8月の読書まとめ(1)

2014年8月の読書メーター
読んだ本の数:70冊
読んだページ数:17789ページ
ナイス数:797ナイス
世界で一番美しい猫の図鑑世界で一番美しい猫の図鑑感想
厚くて大判、まさに図鑑。古代から現代までの猫の品種を紹介した内容。血統の説明はブリーダーの個人名まで出てきて専門的な感じですが、写真の猫たちの美しさと雰囲気は猫好きなら誰でも楽しめるのでは。図鑑から連想しがちな全体像の写真ではなく、それぞれの猫種の特徴を掴んだアーティスティックな写真が多いです。
読了日:8月30日 著者:タムシン・ピッケラル
ベルリン 分断された都市ベルリン 分断された都市
読了日:8月30日 著者:ズザンネ・ブッデンベルク,トーマス・ヘンゼラー
臓器ちゃん、のぞいてみました臓器ちゃん、のぞいてみました感想
HOWTO人間ドッグな内容のコミックエッセイ。人間ドッグを受ける為の問い合わせの部分から返ってきた診断結果の読み方まで頭から尻尾まで解説されています。自分の結果を手元に置いてみると面白いかもしれません。ただ、作家さんのカラーなのでしょうが、挟み込まれる下ネタが単純に下品なので純粋に人間ドッグについて知りたいだけの人が読むと不快になるかも。
読了日:8月30日 著者:腹肉ツヤ子
病気になるサプリ 危険な健康食品 (幻冬舎新書)病気になるサプリ 危険な健康食品 (幻冬舎新書)感想
「健康に良い」「アンチエイジング」「ダイエット」といった謳い文句とニコニコ笑顔の使用者の「人生が変わった」というコメントと共に推薦されるたくさんの健康食品やサプリ。その正体を理科教育の専門家が丁寧に解説した内容で、読み応え有ります。個人的には、日本のサプリをめぐる現状についての部分が知らないことばかりで驚きでした。まずは目次を見て、自分が気になる項目から拾い読みしてみる感じでもいいかも。でも、それで面白かったり驚いたりしたら、全体をしっかり読みこんでいくのがベストだと思います。
読了日:8月30日 著者:左巻健男
図説朝食の歴史図説朝食の歴史感想
一日の始めの食事「朝食」について、古代ギリシャ時代から現代ヨーロッパを中心に、3000年の時代をさかのぼり、その記述と図版をまとめたもの。カラー図版が多くてとても楽しめる。また、時代や文化による違い、名作文学や絵画に登場する朝食の扱われ方なども丁寧に語られていて興味深かった。最後にはレシピまで掲載されています。食事に興味ある人ならおすすめ。
読了日:8月30日 著者:アンドリュードルビー
ふたりの本棚 ナリコとノリコの往復書簡ふたりの本棚 ナリコとノリコの往復書簡感想
ミニコミ文筆家とネット古書店の店主による往復書簡。古本や作家に関する話題が中心ですが、京都という土地やそれぞれの季節をめぐる文章もあって、ブログのように軽く読めます。話題に上がる本もそれぞれ、面白そう。
読了日:8月30日 著者:近代ナリコ,市川慎子
SFマガジン700【国内篇】 (創刊700号記念アンソロジー)SFマガジン700【国内篇】 (創刊700号記念アンソロジー)感想
創刊当時から現在までの掲載作品からまさに「総力戦」かつ「書籍未収録」もの、マンガ、エッセイまで集めたアンソロジイ。初読も既読も両方あったけれど、どれもが粒揃いというか宝石揃いのラインナップで堪能しました。とりわけ、初読の秋山瑞人「海原の用心棒」が素晴らしかった。泣きました。こういう未知の作家との幸福な出会いがあるからこそ、アンソロジイを読むのは止められないのです。おすすめ。
読了日:8月30日 著者:
ひとりぼっちだけど ほめられたくてせっせと料理写真をアップしてます。 (メディアファクトリーのコミックエッセイ)ひとりぼっちだけど ほめられたくてせっせと料理写真をアップしてます。 (メディアファクトリーのコミックエッセイ)感想
