「オレたち14帝國Vol.10 風間少佐の夢で逢えるなら」(名古屋アポロシアター)

 さて、今日は名古屋アポロシアターにて「オレたち14帝國Vol.10 風間少佐の夢で逢えるなら」です。昨日からの台風で、交通機関が動くかどうかが心配でしたが、わたしの方は(関東組は新幹線が30分ほど止まったりしたらしい)問題無くて良かった。しかし、一日ずれてたら大変でしたよ…。小雨模様の名古屋では、いつもの真夜さんとたまちゃんだけでなく、お久しぶりのこすずさんとるなさんら関東組の皆様ともお会いすることが出来ました。こんなにたくさんの人と式典に行くのがどれくらいぶりか思い出せないよ!(苦笑)。こすずさんと真夜さんの話題はもっぱら、モンハン。わたしはアイルー村しかやってないのですが、話聞いてると楽しそう…。ハンターである旦那さんにやらせてもらったときに、いつまでも砂浜から抜け出せずくるくる回ってしまった経験から、わたしには無理と判断したのですが。そして、武器は双剣か笛を使えばいいのかしら(たぶん間違った知識)。そして、最近話題のアニメ「タイガー&バニー」について、たまちゃんからレクチャーを頂く。なるほど、それはみなさん飛びつく匂いがぷんぷんです。で、いつポールダンスを踊るお姐さんが出てくるのですか(違)。

 会場は、いつもより心もち多い客入りに思えたのだけど、気のせいかしら。ここでもお久しぶりのたえこさんにもお会いしたし。いやー、過去臣民のみなさん、本当に、オレたち14帝國は面白いからのぞいてみて下さいよ。多くの人にとってネックになったと思しきバンド演奏も少なめだし(今回は皆無)、あれも慣れると乙なものでございますよ。

 さて、内容ですが。再演の予定はいまのところ発表されていませんし、読んだところで内容がわかる感想ではありません。前半。敵の猛攻に追われて、洞窟に逃げ込む風間少佐とアックス中尉の場面に始まり、風間少尉がライヒスリッターの一員になった際の定光寺中将との息詰まる会見の思い出、全滅をまえに覚悟を決め、中将だけでも逃がそうとする立花大将、春木大佐と草薙大佐の裏切りによる立花大将と定光寺中将の死など、さまざまな場面がパノラマ状に開かれては閉じていく。死んだはずのひとが現われ、死ななかったはずのひとの葬式が行われる、悪夢といっていってもいい状況が現われては消えていく。その展開に翻弄され、戸惑う風間少佐の前に響く定光寺中将の言葉とは…。

 はい、この説明じゃ、なにがなんだかと思われるかもしれませんが、不正確なことは書きたくないので、はしょらせてください。というか、この前半そのものが、見ていた段階では、なにがなんだかでした。しかし。これが。もう、素晴らしく面白かったの!ショートケーキのイチゴだけ、モンブランの栗だけが盛り付けて差し出されているような、「いちばん美味しいところ」を切り出して見せてくれるその場面、ひとつひとつが刺激的で実に良かった。どうなっていくのかと手に汗握った。もちろん、立花大将ファンのわたくしといたしましても、あの、「一人称“私”」「覚悟を決めた軍人」「どんな状況でも己の矜持を捨てない漢」な立花大将に、メロメロです。いやー、良いものを見せていただいたわ。オレたち14帝國のシリアス展開の立花大将はいつもカッコよくてキャラがぶれなくて大好きなのですが、この大将は実に良かったわー(ほくほく)。
 
