というわけで行ってきました、Yuji Ohno & Lupintic Six(公式サイト)によるルパンジャズライブ!大野先生のライブ、いちどは体験したかったのでチケットを取ってからずっと楽しみにしていたのですが、予想以上の楽しさでした。
早速、このブログで感想を書いていこうと思うのですが、わたしは大野先生のライブも初体験、かつほとんど事前情報もなしで赴きましたので、昔からのファンの方からすれば、おかしなことを書いているかもしれません。温かい目で読んで下さると嬉しいです。また、MCの内容、曲目等のネタばれ?もありますのでご注意を。当然のことながら、録音などもしておりませんので、あくまで記憶に頼った記述となります。なにか問題などありましたら、メールフォーム等でご示唆頂けると有難く思います。どうぞよろしくお願いします。
とりあえず、会場入りしてから物販を見たら、物販でCDお買い上げのかたには終演後、大野雄二氏によるサイン会が行われますと告知があって倒れました。いやいやいや待って。大野雄二先生ですよ?大野先生といえばルパンだけでなく、かの犬神家の一族やその他の詳しくはwiki参照(URL)としか言いようがないリビングレジェンドじゃないですか!ルパン関係そう言う人多いけど、サ、サインとかマジですか、いいんですか、もともと40周年記念企画の話もあったから未購入のものはここで買うつもりだったんですが…。震える。
とか言ってたら、CD/DVDを一定金額以上お買い上げのかたにはオリジナルチケットファイルを先着30名様限定でプレゼントとかもありました。ええ、オタクだからこういうの弱いんだよ!と散財しました。このチケットファイル、表の図柄はPARTⅣのものでしたが(URL ←これと同じです。背景が黒)、その結果、まさかの五ヱ門レスになっていて驚きました。裏はタッド星谷さんが描かれたYuji Ohno & Lupintic Sixの可愛いイラストです。
場内に入ってみると、地元紙の広告を見てあわてて取ったチケットにもかかわらず、かなりの良席でニコニコしました。なんせジャズライブなんて初めて参加するのでなにもかもドキドキです。セットリストは以下の通り。
1. Buono!Buono!
(MC)
2.ラブ・スコール
3.ちゃんと言わなきゃ愛さない
(MC)
5.銭形マーチ
(MC)
6.TORNEDO
(MC)
7.ルパン三世愛のテーマ
8.ルパン三世のテーマ
En 1..炎のたからもの(ピアノ・ソロ)
2.サンバ・テンペラード
それぞれ、曲名のあとに「2016」とかついてるかもしれませんが、そこらへんはご容赦を。しかしご覧ください、このラインナップ。大満足ですよ!
一曲目からして、大好きな「Buono!Buono!」で一気に盛り上がりました。この曲はPVもカッコいいので未見のかたはぜひご覧になってください
そしてこの曲で、ギターの和泉さんによるLupintic Sixと観客のみなさんとをつなぐ架け橋的なジェスチャーのレクチャーが。大野先生が公式Twitter(URL)で上げられている写真で、観客の皆さんがしているポーズ、あれなんだろうなあと思ってたんですが、右腕をまっすぐ伸ばし、左腕で丸く円を作り、6という数字を表現したものでした。すいません、わたし、和泉さんに「6です」と説明されるまで、素で「シェー」をやってるのかと……。
「あの大人気キャラクター、峰不二子の曲です」的に紹介された「ラブ・スコール」もなんともムードがあって良かったのですが、続く「ちゃんと言わなきゃ愛さない」について、「先日放送された、新しいルパンのTVシリーズのエンディング曲なんですが、新しいシリーズ、見た人!」と会場に挙手を求めた和泉さん。もちろん手は挙がるのですが、続いて「正直に言って、見てない人!」でもけっこうに手が上がる結果に。そして、それを見た瞬間、ステージ上から「死刑」という声が上がったのですが、あの、わたしの聞き間違いでなければ、お、大野先生がおっしゃった……?でも、きっとこの地元ではものすごい深夜放送だったからではないでしょうか……。そしてもちろん「ちゃんと言わなきゃ愛さない」はボーカル無しでも、とってもキュートなナンバーでした。可愛い!