題名そのままのエッセイコミック。単に料理をしている男子、というだけじゃなくて、その写真をSNSにUPすることがどういうことか、という心理まで面白おかしく(でも誠実に正直に素直に)描かれていて、そこに好感が持てました。有名店でのオサレなカフェ飯とかより、こういう身近な食材での家庭料理のほうが閲覧者として見ていて楽しいのは、背後にどういう心理があるのが読みとれるからかなーと思ったりも。面白かったです。
読了日:8月28日 著者:市川ヒロシ
スープの歴史 (「食」の図書館)スープの歴史 (「食」の図書館)感想
石器時代から現代まで、世界各国で飲まれてきたスープの歴史。パンとかチーズとかとは違って、あまりにも広い「スープ(汁気の多い煮込み料理)」という概念だといろいろとりこぼしもあるのだろうな…という気にもなりましたが、カラー図版も豊富で楽しく、国や時代によるスープの違いも面白く、興味深く読める内容でした。
読了日:8月28日 著者:ジャネット・クラークソン
すべてのJ-POPはパクリである (~現代ポップス論考)すべてのJ-POPはパクリである (~現代ポップス論考)感想
題名のキワドさに目が行きがちだけど、内容自体は副題の「現代ポップス論考」そのままで、まっとうに濃い内容。音楽理論には無知なので、そのあたりの内容の正しさは判断できないけれど、アニメソングやビジュアル系に言及している辺りは、悔しい気持ちで納得。何故悔しいかというと「そ、そんなこと分かってるけど、否定しないけど、それだけじゃないんだよ…」という気持ちもこみ上げてきてしまうくらいファンとしてはクールな分析だから。面白かったです。
読了日:8月28日 著者:マキタスポーツ
仁義なきキリスト教史仁義なきキリスト教史感想
田亀源五郎先生の総画が素晴らしい。キリスト教の歴史を広島ヤクザ抗争の見立てで再構成して小説化している、なんともワイルドな一冊です。基礎知識が無いとかなり難しいはずの叙任権や十字軍遠征、イエス死後のキリスト教の成り立ちという素材を勢いで読ませてしまう筆力に楽しませてもらいました。ただ、キリスト教徒の方が読んだらどう思うかなあ…という気持ちもあります。
読了日:8月28日 著者:架神恭介
結婚まで (ブルー・ボウ・シリーズ)結婚まで (ブルー・ボウ・シリーズ)感想
結婚をテーマにしたアンソロジー。夫婦の会話のみで構成されたコーバー「おだやかな団らん」のリアリティがすごい。こんなのただの夫婦喧嘩を書き写しただけ、と片付けられそうなほどのリアリティが怖い。全体的に、(書かれた時代の関係もあってか)女性蔑視の雰囲気があったり、苦い後味が残る作品が多いです。さらにアンソロジーにも関わらず、解説が個々の作品の解説をまったくしていないのでそこが残念な一冊です。
読了日:8月28日 著者:アーウィンショー,中田耕治
山賊ダイアリー(5) (イブニングKC)山賊ダイアリー(5) (イブニングKC)感想
いつも通りの、のんびりローカル猟師ライフのエッセイマンガと思いきや、この巻では猟の厳しさ怖さも思い知らされるエピソードが。その体験を通じての主人公の気持ちが描かれるところが、とても良いと思いました。親身になって叱ってくれる年長者がいるコミュニティって、面倒くさいこともあるかもしれないけれど、命のやりとりをするひとたちのあいだでは大事な場でもあるんだな。そして、食べてみたくなったのはヒヨドリのスープ。ダメだと思ったのは赤木さんの自炊でした(アカミミガメ…)。
読了日:8月28日 著者:岡本健太郎
鬼灯の冷徹(15) (モーニング KC)鬼灯の冷徹(15) (モーニング KC)感想
淡々としたリズムで進むお話が読んでいて心地良い。派手な展開とか鋭いギャグとかじゃなくて、このまったりとした雰囲気と時に滑るべタな笑いがこのマンガの魅力だと思うので、個人的にとても良かったです。絵の描きこみも細かいところまで楽しめる感じに戻ってきた感じで嬉しい。この調子でのんびりと続けていってほしいと思います。
読了日:8月28日 著者:江口夏実
日本全国ご当地スーパー 隠れた絶品、見~つけた!日本全国ご当地スーパー 隠れた絶品、見~つけた!
