「無力感は狂いの始まり」春日武彦・平山夢明(扶桑社新書)



 精神科医の春日武彦と、ホラー、実話怪談の名手で作家である平山夢明との対談集。題名が全てを物語った内容で、両者どちらかのファンであれば面白く読めること請け合いです。そして、この題名が現す現実が怖いという意味で、わたしには平山夢明の実話怪談が第一級に怖いものであります。本当に怖いのは、理解を越えた存在。共感を拒否する心性。そしてそれが自分の隣人、すれ違う人々、職場の同僚、こどもの友人のなかにも潜んでいるかもしれないという、単純な事実が。

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