2019年11月29日に放送されたルパン三世TVSP「プリズン・オブ・ザ・パスト」の感想です。放送終了直後にとりいそぎの感想は書きましたが、これはもうあれこれと語らずにはいられない内容でしたので、「グッバイ・パートナー」に引き続き、みっちりバージョンでの感想を書きました。長いです。そして、ネタバレしかありません。ヤタくん可愛いって言いすぎてます。
また、いちいち書くのも煩雑だと思ったので、あえてそんなに但し書きはつけてませんが、もちろんわたし個人の意見や感想や悲鳴ばかりです。そのあたりをご了承のうえで読んで頂けたら有難いです。どうぞよろしくお願いします。では、どうぞ!
まずは北海道某所と記された監獄から逃げ出すルパンの場面から。北海道だから網走だったらときめくなあと思ったんだけど、どうもそうじゃないみたい。浜中町に近いところで釧路かなあ?走り去る人影を追いかけ、パトカーを出す銭形警部ですが(パトカーに乗ってるあんパンと牛乳が北海道推しなのがいいですね)、車に飛び乗って逃げていたのはルパンに化けた次元。ルパン本人はというと、銭形さんのパトカーに忍び込んでうまく刑務所を逃げ出すことが出来たのでした。ここで流れるのは松崎しげるさんVerの「ルパン三世のテーマ」!自然すぎて気づかないくらいだった。
にしてもこの冒頭、ルパンが羽織る赤い上着といい(裸ネクタイってのがまた)、銭形警部の追撃をかわすカーチェイスにといい、空から降って邪魔なものを切ってくれる五エ門(ヘルメットかぶるの可愛い)とそれを助ける不二子といい、最後に煙草を分け合う次元とルパンでしめる感じが、今回はそういうお話ですよ!と目くばせされたような気分になりました。イイよイイよー。
しかもそれは銭形警部が見ていた過去の夢だったのです。それを揺り起こすのは、銭形警部の部下、八咫烏五郎くん。あの、もしかしてご存じないかたのためにいまここで言っておきますが、この感想を書いているわたくしのPART5最大の偏愛キャラです。もちろん昔からいちばん大好きなキャラはルパンそのひとなんですが、PART5で登場したこの八咫烏くん、みごとわたしのハートを撃ち抜きました。おかしいなあ、ヤタくんの狙い、あんまり当たりそうにないのに(だからわたしに当たったのかな……)。なのでこれからの感想も、そうとうにヤタくんヤタくんうるさいです。だってまさか再登場するとか思わなかったんですもの……。荷物おろしながら「大丈夫ですか?」というこのカットだけですでに可愛いです。うれしい。
ここで銭形がこの異国にやってきた狙いが示されます。すなわち、ルパンを牢獄から出さないことではなく、近づけないこと。ここでタイトル。この入り方もカッコいいなあ。
アナウンサーのニュースによって現在の状況が説明されます。余談ですが、このアナウンサー嬢の吹き替えが、ゲスト声優の阿佐ヶ谷姉妹のお姉さんのほう、渡辺江里子さんなんですね。プロ声優さんじゃないゲストによる吹替は過去のルパン作品でもしばしばありましたね。声優好きのひとにはあんまり嬉しくないことかもしれないけど、わたしとしてはこういうレベルでやるお遊びとして楽しかったです。普通に江里子さん違和感なかったしな。下手にゲストヒロインとかやられるよりいいじゃないですか(そりゃ阿佐ヶ谷姉妹はヒロインを担当しないだろうけど)。ぶっちゃけ「複製人間」の赤塚不二夫先生と梶原一騎先生を超えるインパクトのゲストは存在しないと思うから……。
そのニュースは、窃盗犯でありながら異例の死刑判決を受けた国際的犯罪者、フィネガンの死刑執行が決まったことを車の中のルパンたちに知らせます。ドルエンテ王国のエルギュイユ監獄というところに収監され、そこでの死刑執行を待つばかりのフィネガン。かれは盗んだ財宝を貧しい人々に分け与えたため「現代の義賊」と称されるだけでなく、かれに命を救われた犯罪者仲間からも人望を集め、かのルパン三世と双璧を成す存在とされているのです。そのニュースを聞き「そんなこと言われてたっけ」とうそぶくルパン。一瞬、空を見上げて、銭形の存在を感じるあたりがらしいですね。
しかし五エ門は、サンドウィッチにむしゃぶりつきつつ、若くして亡くなったフィオ王子のことや港まつりのことなどを王国のガイドブックを読み上げながら浮かれて語るルパンに、我慢がならなくなった様子。これ、サンドウィッチを見たあたりから眉間にしわが寄ってる五エ門と、いち早くそれに気づいている次元と斬鉄剣を突きつけられるまでまったく気にしてないルパン、というあたりが実にらしいです。
