ルパン三世PART5第2話「ルパン・ゲーム」感想

 ルパン三世PART5第2話「ルパン・ゲーム」の感想です。公式サイトによるあらすじはこちら(URL)。(わたしはHuluにて視聴しています)以下の感想は、完全にネタバレですので、大丈夫な方のみご覧ください。

 「世紀の大泥棒、ルパン三世をハントせよ」。闇の非合法サイト「マルコ・ポーロ」のバックドアを入手するため、天才ハッカー少女、アミを地下塔から連れ出したルパン一味。その目論見は成功したものの、「マルコ・ポーロ」側の反撃で、“ルパン三世をハントする”という「ルパンゲーム」が広められた。一億人が参加するそのゲームによって、いまや世界中が警察官となり、追い詰められたルパンたちは……という1話のあらすじがOP前のアバンでした。こうやって見ると、よくできた導入部だなあ。

 さて、空港に到着したはいいが、どこもかしこもスマホ片手にルパンを撮影する一般人だらけ。しかもそこに銭形までが駆けつけたものだから、ルパンたちはあわてて逃げ出します。カートにアミちゃんを乗せて「右・左・右・壁!」と二人三脚状態のルパンと次元がかわゆい。壁ってなにかと思ったら、足をかけて曲がるのね。タブレットを持ったアミちゃんのナビで、飛行機を盗もうとするルパンですが、すでに滑走路にも銭形の手が回っています。作戦変更、と駐車場へ。そこでルパンは次元の示したゴツい車でなく、なぜか電気自動車を選びます。

 そして滑走路に飛び出したルパン一味と、銭形警部と八咫烏くん(面倒だから今後はヤタくんと書きます)のカーチェイス場面になります。ここがね!血気に逸るヤタくんと、十分にあせりつつも、状況を冷静に判断している銭形警部の組み合わせがすごくいいのです。銭形警部が有能なルパンはいいルパンです。

そして、なにより、放映直前の1分PVでも流れた、ヤタくんと五ェ門の一騎打ちがここでした。ヤバい。わたしずっとPART5の五ェ門はかわゆいとか言ってましたが、とんでもなかった。このときの五ェ門は、人斬りの目をしておりました。あの目。ヤタくんをなんとも思ってない(たぶん障害物レベルにしか感じてない)あの感じ。やだ五ェ門カッコいい……。そしてそのことを本能的に感じたからこそ、ヤタくんも一瞬だけあぜんとした後で「舐めるな!」と吠えるのですね。ライバル?ライバルになるの?(わくわく)

 銭形警部たちをやり過ごしたルパン一味はそのまま空港の倉庫へ。そこにあるのは滑走路を使用しない特別な機体。しかしそれを飛ばすための電源は、銭形によって切られている。万事休すのはずが、さきほど盗んだ電気自動車のバッテリーを使用しての見事な逃走となるのでした。ルパンと銭形の知恵比べ感があるこの一連の場面、面白かったなあ。銭形が抜けているわけでも、ルパンが卑怯なわけでもない(五ェ門という存在はチートに近いとは思いますが……)。泥棒と警官の真っ向勝負に、みごとルパンが勝利、という感じで良かったです。それにしても、銭形警部の「逃げ切ったと思うなよ、ルパン。これはただの第一ラウンドだ」って台詞がいいですな!

 場面は変わり、薄汚れたモーテルにいるルパン一味。横にも出た、鍋来ました、鍋!モツ山盛りの鍋なんだけど、フランスでまさかモツ鍋とは。次元さんは缶ビール、五ェ門はお銚子というあたりも楽しい。フランスで入手したとは思えないので、五ェ門、マイお銚子とか持ち歩いてるのかもしれません。そこで鍋をつつきつつ、ルパンゲームはいまや参加者一億人、フランスの人口よりも多い、とか言っているルパンを「よっ、有名人」と冷やかす次元さんです(紫のシャツを腕まくりして、前が開いているのが実にセクシーなのだよ)、しかし「おまえもターゲットになってるから」といわれてびっくり。そして続く言葉にわたしもびっくり。というか、驚愕。マジか。その。

 「次元大介を探せ。ルパンの恋人。すぐ近くにルパンがいるはずだ、ってよ」ってー!

