「味をやるじゃねえか、魔毛狂介さんよ」(cv山田康雄)。
ルパン三世ベストセレクション、第17位は、PARTⅠ 第13話「タイムマシンに気をつけろ!」でした!第24位の「さらば愛しき魔女」以来の旧ルパンのランクインです。いつものように、ベストセレクションが放送されていない地域に住まうわたくしが、エア感想を書かせて頂きます。ネタバレありなのでお気をつけください。あらすじはこちら→(URL)。
今回の「タイムマシンに気をつけろ!」。キャラ回というよりはアイデアと印象に残るゲストキャラで見せるタイプの名作ですね。未来と過去を自由自在に行き来するタイムマシンを持った敵というのが、何でもありなルパンワールドらしいです。タイムマシンというアイデアから70年代の国産SFブームの匂いがするものの、もちろんタイムパラドックスなにそれおいしいのというムトンチャクさがいかにも当時のテレビマンガしていてなんか懐かしい(笑)。原作マンガの、幼い頃の五ェ門と未来人である魔毛狂介が出会うバージョンも好きなんですけどね。むしろこっちのほうが話の筋が通る気がするんだけど、ちょっとややこしくなるからダメだったのかな。少年五ェ門めっちゃ可愛いんだけどな。
各キャラクターについて。とりあえず、ルパンは山田康雄さんの声が若くてほんのちょっと荒削りな感じがするのが素敵です。死ぬかもと怯えつつ強がって百面相しながら笑い続けるあの場面がほんとうにルパンですごくいい。あの笑い声スマホの着信音にしたい。不二子ちゃんとも仲良くて、死を前にして不二子ちゃんに結婚を迫ったものの、それはルパンの名を継がせるためだと狂介に見透かされます。まあ、原作だと単に死ぬ前に思い残すことが無いようベッドに引っ張りこむ展開だったので、さすがにアニメでは無理だったんだろうな。そしてご先祖様に化けたときのあの前歯とか笑うがなこんなもん。全篇通して、なんかこう元気で可愛いんですよ。
不二子ちゃんも旧ルのいわゆる路線変更の過渡期らしく、ロングヘアではあるものの、敵か味方か分からない謎の女と言う雰囲気はすでになく、あくまでルパンのかわゆいガールフレンドって感じですね。しかし二階堂有希子さんの声がとにかく甘くてコケティッシュでたまらないです。「あのひとホントにあたしを愛してんのかしら」とか、「あのひと」のところなんかおもわずどこかの髭相手に脳内変換したくなりましたよ(落ち着け)。
しかしやはり旧ルといえば次元ちゃんのかわゆさが無限大です。「さん」というより「ちゃん」と呼びたいこのかわゆさ。初登場の際はちょっとシャレオツな茶色のコート姿が見られて嬉しいし、さらには女中に変装というレア姿も見られます。ちょっと気になったんですが、魔毛狂介の名前を聞いてアジトの本をあさる場面で、本の中に「あなたもタバコ」という題の本がありましたね。やっぱりあれは「あなたもタバコをやめられる」の本なのかなと思うと地味におかしい。
驚いたり取り乱したりする場面が多いせいか、やたら帽子の下のくりくりしたおめめが見えるのも可愛い。もちろん、ルパンが消えたとたんに取り乱して五ェ門に当たって本気泣きしちゃうあの場面は最高ですよ。泣きじゃくるコバキヨさんの声がヤバいくらいにかわいい。かわいい。かわいい。わたしがルパンならこれ見るために次元が忘れたころを見計らって何回か死んだふりする。なんでこんなにかわいいのかよ髭という名の宝物。すいません取り乱しました。
五ェ門もいいですね。大塚周夫さんの硬質な声が三白眼の旧ルゴエによく似合います。一人称「おれ」の五ェ門萌える。ルパンが消えたと思い込み動揺する次元をなだめるところの落ち着きぶりもらしいけど、まあこの話の五ェ門の最大の名台詞は「いまは昭和47年でござる」につきますよね。すごいな、このインパクト。余裕で生まれてないお嬢さま方も多いだろう。わたしもかろうじて生まれていない。まだこんなにルパンにハマってなかったころに初めて見たとき、小一時間笑ってしまったのを覚えています。
しかしこの三人のいちばんの名場面は、やっぱあのルパンを真ん中にして肩を組み合っての爆笑シーンですね。もちろん、ちょっとらしくないといえばらしくないかもしれないんだけど、歯をむき出しにして笑うあの三人をどうして否定できようか。ルパンも次元も五ェ門もみな可愛いんだけど、わたしはあのルパンがすごく幸せそうなのを見ると、ちょっと泣けるんです。嬉しいなあ。
そしてゲストキャラの魔毛狂介。1932年生まれ(石原慎太郎と同い年だ!)原作は未来人でもっとクールなんだけど、この話では、ルパンのおねだりに次から次へとうなずいちゃう意外と人のいい感じが憎めないキャラですね。別Verになるけど、TVSP「霧のエリューシヴ」の狂介もちょっとそういうとこあったな。普通に考えればルパンと争う気が無いのならなにも宣言せずに黙って祖先を殺せばいいんだけど、三日の期限を切ることで、そのあいだルパンを震えあがらせたかったのかなあ。まあタイムマシンがある限り時間の期限ってまったくもって無意味なんですが。最後の半裸姿で逃げ出しちゃうあたりが実にコミカルです。
とういうわけで、「タイムマシンに気をつけろ!」感想でした。ベストセレクション、ここのところ、個人キャラ回というより全体のストーリーで見せる話がランクインしてる印象です。しかし、こうなると本当に上位が読めないなあ。なんかもうなにが出てきても驚くし驚かないというか。なんだかぼちぼちと放送局もふえてきたようですが、わたしの住んでいる地域にはいまだ届かず。週に一度のお楽しみとして、これからも追いかけてエア感想を書いていこうと思います。よろしくお願いします!