菫の花の砂糖漬け

 遅いわ、と峰不二子は思う。  そろそろ夜が明けようとしていた。不二子はその部屋のドアを開けると、とりあえずベッドに腰かけて、あたりを見回した。もともとあくまで仮住まいのアジト、その中で適当に選んだであろう一室だけあって…

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