これ、ルパンが言ったんですよー!しかもそのときに映ってる画面(「HotTopics」とあるからにはニュースサイトかな。たしかに熱いわ)がふたりのツーショットで無駄にカッコいいルパンさんの横顔に次元さんの正面顔で、なんだそのベストショット。あ、あの、こんなサイトをやってるわたしがこんなこと言うのもなんなんですが、息をしてらっしゃいますか、その、一部の趣味嗜好のみなさま……。
 もちろん次元さんは「こ、恋人、ふざけんな!」と前髪で見えない目を丸くして(ると推察しました)抗議して、五ェ門がさりげなく座り位置をずらすのに「おい、微妙に離れてるんじゃねえぞ!」と怒るのですが(笑った)、いやあ参った。これ本当の意味で公式が最大手じゃないのか。

 まあ、2018年ともなれば、いい年をした男ふたりがつかず離れずいつでも一緒ならゲイ疑惑のひとつやふたつ浮かぶのも、まあ、うなずけるところでございます。たぶんこの世界には「マルコ・ポーロ」とはまた違った意味でダークなウェブ世界があって、そこではルパンゲームの写真がさらに違った意味で楽しまれているような気がします……。ジゲフジのコミュニティとかないかな……。

 一方、それへのフォローもないままに(してください)、アミに鍋を勧めるも、効率的でないと断られてしまうルパン。アミちゃんの長台詞のあいだも休まず動いている五ェ門と次元の口がさりげなくかわいいです。そしてふたりにあらかたモツをさらわれて「おまえら日本人だろ!豆腐も食えよ、豆腐も!」と怒る三世さん。アルバトロスだ!そしてもぐもぐしてる次元さんに「で、どうすんだ?」と聞かれて「冗談じゃねえ、このまま負けっぱなしでいられるかっての!」と怒り、「なにか考えがあるのか」と五ェ門に問われ「もちろん。目には目をってやつよ」と不敵な顔になるルパン。この、次元がいて五ェ門がいて、対等ではあるんだけど、あくまで司令塔はルパンってかんじがいいですね。

 そしてはじまるルパンの快進撃。いきなりTwitter(とは書かれてませんが)を開設し、ネットの世界で自分を大盤振る舞い。ここらあたりも1分PVで流れてますが、ひたすら楽しい。豪華客船のデッキで寝そべりながら音声入力しちゃうし(また懐かしい雰囲気の水着だな、これ)、一般人との撮影にも応じちゃう。ここではもちろん、カメラの使い方がまったく分かってない五ェ門のかわゆさにやられました。ルパンにも「五ェ門ちゃん」とか呼ばれてるし!おかしい、このひと10分くらい前には人斬りの目をしてたひとなのに。

 あと、ぜんぜん小さなカットなんですが、その様子をデッキ上のカウンターで酒を飲みながら眺めている次元、そこにアミちゃんがいるのが、いいなーと思いました。ふたりが仲良くなるエピソードとか欲しいなあ。

 そんなルパンの所業はもちろんヤタくんのスマホを通じて銭形警部のもとへ。ルパンを逮捕しようとあせるヤタくんに、冷静に、ルパンの向かっているブワンダという国はICPOに加盟しておらず、自分たちには逮捕権限がないことを指摘する銭形警部。ここらへんも面白いなあ。新ルパンあたりの血気盛んで失敗も多い銭形警部の部分を、ヤタくんが引き受けてる感じがする。いまのルパンでは、銭形警部が有能でないとルパンのライバルにならないから、こういう感じで銭形警部のキャラを立てているのですね。しかしヤタくんすごく可愛い。この子の背景を知りたい(わたしのなにかに火がついた)。

 そしてブワンダに着いてからの連続ツイートの可愛いこと可愛いこと(わたしは三世さんファンです)。ベッドの上での「ハネル!ハネル!」とか法律に触れそうなレベルで可愛い。美味しい料理を食べたり、美人ちゃんを見つけて写真撮影したり、1分PVの時点で、わたしを小一時間笑わせた「ルパン三世メルマガ始めました」バナー広告まであり(どこで登録できますか……)、遊び心いっぱいで楽しいです。