読了日:8月23日 著者:菅原佳己
未闘病記――膠原病、「混合性結合組織病」の (膠原病、「混合性結合組織病」の未闘病記)未闘病記――膠原病、「混合性結合組織病」の (膠原病、「混合性結合組織病」の未闘病記)感想
「群像」に掲載されたときから読んでいたけれど、こうやってまとめて読むとまた感慨深いものがある。笙野頼子の小説の凄みと面白さが文章から溢れて零れ出して、読みながらそれに溺れるような感じになるこの感覚が大好きです。こんなひと、ほかにどこにもいない。幻想と現実生活と私小説的な苦しさと、そのどれもから自由に飛び回ることが出来る言葉の力を味わっていると涙ぐみたくなります。笙野頼子はわたしの神。
読了日:8月23日 著者:笙野頼子
事件当夜は雨 (創元推理文庫)事件当夜は雨 (創元推理文庫)感想
土砂降りの雨の夜、射殺された果樹園主。犯人を追う警察の捜査活動を緻密に描いた警察小説。こういうジャンルのミステリはあまり読んだことなかったのですが、少しずつ明らかになっていく犯人像…と思わせておいて、そこからの捻りが面白かったです。
読了日:8月23日 著者:ヒラリーウォー
恋愛は小説か恋愛は小説か
読了日:8月23日 著者:片岡義男
「医療否定本」に殺されないための48の真実「医療否定本」に殺されないための48の真実
読了日:8月23日 著者:長尾和宏
世界を変えた野菜読本―トマト、ジャガイモ、トウモロコシ、トウガラシ世界を変えた野菜読本―トマト、ジャガイモ、トウモロコシ、トウガラシ感想
南北アメリカ原産の食材が、世界に与えた影響とその歴史についての一冊。取りあげられている野菜の種類が多いので、ひとつひとつの歴史についてはわりとあっさりしていますが、そのぶん、読みやすいかと思います。トマトやジャガイモ、トウガラシなどメジャーな植物以外にも、意外な植物が南北アメリカ原産であることが知れて面白かったです。
読了日:8月23日 著者:シルヴィア・ジョンソン
殺人コレクション (ブルー・ボウ・シリーズ)殺人コレクション (ブルー・ボウ・シリーズ)感想
殺人がテーマのアンソロジー。正直な感想は、石の方が多い玉石混合ですが、初老の女性が旅先で出会った恋の顛末を描いたクエンティン・パトリック「ルーシーの初恋」が良かったです。
読了日:8月23日 著者:ヘンリースレッサー,中田耕治
冬の犬 (新潮クレスト・ブックス)冬の犬 (新潮クレスト・ブックス)感想
短編集。一篇一篇が重く、厳しく、でも読んでいて不思議なほど重苦しくない。厳しい自然のなかで生きている動物と人間の関わり、時代によって変化させられていくひとの生きかた。どれも厳しく寂しい世界を描いているけれども、「島」の最後の奇跡のような一文や、「完璧なる調和」のラストシーンの温かさに、私は思わず泣きそうになったのです。
読了日:8月23日 著者:アリステア・マクラウド
プリティ・モンスターズプリティ・モンスターズ感想
短編集。すべて思春期の少年や少女が主人公なせいか、どれも瑞々しく切ない情感がこめられつつも、とても幻想的。安易にジャンル分け出来ないような内容ばかりなので、不思議でヘンテコで、でも魅力的な世界が好きなひとにおすすめ。個人的には、ファンタジイ色の濃い「パーフィルの魔法使い」、新型インフルエンザが蔓延する世界での少年の成長を描いた「サーフィン」、魔術を使う母娘の物語「アバルの治安官」の三作がとても好きです。
読了日:8月23日 著者:ケリー・リンク
料理と科学のおいしい出会い: 分子調理が食の常識を変える (DOJIN選書)料理と科学のおいしい出会い: 分子調理が食の常識を変える (DOJIN選書)感想
料理はどこまで進化していくのか。美味しさを感じる人間の能力、食材をどこまでも変化させていくことによって得られる未知の食感や味覚、技術の進歩にともなってさらに改良が進む調理器具まで、科学技術と食の関係について丁寧に解説した一冊。難しいところもありましたが、とても面白く読めました。