 また、元帥になり替わり、風間少佐を試す定光寺中将の場面では、たとえその姿を現さずとも、この世界の「柊生元帥」の存在は大きく絶対であることがはっきりと示されるて、ぞくぞくします。実体は無くとも、ここには「柊生元帥」がいるのです。しかも、こういう、それぞれが独立して面白い(ていうか、おいしい)場面ひとつひとつをつなぐのが、「すべては皇帝陛下の夢なのだ」という幻創論であるという、この前提がね!もうたまらなくてですね!(ぱんぱん)(肩をたたく音)(おばちゃんか)。やっぱりシリアス展開の前半は、謎を残しつつ世界観を明示してくれるのが嬉しい…。欲をいえば、こんなに良いものを見せてくれるなら、あとひとつ、定光寺中将をあっさりと殺す立花大将とかも見たかったにゃー(鬼か)。アックスくんの裏切りとかあってもいいよねー…と、見ているこちらも、どんどん夢が膨らむ。そういう意味でも、うっとりした前半でした。

 オールナイト14。わたしは前回のダイヤモンドホール式典は不参加だったので、いまひとつ分りませんでしたが、「マルモリダンス」するのがお約束になってたのかな。そして「マルモリダンス」を普通に知らなかった中将がさりげなくおかしかった。それは地デジ化失敗とかじゃなくて、単におっさんなのでは(失礼)。まあ、でもこのダンスに関しては「少しだけなら」「前回、舞台を見てたから」とか云ってただけの五藤中尉が!あれ、素人じゃないよ、どうしてそこまで完璧なの?(笑)という振りの切れで素晴らしかったです。なんでそんなに目が細くなるまで笑いながら楽しそうにするの?(笑)もう本当に可愛い…五藤中尉が可愛かった…。

 また、「式典でなにかしようと思ったら現実に事件が起きるという不思議」について触れてしまった、「DVDでは全カット」(BY草薙大佐)のトークは、うん、確かにひどかった(笑)。でも、真面目な話、私はああいう不謹慎さというかブラックさもまた14帝國には常に存在する要素の一つだと思ってます。ほのかにアングラっぽい。そして、なんというか、その、仲間内っぽさというか、内輪ネタっぽさを前提にしているところが帝國らしい。そういうなかでいちばん常識人の対応をするのが草薙大佐というのが地味におかしかった。元帥がいたころであれば暴走するのは元帥で、その火消しを中将がしたものだけど、中将も元帥のお友達だけありますね、あれは。

 で、中将といえば、久々の式典参加となるAきちゃんにも、見る前に「覚悟しておいてください」「予想以上のものが出てきます、主に重量の面で」と釘を刺しておいた、その、肉襦袢というか着ぐるみというか、のあれです。しかしもうそうやってお茶をにごした表現はやめたほうがいいかとも思うので、わかりやすくデブ問題と書きますが、一向に改善されてない…。わたしはもうほぼオレ14の式典にしか参加していないので、中将のお姿を拝見するのは数カ月に一回なのに、変わってない…ていうかもしかしたら、増加して、ない、か、な…。だって、(もうこれ何回書いたか分りませんが)いつもは、オンブラッタと最初のシリアスシーンとかではちょっと安心するんですよ。主にライトの加減のせいで、心持ち、微妙に、信じてる人間には見える範囲で、肉が落ちてる感じがするから(そして動き出してから現実と向かい合うのだ)。でも、今回は早かった。オンブラッタで後ろを向いて旗を取ろうとした動きがたまたま隣の大将と同じポーズだったため、その(あえて下品な表現をしますが)ケツが大将よりデカいのが目に入った。はい終わった!しかしこれは本当にどうかと思う。健康面的にもどうかと思う。わたしの大いなる意思はあれを望んでいない。しかし、そう云い続けている臣民はもしかしてわたしだけなのか。わたしの知る限り、中将ファンのみなさまは、なんというか皆様とてもお優しくて、母のように姉のように妹のようにかれを見守っている方々が多い印象なので、あれも受け入れているのかしら。あれを。(失礼が過ぎますわたし)。そして、こんな文章を書き連ねているわたしは、いつかそのうち吹き矢を飛ばされるかもしれません。しかしそれでも、「痩せてよ!中将!」(お願い元帥のノリで)