 もちろんこれもルパンの作戦。探すべきルパンが自分からどんどん情報を発信すれば、探すというゲーム性が失われ、そのうちみな飽きるだろうということ。もっともな理屈だけど、あんがい三世さん本人もフツーに楽しんでいるような気もするな。しばらくはここで楽しもうと、自撮りスリーピースで決める三世さんですが、それで終わりなわけはなく、マルコポーロの残党が新たに動き出します。

 そして舞台はまた変わり、パリのオペラ座(?)。ドレスアップした不二子ちゃんが謎の男とルパンゲームの成り行きを見守っています。(ここで不二子ちゃんが眺めてる、ルパンと美人さんたちのスリーショットをUPしたユーザー名は「MonkeyPython」さりげない遊び心ですね)赤いドレスが綺麗だなあ。「ルパン三世に未練はないのかい」と問われ「なにを聞いたか知らないけど、わたしとルパンはただの仕事仲間よ」とうそぶき(ルパンはね!)、ネットをながめている視線が微妙に変化したところで、アイキャッチとなりました。

 一方、ルパンの予想通り「ルパンゲーム」に飽きだした人々。このランキング一位の「DroneFigter」が不二子ちゃんなのかなあ、やっぱり。それでもあいかわらず「今夜のディナーはシカのジビエですう~」とネットで遊んでいるルパンさん。「お相手が美人じゃなくて、髭のオッサンなのが残念ですう~」と次元さんにスマホを向けて靴で踏まれるあたりが楽しい。「おい、おれをまき込むな」と釘を刺され「冷たいこというなよ、おれたち恋人らしいぞ」ってそのネタ引っ張ちゃダメ。いまのルパンさんならマリーちゃんの完成度がさらに高そうだと思えるそのしぐさとか、本当に、あの。

 もちろんそこで、「気持ち悪いこというな、おれたちはしーごーとーなかまだ!」と答える次元さんの全身の毛が逆立った感が犬っぽくて可愛い。ビジネスパートナーってやつですね。しかし、それに対する「そこはせめて友達にしてくれですう~」とふざけきっているルパンさんがもう。あの。根っからの三世さんファンのわたしでも、キモ可愛いとしか表現できず。なにごとにも真剣にならないルパンさんの悪い面が出ていて、このネタあと1分引っ張ったら、次元さんが家出するんじゃないかと思いました。しかし、そこにアミからの「さよなら」メッセージが。あわてて出て行くルパンを見送り、ジビエ料理をパクつく次元さんがいいなと思いました。

 ルパンと離れ、ひとり街を歩くアミ。そこに現れたチンピラたちを、軽く退治するルパン。しかしチンピラが「はずせよオッサン、ここは三十歳以上はお断りだ」っていうのを聞いて、へえ、このルパンは三十以上なんだね、と思いました。まあ、三十前半くらいかなあ。ここのルパンの表情が、なんともいえず良いんですよね。いきがるチンピラを醒めた目でながめるあの感じ。でもその醒めた怒りは、勝手に姿を消したアミに向けられているものでもあるわけです。

 このあとのボートに座っての砂浜での会話がいいな。なにがいいって、この短い対話で、このPART5のルパン三世のひととなりがよりくっきりするところにあります。単なるお調子者でも、女の子をボランティアで助けてあげる善人でもない。それが、アミちゃんのあくまで論理的で冷たい、しかし分かりやすい分析によって明らかになるのがいいなーと。アミちゃんの論法はルパンを裸にしていくのですよ。だからルパンも「言わぬが花」のことを言わざるを得ない。「まあ要するに、カッコがつかないんだよ」ってすごく正直で、素直な言葉ではないですか。しかもルパンらしい。うん、すごくすごく、このルパン三世らしい言葉だと思うの。好き。

 そして、急転直下、ルパンたちに銃弾が撃ち込まれます。この緩急のリズムすばらしい。そして、なんか見たことあるようなひとたちがいっぱい来た!(笑)もちろん敵はルパンたちだけでなく、五ェ門や次元の前にも現れます。わあユニオン・ママだ!そんなことになったのは、ハッピーバースデイならぬ「HappyDeathDay」というサイトが登場したせい。ルパンの命日を予想するトトカルチョ、つまり自分が賭けた日にルパンを殺せば丸儲け、というシステムが始まったのです。
 追い詰められたルパンはアミをかばいます。「だけど感謝することはねえぜ。おれがおまえを守るのは、そういうおれが好きだからさ」とルパンが不敵に笑ったところで、幕。