読了日:8月23日 著者:石川伸一
死人の鏡 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)死人の鏡 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)感想
短編集。名探偵ポアロが登場する謎解きのミステリではあるものの、やはり人間心理の綾を描いた作品として読んでしまいます。そして、クリスティーの作品はその面でも素晴らしく優れているのだと再確認しました。通俗的といわれそうですが、人妻をめぐる三角関係のたどりついた結末をポアロが的確に見抜いた「砂にかかれた三角形」、また「死人の鏡」のラストの一言がもたらす余韻の雰囲気がとても良かったです。
読了日:8月23日 著者:アガサ・クリスティー
終りなき夜に生れつく (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)終りなき夜に生れつく (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)感想
傑作。謎解きのミステリではなく、ひとつの恐ろしい運命の物語として読んだ。周囲の人間の差し伸べる手や環境の力があっても、ただ、そういう風に生まれついてしまう人間が存在しているという事実を、冷たく、そして哀しく描写するクリスティーの視点に圧倒されました。50年近く前の小説ですが、登場人物の心性は時代を超えて共感し理解され、恐れられるものであると思います。文句無しにおすすめ。
読了日:8月23日 著者:アガサ・クリスティー
桃色珊瑚桃色珊瑚感想
兄の謎めいた友人との夕暮れの思い出。死期が近づく父。外国に行った兄を待ち続ける妹には、新しい出会いが訪れる。濃密で歪んだ愛情の物語。どこまでも熱い泥に足を掴まれて逃げられないような気持ちで読み続けた。すごいなあ。これ、本当にすごい。読む人によっては全く受け付けられずに嘔吐したくなるような本かもしれない。でも、そうでない人にとっては、確かに歪んではいるけれども否定することは出来ない寂しい情熱の物語であるかもしれない。すごかったです。
読了日:8月16日 著者:図子慧
夏のルール夏のルール
読了日:8月16日 著者:ショーンタン
GHQの見たニッポン~開封された秘蔵写真GHQの見たニッポン~開封された秘蔵写真
読了日:8月16日 著者:秦郁彦,森山真弓,竹前栄治,佐木隆三,鴨下信一
まんが親 3 (ビッグコミックススペシャル)まんが親 3 (ビッグコミックススペシャル)
読了日:8月16日 著者:吉田戦車
諸星大二郎特選集 子供の情景 (ビッグコミックススペシャル)諸星大二郎特選集 子供の情景 (ビッグコミックススペシャル)
読了日:8月16日 著者:諸星大二郎
実家のかたづけ はじめました。: 親が元気なうちにきれいにしたい!実家のかたづけ はじめました。: 親が元気なうちにきれいにしたい!感想
題名通りの内容ですが、まだまだそんな時期ではない自分でもじっくり読みこんでしまいました。親といえど自分が独立した後はよその家となるんだなあ。その片づけの大変さと行動に移すための具体的ノウハウまで、コミックも入れながら分かりやすく語られています。モデルルームのような家を目指すのではなく、あくまで暮らしやすい家を目指すための内容なので、現実的だと思いました。
読了日:8月16日 著者:堀口祐子
白暮のクロニクル 3 (ビッグコミックス)白暮のクロニクル 3 (ビッグコミックス)感想
今いちばん楽しみにしている伝奇ミステリ最新刊。これまでの巻では、慎重に言及されなかった「オキナガってつまり“吸血鬼”ではないの?」という疑問にさらっと答え、なおかつかれらの具体的な生態にも踏み込んだ感がある。シリアスな部分と挟み込まれるコミカルな台詞とのバランスが実に面白いです。こういう作品はひたすら続きを待つだけです。楽しみ!