でもここで「なにか浮かれる事情でもあるのか」と問い詰める五エ門に、ハッハア!と笑って「また不二子が絡んでるんじゃねえかって聞かれてるぜ、ルパン」ってこんな序盤から次元さんの口から不二子の名前が出て、わたしが激しく動揺しました。笑いながら煙草に火をつけるその態度を見て、なんでそんなに余裕なんだろ、と思いましたね。それこそなにか浮かれる事情でもあるのかしら次元さん。そして、そのまま煙草の先を切られて火傷しそうになるとこが超可愛かった。髭のおじさんなのになんでこんなに可愛いかな。それにしても五エ門はずっとイライラしてますね。いつもならここでイライラするのは次元さんで、五エ門は我関せずって役回りだと思うんだけどな。
しかしそれを気にするルパンではありません。自分の狙いはそのフィネガンの隠し財宝であることをルパンは明らかにします。ここの「もったいないお化けが大量出現するぜ」のルパンが可愛いよう。ルパンはフィネガンを監獄から助け出し、宝のありかを聞きだすつもりなのです。つまり、今回の仕事は「死刑囚を盗み出すこと」。しかし、五エ門は他にもフィネガンを狙っている人間がいるはずだと苛立ちますが、ちょうどそこに現れたのは、なんと次元の昔馴染み、ダイナマイト・ジョーでした。次元さんはほんとうに昔の知り合いが多いひとだ。そのジョーの発言により、フィネガンはかつての次元の命の恩人だということが明らかとなります。これはルパンも知らなかったのね。ジョーに名乗られたときにものすごく気の無い様子でピースを送る顔が楽しい。ルパンさんは次元の昔なじみの男にはいつも基本的に塩対応なんだよな。
エルギュイユ監獄を見下ろすスポットで、こんどは私情を挟んだのではないか、と次元にイラつく五エ門。次元さんはルパンと違って五エ門に真面目に対応するうえに、過去の出来事に軽々しく触れられるのを嫌うひとなので、二人は一触即発の雰囲気になります。「このおセンチ野郎!」「愚弄と受け取った!」ってすごくらしい台詞だ。ここで「ケンカするなよ、次元もダメだぞう」って口出すルパンもらしいよね。なんとなく「複製人間」を思い出しましたが、この三人はほんとうに絶妙なバランスで成り立ってる関係性なんだよな。しかし、ここでルパンに不二子ちゃんから電話がかかってきちゃって、メラメラしちゃう五エ門。なぜ!(笑)
とうとういらだちとあきれのまま、サンドウィッチにむしゃぶりつく五エ門。「この南国サンドウィッチ。長く捨て置かれ、薄切り肉も西洋たくあんも辛子もすでに味にしまりなく、残飯のごときていたらく」ってあんまりな気もしますが、それに自分たちを重ねる五エ門に、「ルパン、おまえベーコンと一緒にされてる」と嗤う次元に「おまえこそピクルス一緒にされてるぞ」と返すルパン。それに「失敬な。ではそれがしは辛子か」で、三人そろって「フンっ」ってそっぽ向くって、こうやって文字起こしするとどこの少女マンガか仲良し三人組か、という感じになってしまいますが、わたし、この三人は真面目にやってるんだと思います。もしかして公式はこのじゃれあいを「仲間割れ」と称していたのですか……。
夜となり、祭りでにぎわう街を歩く次元さん。怪しい人影もあるあたりが、ここも「複製人間」ぽかった。ホテルの部屋に戻って、骨付きチキンの夕食を取りだすってことは、次元さんが買い出し担当だったのね。この王国、名産だった黄金とダイヤが枯渇して貧乏だった時代が長かったけれど、ここ数年で新しい鉱山が見つかって景気が良くなったと王国の事情を説明するルパン。ルパンはルパンで外出してたみたいですが、青いアウターがカッコ良かった。こういうさりげないお着替え楽しいです。
不二子から送られてきたエルギュイユ監獄の図面がある、と豪語するルパンですが、いまいち不二子ちゃんを信用しきれてない様子。図面からは5つのルートが存在することが明らかで、不二子がルパンに提示した正面ルート以外にも4つのルートがあるというのです。そこで「読めたぜ、不二子のやつ他の連中と五またかけてやがるな」という次元さん。さすが不二子ちゃんのことはよくご存じですね!(笑)そしてそれはルパンも織り込み済みなあたりがなんとも。
しかし、ここで「なるほど、ダイナマイト・ジョーは不二子つながりってわけか。顔広えな、不二子」とさらに次元さんが言うので、わたしがたいへんな感じになりました。だからここで苛立つんじゃなくて、なんか笑って感心してるとかそういう対応なのは、やっぱりそういうことですか……?そういうことだと思っちゃうよ……?それはまあともかく、不二子によって集められた他の泥棒たちとともにフィネガンを盗み出す勝負とあいなったわけです。ここでCM。テンポ良いなーと感心しました。ポンポン話が進んでいくこの感じ、いいな!