 予告のナレーションは次元大介でした。PART4と同じ回り持ちシステムで行くみたいですね。新ルや旧ルを彷彿とさせる殺し屋が次から次へと現れる展開に、どうやら銭形警部もかけつけるみたい。アミの過去も出るのかな?そしてタイトルは「殺し屋は荒野に集う」!こんなのぜったい面白いに決まってる!キャー(悲鳴)。

 というわけで第2話でした。とりあえず、あの、一部の趣味嗜好のみなさまにはなんと申し上げたらよいか……。わたしも、自分の立場でいうのもなんなんですが、うっかり「次元大介、峰不二子の恋人」とかやられたら息の根が止まる自信はある。蘇生不可能の死体になる。しかし、作中ではあくまでジョーク、からかいのネタとしての扱いなんですよね、当たり前だけど。だからそんなに動揺することないよ!(煙草をさかさまにくわえようとするリサリサ先生みたいな感じで言っています)

 しかし、それふくめて、というとあれなんですが、今回の個人的ないちばんの感想は「わたしはいま2018年のルパンを見てるんだな」ということに尽きます。ネットとか使われてるガジェットがとか言うレベルではなく、キャラ把握がいまのルパンなんですよね。ルパンをはじめとするキャラクターみな、ブレが無くカッコいい。そして、それ前提で物語が構成されているこの感じ。基本キャラ設定には変化ないまま、ブラッシュアップされてる。そして物語が面白いんですよ。参った。まだ2話目でいうのもなんですが、これ、わたしのなかで最愛のTVシリーズになる予感がひしひしとしてます。だって、キャラが魅力的で、お話が面白いんだもの。いうことないじゃないですか。現代にルパンが生きている、その意味を考えるだけで、わたし、泣けそう。

 シリーズ構成・脚本の大河内一楼さんのインタビュー(URL)によると、このシリーズは4~5話の連続物と1話完結モノを並べるかたちになるとかで、大歓迎。「ルパン・ゲーム」の話でずっと引っ張られるのもなあと思わないでもなかったので。バラエティ豊かに、しかもキャラクターの話もあるとか、これからには期待しかない。あと22話しかないなんて、そっちが信じられない。

 個人的にはやはり、次元の個人エピソードに期待しちゃうなあ。五ェ門さんはこれまでの2話でしっかり見せ場がありましたが、あれくらいの見せ場が欲しい。そしてルパンの恋人疑惑を払拭するためにも(笑)、女と絡むエピソードがあってもいいと思いませんか、みなさん!もちろん不二子ちゃんと絡んでくれてもまったく問題はないけどな!そう、わたしはさんざんこのシリーズ、キャラが魅力的と言いましたが、不二子ちゃんはまだまだ未知数なので、そのあたりも期待です。謎めいて美しい、敵か味方か分からない、でもそれだけの女じゃつまらない。いまの不二子が見たいです。

 というわけで、もうどうしようという感じの長さの感想になりました。ストーリー展開のとことかわざわざ書かなくても、こんなところまで読んで下さるかたは大丈夫かなと思いつつ、それがあっての思うところなので、長くなります。申し訳ありません。あと、2話の段階で言うのもなんですが、わたしは今回のシリーズ、贔屓の引き倒しになること確実な気がしています。ので、辛口とか批評とか、そういう種類のものにはなり得ませんので、そこらへんもご了承いただけたらと思います。しょせん、ミーハーなルパン好きなので!そしてこんな感じでこれからも毎週書いていけたらと思います。またよかったら読んでやってください。どうぞよろしくお願いします!

>4月7日に拍手よりメッセージをくださった方へ(反転してお読みください)
 こんにちは。いつも読んで下さっているなんて感激です。書いて頂いたような反応がこちらとしても嬉しいです。こんな長々しい感想ではありますが、半年書いていけたらいいなと思いますので、これからもよろしくお願いします。ありがとうございました!

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