「ルパン三世Y」(山上正月・双葉社)感想・ジゲフジ篇

こんにちは。つい先日が三連休だったことを、出勤時の車の少なさではじめて思いだして、舌打ちひとつのとりこ。です。暑さにやられています。

 さて、数多いルパン三世のコミカライズ。本家かつ始祖神聖なる原点のモンキー・パンチ先生の作品はもちろん別格というか、原作なのですが(当たり前だ)、それ以外にも、多くの作家さんにより、さまざまなルパン三世コミカライズが世に出ています。その感想も書きたいなーと常々思っていたので、まずはやはり代表作的なこれから始めることにしました。

 山上正月先生による「ルパン三世Y・全20巻」(双葉社)です。しかし、全20巻をつらつらと解説し続けても芸が無い(文才が無いと正直に告白)、ここはこのブログらしく、まずはジゲフジに限った感想をお送りしようと思います……って、二冊しか無いけど!

 まずは、「ルパン三世Y 第11巻」収録の第43話「女とダイヤのだまし合い」です。

 不二子のおねだり通り、「エリザベスの虹」なるお宝を手に入れたルパン。喜ぶ不二子とデレるルパンを前に「そんな女にくれてやるためにおまえと組んでるわけじゃねェーんだぞ」とむくれる次元。もちろん一向に気にする様子もない不二子とルパン。そこに謎の電話がかかってきて、ルパンが盗んだ「エリザベスの虹」はニセモノだと告げるアンナという女が現れるというストーリー。

 この作品のジゲフジポイントがどこかといいますと、ページ数にして3ページにわたって、すごい場面があるのです。アンナを信用しきれない不二子ちゃんが、次元に「あんたからも何か言ってやってよ」ともちかけるのですが、次元は「こんな時だけ彼女気どりで嫉妬かい」と鼻で笑っちゃう。それにカチンときた不二子ちゃんが!次元を!Yルの新ルパンぽいクールもっさり(すいません前髪が下りている次元さんはわたしにとってはもっさり)次元さんを!誘惑というかなんというか、その身体をさらして「私とアンナ、どっちが魅力的?」と、試しちゃうという素敵場面があるのですよ!
 さすがYルらしく腰が引けちゃう次元さんに貫録勝ちの不二子ちゃんという感じの場面ではありますが、ありがてえ……と拝む気持ちになりました。ふたりのそんなやりとりに、ぜーんぜん気がついてないルパンがいいです。

 そして、もうひとつはもちろん!ジゲフジ界殿堂入りの(いまわたしがつくった殿堂ですがなにか)、「ルパン三世Y 第20巻」収録の第78話「逃げる2人」です。

 ルパンと待ち合わせるべく、深い森のなかのアジトを訪れた次元。やがて不二子が現れるが、ルパンは一向に現れない。さらに、アジトが急襲されて、二人は森の中を逃げ惑うことに……というストーリー。やべえ、この紹介文書いてるだけでニヤニヤしてしまいました。ニヤニヤ。森で二人きりになって、ツンケンしあったり協力しあったりがじつに楽しいです。話の展開自体はシンプルで、落ちもあっさりなんですが、二人の仲を怪しんで、低周波で叫んじゃう目玉ぐるぐる三世さんがかわゆい。

 山上先生の次元さんは、基本的に新ルの次元さんでぶっきらぼうで不二子ちゃんにもクール。でも、不意を突かれるとあわてちゃうキュートさで、もうもうもう。一方の不二子ちゃんも、生意気なわがまま美女らしく、次元さんのことを軽く見ているようでいて、ふと次元さんに『男』を意識すると、とたんにどきまぎしちゃう可愛さで、もうおまえらつきあってしまえ。この78話、PART1の扉絵の煙草をくわえて向かい合うふたりの表情とか、ヤバい。次元さんなんか帽子と前髪で表情分からないはずなのに、唇が物語る。山上先生の次元さんは唇がセクシーですよね……。

 しかし全20巻もあるのに、ジゲフジ場面これだけかと思いつつも、Y以外のコミカライズでも馬場民雄先生のBぐらいしかジゲフジ自体が見つからないので(ルパン三世コミカライズ界七不思議のうちのひとつですね!←ツッコミ待ち)、この二つだけでも有難いのは間違いなく……。そして、20巻のうちには、もちろん、ジゲフジ関係なく楽しかったりお気に入りの話もあるので、今度はそのあたりの感想を書いて「ルパン三世Y」の紹介をしたいと思います。よろしくお願いします。