花火を背景に盛り上がる港町と、そのそばにあるエルギュイユ監獄。そこに向かう泥棒たち……という展開ですが、みんなフィネガンに恩がある様子です。しかし、ここで出てくるゲスト泥棒たちがそのキャラ立ちとい、失敗の方法といい、みなそろいもそろって新ルテイストで笑っちゃった。昭和か。そんなかれらの奮闘を高みの見物してるルパンのカッコよさもスマートさも際立つというものです。「てことで予習もできたし、そろそろおれたち監獄攻略オリンピック、優勝候補の入場と参りましょうか」て台詞、最高だ。
そして監獄のロレンサ所長の前に現れたのは、銭形警部と八咫烏くん。ルパン逮捕の為に協力を要請しますが、ロレンサはにべもなく断ります。やがて正面ゲートに現れたのもまた、銭形警部と八咫烏くんでした。ここからの一連のやり取りがお約束なんだけどほんとうに楽しい。ルパンは銭形さんをからかってるとき、ほんとうに生き生きとしますね。そして、次元大介の変装だとなじられて、きょとんとしてしまうヤタくんの可愛さはこれなんですかね。可愛いが過ぎませんかね。そこであわてる銭形さんの頭を殴ったのは、変装した不二子ちゃんでした。令和の時代にも殴られたあとにタンコブができる描写が存在していると安心します。
うまいこと監獄に入り込んだルパン一味は、先に入り込んだ泥棒たちの失敗を生かしてフィネガンの居場所に向けてのルート攻略に挑みます。三人それぞれに見せ場があってカッコいい、と思ったのもつかの間でした。警備ロボットの背後の電池をルパンが抜いちゃうとか、犬型ロボットがまさかの中身が本物の犬で次元さんが骨あげちゃうとか、ルパンが巨大なフーセンガムをふくらませてそのなかに三人入っちゃうとか、これもまたさきほどの泥棒たちに負けず劣らず新ルテイスト満載の展開なんですもの。いや、こういうヌルさは必要だよ、とか思ってニコニコ見ました。
とうとうフィネガンの独房にたどりついた一味。フィネガンはなかなかの風格の持ち主だったせいか、「おれも自慢じゃないが……」と対抗してるルパンが可愛い。それを冷静に突っ込んでる次元と五エ門も楽しい(そしてここで気づいたんですが、次元さんてば携帯灰皿使ってるんですね。証拠を残さないためとかそういう理由なのか単にコンプライアンス的なアレなのか。どっちにしてもルパンの新作出るたびに喫煙描写が消えないかひやひやしてるので、今回も吸ってくれて安心しました)。ルパンはフィネガンに手を組むことを申し出て、フィネガンはそれを了承します。
監獄の中を抜けながら、ルパンはエルギュイユ監獄に存在する、建国以来いちども動いていない、ヤバ過ぎて国が亡びる時まで動かせない大仕掛けの存在を口にします。これ伏線ですね。ルパンたちとともに歩きながら、フィネガンは「いいものだな、だれかに助けられるというのは……いつも人々を救う側だった」と笑います。それを聞いた次元は「あのときあんたが雇い主に金を撒いてくれなきゃ、おれは他人同士の戦争で死ぬとこだった」と感謝の意を表します。しかし、やがてフィネガンは本性を現し、ルパンたちを裏切ります。フィネガンの策略によって、外に放りだされる三人。ルパンはフィネガンの顔を一瞬つかみ、なにかの違和感に気づきます。また、ベルテと呼ばれる仮面の男とやりあう五エ門でしたが、結果、ルパンと五エ門はバラバラに海に落ち、次元は捕らえられてしまいます。
フィネガンの死刑は姿をくらますための方便、かれはこのエルギュイユ監獄の支配者としてロレンサ所長ともつながっていたのでした。しかし、フィネガンてば、次元の銃をちゃっかりすり替えてるし、捕まった次元から帽子を奪って飛ばしちゃうし、由緒正しい次元さんの昔馴染みの男の態度って感じがしますね。みんな良くも悪くもやたらと次元さんにからむのだ……。そしてその様子を見ているのは、変装した不二子ちゃんでした。わたし、このあともしかして不二子ちゃんが次元さんを個人的に助ける神展開が?とか期待したのですが、みごと空振りでしたね……。捕らえられた次元は、ほかの泥棒たちとともに高値を付けられる商品になってしまう様子。
一方、五エ門は仮面の男、ベルテに救われます。あれほどの腕のあなたがなぜあのふたりといるのか、とベルテに問われ、そこで出された南国サンドウィッチを見る五エ門の表情がいいですね。今回の話は、五エ門回でもあるんだなーと気づきました。そして、ベルテから、王国に滅びの危機が訪れるとき、稲妻をも切り裂く光の剣士が現れ民を救うという伝説を聞かされる五エ門。弾丸を切り裂いた五エ門を見て、ベルテは五エ門こその騎士ではないかというのです。本気にしない五エ門に、教えを乞うベルテですが、五エ門の剣の前にはなすすべもありません。「哀れなれど、貴殿の国よりもそれがしには救いに行かねばならぬものがある」という五エ門の視線の先にあるのは、あのエルギュイユ監獄でした。
この場面、すごく好きです。五エ門らしさが出ているというか、剣の道しか知らない不器用なサムライじゃなく、剣の道を通して世の中を見てきた漢だからこそ言える台詞であって、五エ門のひととなりがくっきりした感じがする。最近のTVSPは(PART5もそうでしたが)、五エ門を丁寧に描いていていいなあ。
