オレたち14帝國スペシャル「~全部みせますオレたち14帝國~」(名古屋アポロシアター)

  というわけで、先週の楠本柊生帝國元帥Presents「ライヒスリッターVol.27~帰ってきた元帥」に引き続き、二週連続の名古屋入り。今日のお目当ては、「オレたち14帝國スペシャル~全部みせますオレたち14帝國~」です。毎日曜日に軍人を見るなんて、ほんの5、6年前までは当たり前の日常だったような気もしますが、いや、思えばずいぶんと久しぶりです。今回ご一緒したのは、真夜さんと圭木さん。いつも本当にありがとうございます。しかし、今回の感想ですが、いつもにも増してレポでないただの感想となっております。正直、読んで頂いても、なにが行われたのかは具体的に良く分からないと思われますが、ご容赦ください。

 まず、始まったのは、記憶を失った定光寺中将に、アックスくんが中将自身のひととなりを説明していく…という導入部で始まった、これまでの5年間の式典をコンパクトにまとめあげたもの。要所要所でバンド演奏もちゃんとあり、そこがオレたち14帝國らしかったです。まずはなにより、中将が本当に頑張っていた!オレたち14帝國はこのひとの頑張りあってのものなんだなーというのが伝わってくるような、身体の張り方と活躍で、実に楽しませてくれました。

 お話の展開自体は、各式典の良いとこ取り(なおかつバンド演奏メイン)なので、内容のつながりがいまいちつかみにくいところもありましたが(初見のひとはよく分かんなかっただろうと思われます)、まあそれは仕方がないかも。個人的には、最近のオレたち14帝國のポイントのひとつである、ぬるいオタクネタが、草薙大佐の痛ギターのみだったのが、ちょっと惜しかったかな(笑)。ハルキングの活躍が見たかった。もう一度見たい名場面として、あの「ggrks」は忘れられないものであります。

 しかし、それ以外にも名場面が取り揃えられ、なおかつそれが再演されることで、新たな風味で味わい直せたことは事実です。リッターみんな、それぞれに見せ場があって楽しかった。「ひとつになれ」で春木大佐に笑いの神が降りたと思いました。あのとき声を上げた二三人の春木大佐ファンの皆さんは誇っていいと思うよ!また、バナナの皮に滑ったあとの加納中佐の独白は本当に素晴らしかった。思えば、はるか以前にVol.19のパロをやったときも、このかたは秀逸でした。こういう帝國のセルフパロは出来そうで出来ない。貴重な個性です。

 また、中将に対して「黙れ、この豚!」と切り捨てた五藤中尉の素晴らしさよ。きゅううん(ときめき)。「赤髪豚野郎」って云ってたらどうしようかと思ってどきどきしました。そういえば、トラロープをかけられた中将を「チャーシューみたい」と評したリッターは誰だっただろうか。いや、怖れ多くも中将のことをそんなふうには私は云えませんよ。でぶキャラがそんなかたちで定着しつつあるなんて(そろそろ本当にテルリストの皆さまに刺されないか、わたし)。大将に向かって、バリカンが掲げられたときの「で、どうするの?」感も良かった。わたし、髭を剃られたらどうしようかと思って気が気じゃなかったけど(笑)。

 そんな楽しいドタバタ騒ぎが繰り広げられたあとで、傷つき倒れる中将の姿が現れる展開にたどりつきます。元帥が戻ってきたからには、この5年間はなかったことになってしまう…と息を引き取ろうとする中将と、それを拒んで涙する風間少佐。「この5年間、あんなに頑張ったではないですか、あんなに笑って、楽しかったではないですか!」という言葉の重さに、胸にしみわたるものがありました。そして、そんな瀕死の中将の前に現われたのは柊生元帥の姿でした。

 今回の式典に出演するシークレットリッターが、元帥だと知った時、わたしは正直、なんだか嫌だったのです。それはもちろん、元帥が厭なのではなく、オレたち14帝國の世界は、中将も表現していた通り、元帥のいない世界(存在しているけれど実体はない)世界なので、そこに生身の元帥がどう介入するのかな、と思って不安になったのです。ライヒスリッターのカーテンコールで云ってたみたいに、最初から最後までPA席に座り続けているだけ(それも完璧なメイクと服装で)、な役割だったら惚れますが、まあ、そんな勿体ないことをするわけもなく。でも、この登場の仕方は納得でした。