MCを担当して、メンバー紹介などもほとんど一手に引き受けていたのが、ギターの和泉聡志さん。帽子が似合うイケメンさんです。このYuji Ohno & Lupintic Sixの前身であるLupintic Fiveから在籍していて、「ひとり増えたからSix、分かりやすいですね。そのうちLupintic48に……」と言って笑いをさらっていました。バンドの中には必ずひとりはこういうベシャリが得意なひとがいるものです。大野先生の偉業を説明するのに、和泉さんは明らかに生まれていない時代のネタを熱演されるのがたいへんに好印象のナイスガイでした。なおかつ、MCで噛む人は珍しくないけれど、和泉さんは噛むときにふにゃふにゃんにして笑わせるので可愛かった。そしてわたしは物販の告知で頑張るバンドマン大好きで、とくに小芝居を入れてくるタイプのひとを愛してるのですが、和泉さんはそこらへんでも満点。全員が同じタイミングで物販のタオルで汗を拭き始めたのが楽しかった。
大野先生は、倉敷は初めてとのことでしたが、新幹線でやってきて、倉敷らしいものをなにも見ないまま今夜は姫路まで戻られるそうです。岡山に泊まりたかったが、年に一度のマラソン大会(給水所でランナーにきび団子を配るという、地元民でもそれ大丈夫なのかなという思いに駆られるマラソン大会です)のせいで宿が取れなかったとか。今回、初めて生で喋られるお姿を拝見したのですが、思ってたよりもずっと柔らかく軽い感じでお話しされて、失礼な表現かもしれませんが、とてもキュートなおじいさまという印象でした。でも、演奏がはじまると、カッコ良くてもうただカッコ良くて!弾きながら立っちゃったり、肘が上がる感じがたまらない、ベテランながらも老成感よりもヤンチャさが光るような、素敵ピアニストでいらっしゃいました。
続く「銭形マーチ」は、ベースのミッチー長岡さんとドラムの市原康さんがフューチャリングされたナンバー。このお二人はメンバー紹介のときに「イッチー&ミッチー」としてヤン坊マー坊っぽい替え歌を楽しく歌われていて、もともと枯れ専要素のあるわたしのハートを直撃してたのです。髪が素敵な緑(?)に染まった市原さんも素敵だったのですが、ごめんなさい、生で見たら、わたしのなかのドストライクが、ミッチー長岡さんでした。思えばどんなバンドでもベーシストに迷う人生でした。キャリアを見るだけでレジェンドなのに(URL)、イッチーさんとニコニコしてるのがたまらないの。物販でチェキ売ってください。 しかし、とにかくベースの音が素晴らしかった。なんだこのカッコ良い音!指弾き大好き!その低音がずんずん来る感じ、しかもそれで「銭形マーチ」っていうのがたまらないんです。それを67歳のイケメンが軽やかに弾いているのです。もう拝むレベルでした。
でも、この「銭形マーチ」は、和泉さんのギターソロもヤバかった。いやもう、うまいとかヤバいとかそういう褒め言葉をこのレベルのプロの方を表現するのに使うのはかえって失礼ですが、なんだろうこれ!とため息でした。宮川純さんのハモンドオルガンも素敵。生で聞いたのは初めてですが、すごく気持ちいい音でした。なにげにフィギュアの不二子ちゃんが(多分)見守ってたのが可愛かった。
こんな感じで、音楽的、演奏的なことがまったく言えない感想で申し訳ありませんが、演奏レベルはもうわたしなんかがいちいち褒める必要もないことはおわかりでしょうから……。どの曲もヤバいんですが、個人的には市原さんと長岡さんのリズム隊が平均年齢67.5歳とは思えない、いや、もしかしたらその年齢だからこそなのかという激しさで、堪能しました。見ていて余裕があるんですよね。音と演奏をとてもリラックスして楽しんでいるけれど、ぬるくない、聞く側を油断させないこの感じ。ほんとうに素敵でため息です。
そして今日の演目、個人的ハイライトは、やっぱり「TORNEDO」でした。このバンドのなかでも一二を争う激しい曲で、健康状態に留意しながらやらなきゃいけない(笑)と和泉さんもおっしゃっていて、終わったあとに「全員ご無事で」とまでやっていたのですが、それもうなずける激しさと厳しさ、でも同時にたとえようもない美しさを持つ曲でした。