ルパンもまたエルギュイユ監獄の下に流れ着き、泥棒兄弟のバルマー三号と出会います。服を乾かしたり魚を食べたりやることなすこといちいち可愛いなあ。そして、冒頭に引き続き裸ネクタイなのはなにかのこだわりでしょうか。監獄の中を歩き回るうちに、囚われた老人のもとを訪れる医師に気づくルパン。その医師をなんとかしようとしたところに現れたのはナース姿の不二子ちゃんでした。今回の不二子ちゃんはお着替え多いですね。ルパンと不二子は、病に伏して姿を隠したといわれるドルエンテ王国の王がさきほどの老人であること、国王の首になにかの機械が埋め込まれていることを知ります。さらに、病で亡くなったとされるフィオ王子の顔写真を見て、ルパンはなにかに気づいた様子でもあります。
さらに、ルパンたちと間違われて囚われの身となっている銭形警部と八咫烏くん。本物のICPOであっても関係ない、ということにすでに銭形は気づいており……というここからの展開がひたすら楽しかった。コミカルな大芝居を打ちつつも、ひもで看守の自由を奪う銭形さん、最高じゃないですか。なぜそんなにかわゆくおちりを振るのか、とは思いましたが(ヤタくんもヒいてなかったか)。しかも扉の暗証番号まで聞きだしたあとは、ヤタくんのボタンを使って、ご先祖譲りの銭ならぬボタン飛ばしで、扉を開けちゃうんですよ!嘘お(笑)。わー、楽しいけれど変な説得力があって、銭さんにこういう見せ場があるの嬉しい!ヤタくんも感動しますよね。こういう描写があると、ヤタくんの銭さんを慕う気持ちにも説得力が増すというものですよ。「すごい、門前の小僧習わぬ経を読むですね」ってなんだかズレてる気もするけど。まあ、ヤタくんだからな……。
とか思いながらニコニコして見てたわたしですが、さすがに、ヤタくんの下着のセンスが令和のものとは思えない昭和なものだったことには衝撃を受けました。え、でも、思い出してみれば、新ルの銭形さんもハート柄のおぱんつをはいてた気がしますので、ヤタくんはそれを見て憧れたとか……?形から入るにしてもそこからかヤタくん。そこのズレっぷりもまた可愛いぞヤタくん。
ルパンと不二子は、エルギュイユ監獄に各国のテロリストが集まっている様子を見て、監獄がテロリストとの武器商人の取引きマーケットとなっていることに気づきます。フィネガンはテロリストとのネットワークを所長は取引場所を提供することで、両者は手を組んだわけです。枯渇したはずのダイヤと黄金がいまだに輸出され続けている謎の答えがこれでした。マジ?さすがに一国の経済を回すダイヤと黄金が、テロリストから提供されるレベルのもので足りるとは思えないのですが、ドルエンテ王国ってすごく小さい国なんだろうな……。
ここで、取引に使われている黄金と宝石を見て目の色を変える不二子ちゃんが可愛い。不二子ちゃんはそれでいい。そして、ルパンの不二子ちゃんへの態度が、メロメロというより腐れ縁のガールフレンドみたいな扱いなのが面白いですね。「おまえのせいでここまでどんだけひどい目に遭ったと思ってんだよ」っていつもなら次元が言う台詞だ(笑)。でも、それに「それをひどいめで終わらせないのがあなたたちのいいとこじゃない」って甘える不二子ちゃんがうまい。でも「あなた“たち”」なんだねーと思って、ドキドキしました。不二子ちゃんは基本的に頼りにするのはルパンひとりで、次元と五エ門はおまけくらいの扱いをすることも多いと思うんだけど、この不二子にとってはそうでないのね。「そのあなたたちがいまバラバラになってんだから、もー」とむくれるルパンも素直だ。
そして、同じように岩の隙間から武器商人の取引場所を見ている銭形警部と八咫烏くんの存在に気づくルパン。ここからの一連のジェスチャーゲームがもう楽しくて楽しくて。なんだおまえらのその以心伝心ぶりは!(笑)知ってたけど!(笑)これもまた新ルっぽいなれ合いぶりですが、わたしはひたすら楽しかった。とにかくルパンととっつあんが仲良しで可愛い!不二子ちゃんもそりゃ「仲のいいこと」とあきれますよね……(笑)。
さらにここで気を抜いて気づかれちゃうヤタくんも可愛い。ヤタくんがミスしても驚きはない。でも、それをなんとかしようと銭形さんが打つ大芝居がまた楽しくて、今回のとっつあん、大活躍ですね!さらにそこをなんとかしちゃう不二子ちゃんもカッコいい。不二子ちゃんはお色気で足を引っ張るだけの女じゃないんだよー。
しかし、そのままテロリスト向け商品のひとりにされてしまうとっつあん。そしてなぜかルパンのひそむ場所に飛び込んでくるヤタくん。キミも驚異の身体能力の持ち主だな!(笑)ルパンと正面切ってぐいぐいやってるヤタくんというのもいいですね。こっちに来んな、とルパンに言われて「だってしょうがないだろ!」と返すあたりとか、普段は敬語のヤタくんに慣れているので新鮮でした。もっとぐいぐいやってほしい。