 そして、亡くなった立花大将の葬儀の場面から(写真がふっさふさ!ていうか、あれもしかしたら第14帝國のVol7あたりからの使いまわしじゃないのか)始まった後半は…もういちいちストーリーを書き連ねていく必要性をあまり感じないので、印象に残ったところだけの感想でいいかな…。というのは笑いすぎて前後のつながりを覚えていないせいなのですが。初めのころの、中将いぢめはオレ14恒例のリッターいぢりなので、何とも思わなかったのですが(ドリフテイストだなあと感じたくらいで)、白塗りあたりで(オールナイトのスケキヨはここにつながるの?)、正直、ちょっと退屈した。いや、それはまあ面白いのだけど、塗って面白い顔になりました、だけじゃそれで終わりじゃないですか。そう、いつもの帝國なら楽屋に引っ込んで落してきて終わりだったことでしょう。「いやーひどい目にあった」的に。

 しかし、今回のオレ14はそんなことで終わらなかった。なんと、半分落としてあしゅら男爵なキャラ設定で、式典進行!すごく単純な仕掛けなんだけど、これには死ぬほど笑った。前半のシリアス台詞と展開を、後半でそのまま使って落差で笑わせるのは帝國の定番ネタなのですが、そこまで落とされると本当に笑うしかない。ああ、これ、文章で読んでも、「へー」としか思わないでしょ?現場で見た破壊力はすごいよ!そしてあの、目玉親父さまは…親父さまは…(萌)。

 春木大佐と草薙大佐の悪いカキ氷屋も地味にうまくて面白かった。そして、アックスくんはどこまでいくんでしょうね、あれ。また、未亡人役の五藤中尉。おかしいな、共通点は黒だけなのに、わたしの目には喪服が見えた。和服だった。そんな中尉だからこそ、立花大将に「奥さん」と呼びかけられるだけで、昼メロの雰囲気が醸し出されるのですね。本当に五藤中尉はオレ14の式典回数が重ねれば重なるほど、キャラや演技や存在感が抜群なものになっていく。「おねえさん」と春木大佐に呼びかけられたときに「やだ、もう」の手つきの巧みさよ。

 オレ14の式典では、こういう感じで、どのリッターにもどこか見せ場があって、キャラが光る場所があるのがいいなあ。その見せ場に取ってつけ感が無い。人数が少ないからこそできることなのかもしれないけれど(あと、遊ばせておく余裕もないのかもだけど)、ダレそうでダレなさそうで、遊びまわってるようで、お話はちゃっかり進行している。「雪山」って、帝國にとって、鉄板ネタなんだろうなあ。式典の後半は笑うだけ笑ったあとに、きちんとしめをまとめてくれることだけを願うものです。そういう意味で、まとめかたはすっきりしていましたが、わたしとしては、もう少しラストが分り易ければいいかなとも。あれ、風間少佐は死にっぱなし?それともそれもまた夢?でも、そこで説明を加えるだけのそういう親切さがあったらかえってしらけたかな、うーん…風間少佐の夢、なんだろうな。元帥になること。それが叶った幕切れ。

  式典終了後の舞台挨拶も、実にぐだぐだで、それが楽しかった。みんなふわふわしてて、楽しそうで、にこにこだった。舞台の上にいるひとみんなが仲が良いのは素敵なことだ。そしてここで「我々も東京に行くので」と中将が口走ったときのるなさんのぬかよろこびっぷりがたいへんお気の毒でした。実際には、式典再演にゲスト出演だったのですが、オレたち14帝國でも東京に行ってください…。しかし、とにかく楽しい式典だったうえに、いつもよりメンツも多いということで、ぎりぎり新幹線の時間まで、身内で打ち上げとなりました。式典のあと、こうやって、「あの場面がね」「あのセリフがね」「五藤さん五藤さん五藤さん」(←誰だ)とさえずりあうのは、臣民にとって無償の喜びでございます。それが出来る式典でうれしい。すごくすごく楽しかった。お腹いっぱい笑って、陳腐な言い方だけど、「明日からまた頑張れる」と思える、そんな式典を見ることが出来て、本当に良かったです。

 ありがとう、オレたち14帝國。11月の式典も楽しみにしています。

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