詞だ。しかし、五藤中尉は、そういう小ネタよりも、死体になった大将を足で転がしたときにいちばんときめきました。ああん、鬼畜。

 後半は、そんな感じで、とにかく次から次へと小ネタが繰り出される感じ。ちょっとぐだったり不発だったりするネタにも構わずどんどんたたみこんでいくあたりが、なんとなく懐かしく、昔の帝國ぽかった。話自体は昔からある過去改変パターンなだけに、いったん、これで終わるのかな?と思わせておいて、赤ん坊時代の風間少佐を拾ったのが定光寺中将になっているという二段落ちが、素晴らしかった!あれが無かったら、ちょっと点数下がったかも(笑)。あと、わたし、赤ん坊の風間少佐に、ぜったい大将がちゅーをするんだと思ったんだけど、なくて残念。今度こそ正しく過去を改変した結果の、風間少佐と加納中佐のしみじみとした終わり、あえて細かく説明せずに、未来が開けているんだと思わせる最後でした。

 カーテンコールは、原田知世の「時をかける少女」にのって。「原田知世は良かったよ」としみじみする中将に「でももうおばさんですよね」という風間少佐。ひどい。「おにゃん子クラブの20年後なんて見たく無かったよ!みんな、AKB48の20年後見たいか?48人のおばさんだぞ!」という中将。しかし我々も10年後、20年後を晒してるわけで…と苦笑する。あはは。大丈夫。10年後でも、風間少佐はキラキラだし、立花大将はカッコいいし、春木大佐は素敵なお兄さんだし(ハルキングのぞく)、あとは中将が痩せるだけです(真顔)。ていうか、80キロ超えってマジですかそれ…(さめざめ)。

 全体の印象としては、良い意味で軽い感じの式典だったという印象です。幻創論てんこもりのシリアスな展開がメインの式典も大好きだけど、式典にはこういう雰囲気のものもあって、それもまた帝國だと思うから。オレたち14帝國には、そういうものも抱える事が出来るだけの力があると思います。でも、個人的には、これは再演できなくなってほしいですよ(笑)。ひとことで云って「だから痩せよう定光寺中将」式典だもん!しかし、カーテンコールでもさんざん痩せろ痩せろと他のリッターたちに責められつつも、腹をぽんと叩いて「この腹で式典ひとつできた!」的なことをおっしゃった定光寺中将には、誰も勝てないかもしれない…(笑)、いや、だったら痩せたことで一本書きましょう。見栄えじゃなくて、ガチで健康面が心配です。そういやバンド演奏がありませんでした。「ダイエット」なんてうってつけの一曲なのに、無かったのは、やっぱり「お前が言うな」的なことになってしまうからかしら(失礼)。

 6時ちょっと押しで始まった式典が終わったのは7時半過ぎ。やっぱりこれくらいの長さがわたしにはちょうどいいです。おかげで新幹線終電ぎりまでお友達と飲めるというもの。まあ、そこでも話題は主に「でぶ」でした。わたしらひどいですか。いやこれもまた定光寺中将の狙いかもしれん。とっても楽しい式典でした、ありがとう、14帝國。

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