そしてここでロレンサ所長とフィネガン、テロリストたちの前に引きだされる次元さん他の泥棒たちと銭形さん。次元と銭形は隣同士で足をつながれていて、そこも楽しい。「次元大介」と銭形警部が呼びかけると「よう、一別以来だな。潜入捜査かい?」と笑って答える次元。(←ここ、わたしは最初「一月以来」と書いたのですが、読者のかたより実際には「一別以来だな」と言っていると教えていただきました。感謝です!)それに対し「顔なじみぶらんでくれ、おれまで泥棒みたいだ」と緊張感ある顔で応える銭形さん。このやりとりいいですよね。このふたりはふたりで面白い組み合わせなんだよな……。
もちろんかれらが引き出されたのはテロリストたちに売り渡されるためで、ひとりひとり紹介される泥棒たち。許さない、と顔色を変えたヤタくんにかぶせるように「許さん!」と怒ったのは銭形警部で、師弟の絆って感じです。ここの銭形さんの怒りの台詞は実にカッコいいんだけど、それはあっさりロレンサ所長に否定されてしまいます。そこで「あら?論点ズラされて言い負けちゃって」と茶化す次元さんが楽しい!銭形さんに対する、日ごろの警察の恨みを晴らすおもちゃに……という売り文句に「趣味悪いぜ」と笑うのも、らしい。次元さんもルパンと同じく、とっつあんには親しみあるからなあ。
しかしここで「これも特売品、次元大介!」の売り文句に、特売品?!とガタっとなった次元クラスタのみなさまは何人いらっしゃるでしょうか。わたしも、つい、次元ちゃんはお高いよ!と言ってしまいました。しかし、次元たちに迫る危機にイラつくルパンを尻目に、なんかおっきな重火器(バレットM82軍用対物狙撃ライフル?)を「その辺の箱から一丁持ってきた」と取り出すヤタくんの行動力にわたしは笑った。ヤタくんは先輩と同じく、ちょっと踏み外したらクレイジーなところがあるんだろうな……。そしてことごとく狙いを外しちゃうあたりもヤタくん。
ここからのわちゃわちゃした大騒ぎは楽しかったな!大活躍のはずなのに、ヤタくんはどこまでもヤタくん。大好き。つながれていても「複製人間」のルパンのようにはいかない、ぎこちなく息が合う次元と銭さんが楽しいと思ったら、最後で次元が決めてくれるし!それを見て不二子ちゃんが「やったあ!」と喜ぶし、いやそれは財宝目当てだと分かってますが。さらに五エ門までもが現れヘリを切断したうえに、迫るヘリのローター(?)を前にあわててケンカしてる銭さんと次元をも救うなんて、楽しいじゃないですか。ここの五エ門、決めすぎなくらいだわ(笑)。
もっと早く来てよ、と怒る不二子に「これを探していた」と次元に服を渡す五エ門。ルパンからは帽子を渡され「嬉しいねえ、あとはマグナムとこの国特産の葉巻だな」なんて言っちゃう次元さんがかわゆい。「贅沢言うなよ」とルパンにたしなめられる様子を見て「じゃあ、これあげる」と不二子ちゃんが取り出したのは、MONKEY印のガムでした。目を丸くして「はあ?ガムが煙草の代わりになるかよ」と笑う次元。
待って。わたし、これ見たとき、とりあえずテレビの前で正座したんだけど、えっと、これはその、なんていうか、あれかな?いわゆる視聴者向けのサービスシーンってやつかな。不二子ちゃんのシャワーシーンがないからその代わりかな。わたし、MONKEY印のガムだから、実は「PUNCH」と続いてて、次元さんが一枚取り出すとパチンとなるジョークグッズかと思ったんですけど、深読みでした。いやそれはともかく、なんか、こう仲良しさんやん……。最近のルパン公式、次元と不二子が犬猿の仲設定をじょじょにじょじょに薄くしてるとこないですか。さながら忍者が特訓をするときに葦の葉を植えて飛び上がる高度をゆるやかに上げていくようにってこのひとなに言ってるんだと思ったかもしれませんが自分でもなに言ってるんだと思います。急にこんな場面が入ると動揺しちゃうんだよ、ヤバいよ!
しかし、結果的に、敵に囲まれてしまった6人。カッコ良く「これしきの包囲網……」と五エ門が言った言葉を「突破できん我々だと思うか?」と銭形さんが引き継いだ、つぎの瞬間、脱兎のごとく逃げ出す、八咫烏くんをのぞく5人。ひとり残されてきょとんとしてるヤタくんの可愛さが無限大でした。「聞いてないですよう~」って悲鳴、きゅんとした。着信音にしたい。キミはまだルパン一味に慣れてないんだな……。
一方、いらだつフィネガンに脅迫され、ロレンサ所長はエルギュイユ監獄を動かす大仕掛けのスイッチを押すよう迫られます。そこに現れたルパンは、ロレンサがフィネガンに国王の命を握られていることを知っていることを告げ、ブラフをかけてまで説得しますが、ロレンサはルパンを信じ切れず、大仕掛けは動き出してしまいます。
ここのやりとり。緊迫した雰囲気でも「なんですかそれ」というヤタくんに「ガイドブック読まなかったのか」とうそぶく次元さんがいいし、それに「ガイドブックに載ってるわけないでしょ」とあきれる不二子ちゃんもいいです。あー、なんというか、こういう状況でも軽いことを言う次元に対する気安さみたいなものが見え隠れする感じがしますし「ルパンはなにを言ってるんだ?」と事情を分かってない次元に「次元、フィネガンを撃つ準備をして」と指示する不二子の言葉の早さには、ルパンの意図をすぐに察してなおかつそれを実行できるのは次元しかいないと分かっている信頼も感じますよね。まあぜんぶわたしの思い込みですけどね。それでも、ルパンの言うことをブラフと気づき「だから、次元……!」という台詞は良いですよね……!この沢城さんの「次元」呼び、永久保存的に愛しい。