 これは、オレたち14帝國の最初の式典だった「風間少佐の真っ赤なウソ」の時と同じです。あの時、わたしは涙ぐみました。さようならが云えた、と泣きました。帝國の精神世界を離れていく元帥に、臣民としてさようならが云えた。その機会を与えてくれてありがとう、と。

 しかし、今日のこの登場は、それとはまた違うメッセージを、わたしに与えてくれました。この元帥の登場は、かれの存在の有無に関わらず、オレたち14帝國の世界はこのままで存在し続けるということ。それを、これまでオレたち14帝國の式典を支えつづけてきた臣民たちに伝える、ものすごく直接的なメッセージだったと思います。受け取りましたよ。ある意味、それは言葉にしなくとも良いことであったのかも知れません。かれらの今後の活動をみることでおのずとわかったことなのかもしれません。でも、それをあえて、元帥自らがこのオレたち14帝國の舞台に立ち、伝えてくれたこと、わたしはそれをオレたち14帝國の臣民として、とてもありがたく思います。これから先になにがあるかはわからないかもしれないけれど。でも。

 5年間存在しなかった元帥の帰還がライヒスリッターVol.27であり、その5年を支えつづけた定光寺中将の死と再生がこの全部みせますオレたち14帝國。そういう意味では、このタイミングで、いま、公演されることに意味がある内容だったのだと思います。対になった式典とはお友達の圭木さんの感想ですが、わたしもそういう意味合いがあってもおかしくないと感じました。この5年間。流れた月日を、また味わいました。

 そうやって本編が終了したあとのカーテンコールもとても良い雰囲気でした。そのあとに暗転を挟み、鳴り響く「20th Century Boy」と共に、R-istのステージが始まった時も、個人的にはにこにこでした。カーテンコールまでで終わってくれても十分だけど、バンド演奏を入れるというのはオレたち14帝國のこだわりでもあるので、アンコールはやっぱこれでしょ!という感じ。そしてそこで「ある晴れた空の下で」が来たから、わたしは本当にもう、泣いてしまうかもしれないと思ったくらい。わたしにとって、「オレたち14帝國」を象徴するような曲です。時に不器用で、ちょっとカッコ悪いかもしれないけれど、懸命で、熱くて、キラキラして、笑ってる。いつまでも終わらない、続いていくかれら。続く「ゼロハンライダー」も、そんなかれらにぴったり。本当に、わたしもぴょんぴょん飛び跳ねながら、声を出して歌いながら、ありがとう、オレたち14帝國!と感激してたのです。

 正直、ライヒスリッターの新作が一作あったから、オレたちが消滅すると思ったことはなかった。それは、あのクオリティの高かったライヒスリッターを見ても変わらなかった。元帥のやりたいこと、目指すものは、元帥のコアなファンとはまったくいえないわたしには、なんとも読み取ることが出来ないもの。ただ、その才能と志向する世界の広さが、ライヒスリッターからさらに広く拡がったとしても、それは当たり前だと思うのです。でも、そうなったところで、かれが産みだして仲間と作り上げた14帝國の世界が薄まって消滅するわけはない。それは、そんな風に消えるにはもうあまりにも確定したものとして、様々な人々のなかで存在している。まさに、大いなる意思によって。

 これもまた14帝國。元帥が創り上げた箱庭の世界を、箱庭の砂を撒き散らす勢いで遊びまくっているオレたちの面々は、なによりも14帝國を愛しているのです。それを見てきた臣民も…とかそういうしちめんどくさいことをぼんやり考えながら、しかしその場はもう楽しくて、大はしゃぎしていました。あはは。