読了日:8月16日 著者:ゆうきまさみ
天体戦士サンレッド(19) (ヤングガンガンコミックス)天体戦士サンレッド(19) (ヤングガンガンコミックス)感想
良い意味で変わらないマンネリ感が安心できる最新刊。個人的には「怪人だらけの鍋パーティ」や「ルゴルとレッド」といった登場人物がダラダラお喋りしているだけの話がすごく好きなのです。どっからみてもそこらの兄ちゃんたちたちの世界なのに、しっかり怪人やヒーローでもあるというこの世界観は、やっぱり「サンレッド」ならではだと思うから。そろそろアニメも新シーズン作らないかな…
読了日:8月16日 著者:くぼたまこと
われはラザロわれはラザロ感想
短編集。息苦しい。どこにも逃げ場は無く、理解者もいない。憎まれたり嫌われたり、嘲りの視線が向けられる。ただ虚しい行き止まり感に満ちた世界のなかで絶望する個人が立ちすくむ。そんな世界ばかりが並んでいるけれど、読み進めずにはいられないのだ。この不思議な世界の人々の抱える空しさや孤独感、不条理な境遇のどこかに、読者である人間が生活の中で出会う普遍的な感情が潜んでいるように思えるからかもしれない。カヴァンはやはり、すごいのです。
読了日:8月16日 著者:アンナ・カヴァン
結婚結婚感想
28歳という年齢の二人の女性が直面する結婚という現実。いまの日本のリアルな「結婚」や「家族」というものへの分析が、素晴らしく橋本治的な明確さなので、その鋭さがすでに結婚してしまった自分にも痛いほどでした。物語的な波乱万丈さは無いし、小説としてはあまりに唐突なラストに「ええ?!」でしたが、それでも、そこに至るまでの登場人物のリアルな迷いと現代社会をさくっと解析する作者の視点が面白かったので、いいかな…と思ってしまう私はやっぱり橋本治ファンなのでした。良かったです。
読了日:8月16日 著者:橋本治
地上の飯―皿めぐり航海記地上の飯―皿めぐり航海記感想
米と豆の粉を発酵させて作るイディリ、塩魚ケーキことアクラ、スターチ・マンゴー…初めて聞く様々な異国の食べ物についての蘊蓄とそれにまつわる思い出と、異国の空気まで伝わってくるような文章がとても良かった。分かりやすく軽い読み心地だけど、いい加減ではなく、その背後にある異国の文化や習慣についても自然と知ることが出来るような、そんな文章だと思う。食べることは生きること、そんなシンプルな原則をもう一度感じ直したような読後感でした。
読了日:8月16日 著者:中村和恵
FOR LADIES BY LADIES―女性のエッセイ・アンソロジー (ちくま文庫)FOR LADIES BY LADIES―女性のエッセイ・アンソロジー (ちくま文庫)感想
「女性による女性について」のエッセイアンソロジー。50年代から90年代までの幅広い年代、歌手、画家、作家と様々な職業の女性たちではあるけれど、ばらついた印象は無い。どの言葉も楽しく、可愛く、真剣で、素敵なものばかりなので、それらが集められたこの一冊はさながらひとつの花束のよう。素晴らしい一冊です。
読了日:8月13日 著者:
デイヴィッド・オグルヴィ 広告を変えた男デイヴィッド・オグルヴィ 広告を変えた男感想
「世界で最も著名な広告人」デイヴィッド・オグルヴィの誕生から逝去までを丹念に追った伝記。素晴らしくエネルギッシュで、傲慢で、才能があるのに時に不器用な、たまらなく面白い人物の人生を楽しませてもらいました。広告に興味があるひとならばもちろん、ビジネスや人間心理に興味がある人にもお勧めです。
読了日:8月13日 著者:ケネス・ローマン,KennethRoman
<img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/41SCTIgWOiL._SX100_.jpg" alt="猫は神さまの贈り物” align=”left” style=”margin:0 5px 5px 0;border:1px solid #dcdcdc;”><a href="http://book.akahoshitakuya.com/b/4408594113" title="猫は神さまの贈り物”>猫は神さまの贈り物の<a href="http://book.akahoshitakuya.com/cmt/40310266" title="猫は神さまの贈り物のくさてるさんの感想”>感想