でもここで不二子の無茶ぶりに「丸腰だぜ」と困っちゃう次元に「さっき拾った」と銃を渡すヤタくん可愛いですよね。「拾得物横領だぞ、こいつはお宝だ、おまえ泥棒向きじゃねえか、たぶん売れば一万ドルかな?」とはしゃぐ次元さんも可愛いし、そう言われて「ぼくも門前の小僧ってことかな……」なんて言っちゃうヤタくんはさらに可愛い。このはにかんだ笑顔、どうしたらいいんですか。「弾、一発ってのがおまえらしいか」と言われちゃってがくっとしちゃうあたりもふくめて最高です。しかし「おまえらしい」って次元さんはヤタくんのなにを知っているのですか、と言いたくなりましたが、きっと短い時間でもなにか感じるものがあったのだろうな……。ヤタくんだもんな……。みごと成功したあとに「さすがガンマン次元!」とか目を輝かせちゃうあたりもヤタくんだ。可愛い。
動き出した大仕掛けはこの牢獄をより強固に守るための密閉壁でした。そのための変化で壁がランダムに動き、崩れ、所員や囚人たちに命の危機が迫ります。これ、あれかな。マクロスが戦艦型から人型に変わるときに大変だったあれかな。そのなかでも逃げ込む隙間が存在する、何とか生き延びて欲しいとアナウンスするロレンサ。一方、フィネガンは部下のスカラトスとともに財宝を持って逃げようとしています。しかしこれを動かしてフィネガンになんの得があったのかわたしにはよく分からないのですが、この混乱に乗じて逃げ出すことが狙いだったのかなあ、やっぱり。
脱出用の飛行機(?)を見つけた一行ですが、ルパンはそれに「乗るのは銭形とやなからすの兄ちゃんだ」と言います。「八咫烏!」とヤタくんは怒るけど、不正確でもルパンがヤタくんの名前を認識していたことにわたしは驚いたよ。ぜったい次元さんは覚えてない。おまえたちはどうなる!と怒鳴る銭形に「あーら、お忘れ?おれはどんな監獄からも脱獄できる天才だぜ?」とウィンクしてみせるルパンさま最高にカッコいい。そのまま王さまのもとに急ぐ一味とロレンサですが、大仕掛けにひたすら翻弄されます。「レイダース」を思い出したあなたはわたしと同世代。
そしてここで「五エ門、斬鉄剣でちゃちゃっと……」って言っちゃう次元さんがうかつすぎて可愛い。「できるか!」って怒るけど、いちおうやってみる五エ門も可愛い。「おれたちはおまえを便利に使いすぎたぜ、カンベンな」というルパンも可愛い。なんだこのかわゆいおっさん三人組は。「分かればいい、われらは仲間だ」と五エ門が言い、神妙にほかのふたりもうなずきます。この台詞、最初にざっと見たときは違和感がないでもなかったけど、ちゃんとゆっくり見たらこの流れも納得ですね。べたべたした仲間、とか言うより単に仲良しなんだよこのひとたち……。
王のところにたどり着いた不二子とロレンサと合流したルパンたち。突出してきた壁を逃れた狭い空間でこれまでのいきさつを王に説明するロレンサ。その流れで、死んだとされていたフィオ王子は生きており、その正体はあのベルテで、いまは王宮島にいることが明かされます。しかしその会話はあのフィネガンに盗聴されているのです。一方、無事に島を脱出した銭形さんとヤタくんは、逃げ出した不二子とロレンサ、王を見つけます。そこに掲げられた「囚われの王を獄中より盗み出し候」というルパンの文句に、それまでルパンが死んだと思い落ち込んでいた銭形さんも、けしからんやつだ、泣いて喜びます。こういう関係性も新ルですよね。好き。
監獄から逃げ出すボートを追いかけようとする銭形とヤタくん。ヤタくん、なんかすっごい活躍だな!と思ってたら、そのボートに乗ったスカラトスに撃たれてあっさり失速、肝心のそれも不二子とロレンサに乗り逃げされちゃうあたりがほんとうにヤタくん。しかも不二子が操縦したとたん、しゅぱっと飛び出すもんだから「あんなに早かったか」と素直な感想を漏らす銭さんに「スピード違反、ですよね……」ってそれは誤魔化してるのか天然なのかどっちだ。「標識あったか」までツッコまれて目をそらすとこまでふくめて問いたい。まあ、どっちでも可愛いのです。わたしは本当にこういうポンコツ男子に弱いので、大変です。
一方、ルパンたちはフィネガンたちを追って小型車に乗り込むことに。しかしここで「フィネガンから次元へのギフトがあるぜ、次元さまってよ」とルパンが言い、そこにあったのが弾がダブルで充填されたマグナム、しかも「DearJigen」ってメッセージカード付きって、これ、笑うところですよね。
だってフィネガンはあの必死の逃避行の最中にカード取り出して几帳面に「DearJigen」とか書いてたんですか。スカラトスに「ちょっと待て!」とか言ってから「んー、いまどきこのマグナムに合う弾揃えるの面倒だなー、オートマチックにすればいいのに、でもあいつこれにこだわってるからなあ」とか、いそいそ充填してたのかな。リボンかけてなかったのが不思議なくらいだわ。昔から思ってたんですが、次元さんの昔馴染みの男はこと次元さんに関することになると、おかしなタガが外れる人が多いような気がします。わたしがスカラトスなら、ボス、落ち着いてくださいって言うと思います。