わたしが確かに知っている「TORNEDO」、いろんなバージョン違いでもさんざん聞いてきた、大好きなあの曲に間違いないのに、初めて聞いたかのような、深みと存在感を持つ曲として、この日わたしの前に現れました。音はいつでも空中に消えるから、たとえライブ盤を聞いても同じこの音は二度と現れない。それはライブではいつも感じることなのですが、こういうアレンジが聞いたバージョンで聴くと、よけいにそう思います。この曲はトランペットの松島啓之さんをフィーチャリングでしたが、あのトランペットが鳴り響いた瞬間に、あの次元大介がいました。そう、そこに次元が存在するかのように感じたんです。素晴らしくて、すごくって、涙が出そうになった。物語が立ち上がるような「TORNEDO」でした。
「ルパン三世愛のテーマ」は、サックスの鈴木央紹さんをフューチャリングしての曲。すいません、この曲に関しては、鈴木さんのサックスの音色が響いた瞬間に「エロい」のひとことでした。鈴木さんご自身がなんとも色気のあるタイプの二枚目(イケメンというよりこの表現が合うタイプの美男子)なせいか、セクシーとかそういうのを飛び越えて、エロい。ルパンの愛ならそれで間違いないかもしれないけど、とにかくむせかえるような色気がまとわりつく音色で奏でられる「愛のテーマ」でした。音が官能的なんですよ。すごかった。
そしてそんな皆さまがひとつになった本編最後の「ルパン三世のテーマ」は、カッコいいのひとことです。アレンジが効いててすごく面白かった。この曲に限らず、どの曲もCDとアレンジが全然違うんですね。しかもこっちのほうがわたし好みで、カッコいい!ズルい!(笑)という感じになってしまいました。そこらへんはジャズというジャンルに無知な私がどうこう言えることではありませんが、そういうものなのでしょうね。いやでもあの「TORNEDO」のためならライブ盤買えるわ、わたし……。
アンコールは観客のクラップに合わせて出てきた大野雄二先生によるピアノソロ。「曲名は言わない」とおっしゃったものの、始まってしまえばそれは誰にでも分かる、あの名曲「炎のたからもの」でした。これがほんとうに美しくてたまらなかった。ピアノの音ひとつひとつが、結晶のように響いてきらめいていた。ああいうものを聴かされると言葉が消えます。しんと静まり返った会場に、ピアノの一音一音が、実に美しかったです。音に光が宿るのを見た思いになりました。
そして続くバンドによるアンコールは、ずっと聞きたかった「サンバ・テンペラード」!これもアレンジきいて、各メンバーのソロもあって、楽しくもカッコいいナンバーとなっていました。和泉さんの呼びかけでそれまで座っていた観客も立ち上がり、手拍子で参加、最後には例のLupintic Sixのポーズを全員で決めました。楽しかった!「サンバ・テンペラード」自体は個人的に泣ける曲でもあるのですが、とにかく楽しく、盛り上がって終わった。それがとても良かったです。
終演後、CDを購入したひと向けの大野先生のサイン会があるということで、わたしもいそいそと列に並びました。お約束なのかもしれないけれど、あれだけの演奏のあとに軽く百人はいるであろうお客さんにサインって大野先生はタフだ……。すごく悩んだのですが、わたしはその日購入した「LET’S FALL IN JAZZ」の見開きにサインして頂くことにしました。しかし、サインだけだと思ったら、軽く握手までしてくださるサービスぶり。わたし、大野先生の手を握った瞬間、軽く腰が砕けてしまいました。ヤバい。わたしはいま神に触れた。
終演後のロビーには、ほかのLupintic Sixのメンバーさんも物販に並んでいて、気軽にサインなど応じておられる様子でしたが、大野先生だけで歩けなくなりそうになったわたしは、さらに他のメンバーさんと接触などしたら意識を失うに違いないと判断して、そのまま会場をあとにしました。
というわけで、とても楽しかったYuji Ohno & Lupintic Sixのライブでした!これまでに参加したことのないジャンルのライブだけに、いろいろ発見があって面白かったです。もちろん、生で、アレンジを聞かせたバージョンのルパン関連の名曲を味わうことが出来たのがいちばんの幸せです。ちょっと迷ってたけど、12月に出る「ルパン三世のテーマ」40周年記念のコンピレーションアルバムも、5月のキネマ倶楽部での映像付きのDVDがある限定版で買うしかないな!という気持ちになりました。わたし、踊らされてる!踊るの楽しい!(笑)
こんな風に長々と書きましたが、それだけ楽しく素晴らしい時間だったのだと思って頂ければ幸いです。大野先生のライブ、また機会があればぜひ参加したいと思います。ありがとうございました!