18人の文筆家による猫に関するエッセイのアンソロジー。どれも猫への愛情はしっかり伝わってくる内容です。ただし、どれもが昭和のエッセイなので、いまの時代の猫飼いからすると、辛い描写もしばしば…。
読了日:8月13日 著者:谷崎潤一郎,奥野信太郎,熊井明子,夏目漱石,中村眞一郎,柳田國男,山崎朋子,黒田亮,島津久基,木村荘八,寺田寅彦,大佛次郎,豊島与志雄,白石冬美,吉行淳之介,長部日出雄,山本容朗
ヒトラー演説 - 熱狂の真実 (中公新書)ヒトラー演説 – 熱狂の真実 (中公新書)感想
かのヒトラーをカリスマたらしめた、かれ自身の伝説的な演説の力についての本。言語面についての数量的な分析が中心だけど、それだけでなく、歴史や社会的な面からも、その演説が当時の社会にもたらした影響が丁寧に紹介されている。専門的な部分には難しい所もあったけど、歴史の流れによって変化していくヒトラーの演説についての解説がとても面白かったです。
読了日:8月13日 著者:高田博行
喰らう読書術 ~一番おもしろい本の読み方~ (ワニブックスPLUS新書)喰らう読書術 ~一番おもしろい本の読み方~ (ワニブックスPLUS新書)
読了日:8月10日 著者:荒俣宏
思い出のマーニー〈下〉 (岩波少年文庫)思い出のマーニー〈下〉 (岩波少年文庫)感想
孤独な少女だったアンナが、新たな出会いによって自然と人と関わり、不思議な存在だったマーニーの正体を改めて受け入れていく下巻。児童文学にときたま存在する不思議で奇妙で、けれどせつない物語でとても良かったです。しかしこれを映画化するとして、舞台を日本にする意味がまったく分からないのも事実です…。観れば分かるのかな。
読了日:8月10日 著者:ジョーンロビンソン
思い出のマーニー〈上〉 (岩波少年文庫)思い出のマーニー〈上〉 (岩波少年文庫)感想
映画化で手に取った一冊。子どもの頃に読んでいたかと思ったのだけど、未読でした。映画も観ていません。しかし、冒頭の「アンナ」の部分だけで、これを子どもの頃に読んでいたらたまらなく「自分の本」として気持ちを掴まれてしまっただろうなあ…と感じました。不器用で、ぎりぎりの線で何とか自分を保っている孤独な少女。彼女がマーニーという存在にのめりこんでいきながら同時に現実から遠ざかっていく過程がスリリングでした。
読了日:8月10日 著者:ジョーンロビンソン
アガサ・クリスティー完全攻略アガサ・クリスティー完全攻略感想
読みながら、いますぐクリスティーを再読せねば!という衝動に駆られました。これは危険な一冊です(笑)。クリスティーの全99作品を評論する丁寧な仕事で、ネタバレに最大限に気を遣いながらも無味乾燥なところはなく、作品の魅力を余すことなく伝えている内容。実に面白かったです。
読了日:8月10日 著者:霜月蒼
デラックスじゃないデラックスじゃない
読了日:8月10日 著者:マツコデラックス
共産主婦―東側諸国のレトロ家庭用品と女性たちの一日 (共産趣味インターナショナル)共産主婦―東側諸国のレトロ家庭用品と女性たちの一日 (共産趣味インターナショナル)感想
70年代から80年代にかけての、東ドイツ、ポーランド、チェコなど、かつてこの世界に存在した共産圏。その東側諸国に暮らす主婦たちの生活をヴィンテージな小物を使って再現した内容。レトロでキッチュなデザインの品々がお好きな方にはたまらないと思われます。実用的で無骨で、おしゃれとは言い難いのだけど、その堅さが個性となって、いまの視点で見るとそれが魅力…。なんともいえない楽しさです。
読了日:8月10日 著者:イスクラ