しかもルパンに「ラブレターか?」って冷やかされたそのメッセージカードの中身は「こんな安い銃は返す、せめてグリップに宝石しこむくらいはしろってよ」と次元さんが怒る内容でした。フィネガン、ツンデレか。次元さんの昔馴染みなら、次元さんがマグナムにいかにこだわってるか知ってるだろうから返してあげたってことになると思うんだけど、フィネガンのキャラがブレブレで良く分かりません。そんなことする意味がないよね。昔から次元とライバル、決着をつけるぜ系のひとならともかく、そんなんじゃないしなあ。分かるのは、フィネガンが意味の分からないツンデレで、当然そのツンデレのデレは次元さんに伝わらないとこかな………。
スカラトスに狙われる不二子とロレンサ。追ってきたルパンたちを見て「来たか、次元。……おれも甘い」とつぶやくフィネガンですが、あなたの問題は甘いとか甘くないとかそういう問題じゃないよな。しかし、スカラトスの弾はなかなか不二子たちに当たりません。「いや、あのグレネードはおれでも厳しい、同情するぜ」と笑ってる次元さん、あなた不二子ちゃんが狙われてるのになんでそんなに余裕なんですか、と一瞬ぷんすかになりましたが、もしかして不二子の腕を信じてるからこその余裕かもしれない。さきほど不二子ちゃんが次元を信用したように。じゃあしょうがないな。
そして医務室にフィオ王子のデータがあったこと、自分がフィネガンの顔に触れた感触などから、フィネガンが整形手術ですでに王子の顔を手に入れていることをルパンは察します。王子を殺して自分が成り代わろうという狙いなわけですね。しかしロレンサはフィネガンのボートに乗り移り(これをサポートする次元の腕がカッコいい!)そこでロレンサとスカラトスは一騎打ち。ふたりともすごい空中推進力。目に見えない立体起動装置でもつけてるかと思った。ルパンは、それに加勢しようする次元を止めます。ここのあくまで軽いルパンの言動が、わたしは実にらしいと思って好きなんです。でも、そうできるのはロレンサの覚悟を見抜いているから、なのでしょうね。
そこで「王国こそが我らが夢!」というスカラトスの言葉に「あーあ、悪党が夢語ってるぜ」とあきれる次元。「馬鹿だ」とルパンも言います。「おれたち泥棒の夢ってのは、もっとこう、つつましいものなんだよ」とふざけつつも「ぜったい許せねえ」と真剣な顔になるのも、またTVSP用のルパンというか、悪党の分をわきまえな、ってことなのかなあとか思ってたら、キメたくせに、ぜんぜん車が進まないのに笑っちゃった。ルパンはこうであってほしい。いつでも本気か冗談か分からないひとでいてほしい。「進んでる進んでる!」って五エ門のフォローがまたおかしい。
スカラトスを海に沈めたロレンサから、王子と王国を守って、と懇願されるルパン。「お待ちしてましたよ、その言葉」と言いつつ「でも、わたしを助けてって言われた方がやる気出ちゃうかも」とふざけるのがらしいです。ロレンサはそれどころじゃないかたくなさなんだけど、それもまとめて包み込むようなルパンの態度が素敵。ルパンにとっては女の子はみんなお姫さまなんですよ、きっと。
王宮島にたどりついたフィネガンは、そこでフィオ王子と一騎打ちすることに。「わたしには苦しみや恐怖に耐え、人々を救う力がある」と嘯くフィネガン。そこにロレンサも駆けつけます。「自分をお守りください」と叫ぶロレンサに対し、かつての五エ門の言葉に背を押されたフィオは逃げることなく、フィネガンに立ち向か、その弾を真っ二つにするのでした。フィオ王子こそが、光の剣士となったわけです。一方、そこに駆け付けた次元と五エ門はフィネガンの銃を、悪趣味だとかルパンなら欲しがるかなとかのんきなこと言ってるんですが、このやりとりはなんだろう
と思ってたら、いきなりそこに国王が現れ、フィオ王子に王となる覚悟を問います。その問いに立派にフィオ王子が答えると、その王はルパンに姿を変えます。ルパンが王に中継してたのですね。わたし、さすがにおいじいちゃんいつの間に来たんだよと思ってたので安心しました。次元さんと五エ門がなんかぶつぶつ言ってたのも、ルパンの不在をごまかすあれだったのかしら。そこに倒れていたフィネガンも立ち上がり(笑った)、さらにフィオにその覚悟をあざけりつつも問うのです。自分の持つ発信機を目指してミサイルが飛んでくるのだ、と告げますが、その発信機はすでにルパンによって盗まれていたのでした。
「へっ、なーにがルパンと双璧をなす泥棒だ。変装の腕も泥棒の腕も、ぜーんぶおれの方が上だっての」と胸を張るルパンさまはくそ可愛いのですが、これ、後ろで次元と五エ門はなんて言ってるんですかね?(←読者の方より教えていただきました。次元さんは「指を差すな」と言っているとのことです)フィネガンにとことんみせつけたくて、そこまでやったらしいルパンは実におとなげなくていいですね。そして発信機をみごとに空中に撃ち、そこにミサイルを誘導した次元はカッコイイ。でも、そのおかげでフィネガンの乗ってたボートは沈み、宝石と黄金は海の藻屑となったのでした。