 そして、さらにそこで、元帥が呼びこまれたので、ああやっぱり最後はあれだな、となんとなく予想して、心構えはしてたんだけど、いやもう。わたしはバカだった。浅かった。まだまだ、かれらはそこ知れなかった。本当、この最後の一曲で、わたしは倒れたよ。定光寺中将が柊生元帥の肩を抱き、云い放ったあの言葉ときたら。ええ、「オレたち二人のために歌ってください、あの素晴らしい愛をもう一度!」ですよ。吹いた

 あの場にいたひとでわたしと同じ気持ちになったひと、いるかしら。うまく表現できる自信もないんだけど、リアルで「こういうとき、どんな顔をしたらいいかわからないの」だった。誤解をさけるためにいいますが、いわゆるみんながだいすきなあのてのおはなし的な乗りで吹いたとかではありません。そういうのじゃないの、ぶっちゃけ、萌えとかじゃないの!(萌えなら前半の春木大佐への中将の告白とかのがよっぽどげふんげふん)

 いや、中将ってすごいなーと思ったのです。これまでにも何度も感じたことはあるんだけど、そんなに無防備でいいの?ってあれです。その一言だけじゃなく、あの曲の間中ずっとそうだったんだけど、いや本当に、中将は14帝國のことが、柊生元帥のことが好きなんだねって素で思い知らされた。そして、そこに至るまでに、最後に一緒に「あの素晴らしい愛をもう一度」を歌ってから、今日、ふたたび唄うまでに、5年の年月が必要だったんだ、と。なんか本当に、この二人の関係ははかりしれないと思いました。この5年はこれだったのかと思った。もちろん、ご存じなかたはよくご存知なように、ハイテンションのときの中将なので、ご本人は対して意識もせずに叫んだ一言なのだとは思います。が、わたしはなんというか、かなわないなあと思いましたよ。本当に、このひとたちにはかなわない。こっちはにこにこと見守るだけだ、こりゃ。

 全体的な感想としては「面白かった!次が楽しみ」に尽きます。そして感想を書きながら思ったんですが、本当にあの場所にいたひと、あの空気を吸った人間でないと伝わらないものがある内容だったと思います。再演しても、DVDを見ても、きっと、なにかが違う。なので、わたしもくだくだしく中身を再現するような感想を書く気にあまりなれなかった(まあ、書けなかったけど)。もちろん、わたしの感想レベルじゃ伝わらないどころの騒ぎではありませんから、これはすごく個人的なメモみたいな感想です。

 でも、わたしに限らず、5年間のおれたちの式典を見続けていた臣民にはきっとなによりの、かれらからの誠実が伝わってくるような、そんな空間だったとわたしは思いました。ありがとうといいたいです。ライヒスリッターが今後どうなっていくかはわかりませんが、それとはまた違ったジャンルとしてオレたち14帝國があるらしいので、素直にこれからが楽しみなのです。

 しかし、なんといっても次の式典はタイトルが「裸の大将」ですから!これまでに式典の数は多くとも、立花大将主役の式典って実は皆無に近いのです。要所要所は抑えるんだけど、主役はやらないひとなのだ。それでもいちばん主役ぽいのは、Vol.6かなーと個人的には思ってます。あれ何年前だ。というわけで、コメディ展開ではどのようなことになろうとも拍手で迎える覚悟はできておりますので、シリアス展開での活躍を切に希望します。ご本人の意思がどうかは無視して、長台詞とか!幻創論とか!(大将が語るんですよ、キャー)個人的には、シリアスの大将には、小悪党じゃなくて正統派の悪役、良い人キャラよりも凄腕職業軍人キャラが似合うと思うのです。いうまでもありませんが、一人称は「私」でよろしくお願いします(平伏)。なんだかわたしひとりの大いなる意思がいますごい勢いで生まれていますが、足りませんかどうですか。

 この5年間。先週のライヒスリッターとはまた違って、その意味を考える事が出来た夜でした。おかげで、わたしは久々に帝國のせいで大きく心を動かされ、さんざん訳の分からないことをつぶやいていたため、ご一緒した真夜さんと圭木さんには、多大なご迷惑をおかけしたかと思います。でも、あのとき一緒にいたのが、本当に昔馴染みのお二人で良かったですよ!(笑)楽しかったです、ありがとう、これからもよろしく!

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