母なる自然があなたを殺そうとしている母なる自然があなたを殺そうとしている感想
「自然」な生き方ってなんだろう?世界の様々な場所でコウモリの生態観察を行ってきた科学者である著者が、7つの大罪の視点から、自然に生きる生物の生態を解説した内容。人間が都合よく考える「自然」なんてこの世には存在しないんだなーと思いました。野性動物や昆虫の生態についての記述が中心ですが、愛する女性と結ばれ、父となった男性のごく当り前な気持ちの変化とそれも科学的に考察してしまう科学者ならではの述懐も多く、面白い内容です。が、翻訳がもう少しこなれていたなら、もっと読みやすかったのでは…。
読了日:8月10日 著者:ダン・リスキン
歴代首相のおもてなし ~晩餐会のメニューに秘められた外交戦略 (宝島社新書)歴代首相のおもてなし ~晩餐会のメニューに秘められた外交戦略 (宝島社新書)感想
各国の首相を迎えての饗宴や宮中での晩餐会についての本です。歴代首相それぞれのエピソードやメニューの解説、そのなかにこめられた狙いや歴史にともなう変化など、盛りだくさんな内容。政治的に偏った内容ではなく、あくまで「饗宴」とその内容を中心に語っている著者の姿勢がバランス良くて好感が持てました。料理人や政治家の逸話が面白かったです。
読了日:8月10日 著者:西川恵
夢魔 (ブルー・ボウ・シリーズ)夢魔 (ブルー・ボウ・シリーズ)感想
短編集。ホラーというより怪奇小説、と表現した方が良さそうな古めかしい雰囲気の作品が多く収録されています。そんななか、最後の一文がぞっとする余韻を残す「恐怖が追ってくる」(この題名でなければ!)が個人的にはいちばん良かったです。
読了日:8月10日 著者:ロバートブロック,中田耕治
凶悪犯罪者こそ更生します (新潮新書)凶悪犯罪者こそ更生します (新潮新書)感想
刺激的な題名だけど、中身を読んだら納得させられる部分は多い。刑務所の内情といえば美達大和の著作が有名だけど、かれについての指摘の部分は思ってもいなかった視点からの言葉で、興味深かった。読む人によって評価は分かれる内容だと思うけれど、受刑者と実際に接してきた専門家ならではの言葉だと思います。
読了日:8月10日 著者:岡本茂樹
忘却の声 下忘却の声 下感想
少しずつ進んでいく認知症を抱えながら、自分を取り巻く状況に翻弄され包も、その場その場で自分にとって自然な行動を取ろうとする主人公と、周囲の人間の言動から見え隠れする事件の真相の取り合わせが痛ましく思えてならなかった。いくらでも読み手を騙すことが出来る内容だと思うのに、そういう小手先のトリックではなくあくまでまっとうなミステリだったと思います。上下巻と厚めの二冊だったけれど一気に読むことが出来ました。面白かったです。
読了日:8月10日 著者:アリス・ラプラント
忘却の声 上忘却の声 上感想
認知症を患う女性の視点から語られる殺人事件とその謎。混濁した記憶のなか。きれぎれに語られる述懐から少しずつ明らかになっていく、彼女のこれまでの人生と、殺された親友との関係。明確になったかと思うとまたふっとまどろんでいく彼女の自意識の表現と殺人の謎の両方が巧く絡み合ってとても面白く読んだ。
読了日:8月10日 著者:アリス・ラプラント
謎の物語 (ちくま文庫)謎の物語 (ちくま文庫)感想
様々な謎を含み、その謎が作中で明かされないままで終わる作品を集めたアンソロジイ。「女か虎か」をはじめとして有名作も多く収録されていますが、個人的には、読み終えたあとに理屈で無い余韻が残る、木々高太郎「新月」がとても好きです。これは解決篇なんかいらないんじゃないかと思うのですが…。既読作では、デ・ラ・メア「なぞ」がやっぱり素晴らしい。謎しか残らない作品なのに、こんなに美しい作品は滅多にないと思います。面白いアンソロジイでした。
読了日:8月10日 著者:

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