銭形とヤタくんが駆け付けるころ、次元は意気消沈しているフィネガンに声をかけます。「フィネガン、あんたは昔、死にかけのおれを助けてくれた。あんときのあんたといまのあんた、どこで変わっちまったんだい」しかし、フィネガンは、変わってないどいない、と海中からなんとか姿を現したスカラトスの姿を見て、安どした表情を見せるのです。「あのときもいまも、おれはだれかを助けてる。その方法を泥棒以外に思いつかないだけさ」というかれに、「やっぱ、おたがい、泥棒ってのはろくなもんじゃねえよなあ」と返す次元。その真意は分かりません。そして夕日を背景に、ルパン一味はロレンサとフィオ王子を残し、去っていくのでした。
それを見送る銭形とヤタ。ヤタくんがなんか拳銃を出してやる気ですが、銭形さんは「やた、ちゃんと返すんだぞ」と釘を刺します。門前の小僧だからね!しかし「おれはルパンを捕まえる、そして何度でも監獄にぶち込んでやる」という銭形さんに「何度でも……?それ、逃げられる前提で言ってますよねえ」というヤタくん。ヤタくんが!あのヤタくんが生意気を言って笑っている!この経験は一日でヤタくんをオトナにしたのかなあ。しかしここで余裕で笑ってるヤタくんもとても可愛かったので、わたしは満足です。どうせすぐにその笑顔は冷や汗に変わる気もするので。
さて、阿佐ヶ谷姉妹の美穂さん演じるアナウンサーのニュースによって、ドルエンテ王国の幸せな後日談が語られるなか、海中に沈んだお宝を他の泥棒一味とともに引き上げた不二子ちゃんの写真がルパンの元に届くのでした。白いビキニ姿の麗しいこと。今回の不二子ちゃん、お着替えはあったけど、華やかな格好が無かったから、嬉しいです。しかしもちろん、ルパンたちもうまいこと宝石を手に入れていました。
そして三人で乗る車の中で、ふたたびあの南国サンドウィッチを食べながら、「なにゆえ、ひとりで戦わぬ、か……」とかつてフィオ王子に問われた言葉を思い出す五エ門。「このためかもな」というその言葉の、このため、とは、すべてを終えて仲間と過ごす時間ということかもしれません。そこで食べる飯の味は格別、なのね、きっと。だから、ルパンは「うめえな、この辛子がまたピリッとしてよ」と笑い、五エ門は「この西洋たくあんも絶妙なつかり具合」と答え、次元も「ベーコンがいい仕事してるぜ」というのでしょう。フィオ王子の力強い「いつか、かならず、わたしは礼を言いたい、わが王国を過去という牢獄から救ってくれた、あの泥棒たちに」という言葉を聞きながら、ルパン一味はまたいずこともなく去っていくのでした。
以上、「プリズン・オブ・ザ・パスト」のみっちり感想でした。ここまで読んで下さってありがとうございます。長いと思ったあなた、わたしもそう思います。さすがに疲れた。こういう形式で感想を書くスタイル、そろそろ考え直そうかと思いました。でも、いちいち拾いたくなる台詞や場面が多いTVSPだったのよ……。
言いたいことはもうすでに全部書きました。わたしとしては、個人的にPART5でナンバーワン贔屓だった八咫烏五郎くんがあのだいかつやく(あえてこの表記)でしたので、それだけで満足としてもいいんです。あと、今回もジゲフジ場面を頂きましたので……。ええ、美味しく頂きました。おかわりはいつでも歓迎です。もぐもぐ。
が、今回はさすがの西田シャトナーさんの脚本で、各キャラに見せ場がちゃんと用意されてるうえに、キャラの関係性もわたし好みで、台詞もいちいち凝ってたりカッコ良かったりで、ほんとうに楽しいTVSPでした。五エ門の葛藤がラストに向けてきちんと回収され、最後のフィオ王子の台詞で題名の意味が確立するあたりとか本当に好き。
もちろん、悪役フィネガンのキャラのブレぶりとか、こまかいとこで「あれはありか」と思うとこもけっこうあるんですが、感想の中で書いたので繰り返しません。なんかもうそれも瑕瑾でいいや、細かいことはいいんだよ、というくらいにわたしはこのTVSPがお気に入りです。それはなぜかといえば、新ルを思わせるわちゃわちゃぶりと軽さが好きなのと、ルパン一味のみんなが仲良しで楽しそうなのが理由です。ぶっちゃけ「グッバイ・パートナー」でちょっと不満だったそのあたりがきちんとケアされてる感じで、言うことないんですよね……。わたしはそのあたりほんとうにチキンというかこどもなので、ルパン一味が傷ついたり幸せでなかったりすると、つらいのですよ。もちろん、PART5のように、そのあたりを真面目にテーマにして取り組む場合は、また別なんですけど。それはそれ、これはこれ。
とにかく楽しいTVSPでした。わたしがルパンのTVSPに求めるのはこういう楽しさです。シビアなカッコ良さとかクールさは小池ルパンやほかの話にまた求めて、今回はこういうTVSPだったということ。わたしはずっと、この手の飽きずに見られる楽しさ満載のルパン三世が欲しかったのです。「TV第2シリーズのようなコミカルな面白さを追求した爽快脱獄アクション」という公式の文句に偽りはなかったと思います。たしかにコミカルに面白かったです。ありがとうございました!